- Amazon.co.jp ・マンガ (210ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047368132
作品紹介・あらすじ
美しくも不吉なる真珠を携え、
死に魅入られた旅路を行く親王とその一行。
妖しき船の出現に、親王の喉に宿痾として宿った珠。
そして、パタリヤ・パタタ姫との神秘的な再会--。
夢に現に魅了された幽玄なる天竺への旅は、終りへと向かう。
澁澤龍彦の遺作にして日本幻想文学史上屈指の傑作へ挑み、
絶賛を呼ぶコミカライズ、万感の最終巻。
●近藤ようこ ビームコミックス好評既刊●
『蟇の血』(原作:田中貢太郎)『死者の書』上・下巻(原作:折口信夫)『五色の舟』(原作:津原泰水)
『帰る場所』『水の蛇』『月影の御母』『美しの首』『猫の草子』『説経 小栗判官』『宝の嫁』『女神たちと』(共著:河井克夫他)
●コミックビーム 公式ツイッター●
@COMIC_BEAM
感想・レビュー・書評
-
この漫画は、原作を離れての評価は難しいと思うが、生死、時間、精神と肉体、空想と現実が一体となる感じが素晴らしい。本当の高岡親王という人はどんな人だったのだろうかと考えさせられる。
-
こちらも最終巻。
パタリヤ・パタタ姫の不思議な死生観。
少しずつ衰弱してゆく親王の死生観。
文章では、この夢と現の物語を
自分で消化しきれなかったと思うので
映像化してくれて良かったです。 -
澁澤龍彦の原作小説のコミック化第4巻にして完結編。天竺に至ることは出来なかったが、自分の人生に満足して逝ったミコの姿にしみじみした。
-
真珠(III、IV)頻伽(I〜V)、完結巻。
ベンガル湾の魔の海域での自死への誘惑やあやかしとのたたかい、そして流れ着いたスマトラ島でのパタリヤ・パパタ姫(いまはスリウィジャヤの王妃)との思いがけない再会から天竺をめざす旅の終着まで。
呑み込んだ真珠が喉につかえて声が出にくくなって食欲も衰えて少しずつ弱っていき夢と現がどんどんぼんやりしてきて思い出にひたる時間が長くなっていくあたりになんともいえないリアリティを感じてしまう(これは父を見送る半年の経験を経たいま読んでいるからだろう)。姫と思い出の中の薬子が重なり、導かれるように安らかに死出の旅にでる親王の姿をみるのはかなしくもおそろしくもなくむしろああよかったなあと思えた。
天竺に行き着いたも同然と思えた安展と円覚はこのあとどうするのだろう。秋丸/春丸はいったいなにものだったのだろう…あれこれ考えながら、また最初から読み返したり、澁澤龍彦の小説の方を読み直したい。
巻末には近藤ようこのあとがき。 -
これにて完結。
この巻が出たタイミングで再び1巻から通して読んでみたが文句ない傑作。
2021年度に刊行された漫画のベストであることは揺るがないだろう。
坂口安吾のコミカライズでも感じたが、読んだ印象が原作小説を読んだそれと変わらない。それ自体が驚異的なことだが、にも関わらず誰がどう読んでも近藤ようこの作品である。近藤ようこ以外、誰にも描きえない作品として成立させていることが信じられない。 -
それほどでもなかった。
https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20220131-OYT8T50108/