コロヨシ!!

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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感想 : 161
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  • Amazon.co.jp ・本 (470ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048740142

感想・レビュー・書評

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  • 個々の人物の感情は感じるのに、物語の根底に流れる静けさが独特の雰囲気を形成しています。そして設定が複雑すぎるけど、理解ができるかできないかのギリギリのラインを狙っているかのような情報量。おかげで読んでいると精神力を消耗しますが、無茶苦茶面白いです。掃除の競技としての魅力も勿論ですが、主人公を振り回す怖くて可愛い女の子達の描写が楽しかったです。続編が書かれるみたいなので読める日を楽しみにしています。

  • 三崎亜記が描くスポーツ青春小説。
    三崎亜記の作品に共通している現実と地続きのようで、でも現実とは異なる世界で展開される高校生の葛藤がとてもリアル。
    非現実世界のはずなのに、現実との境界があいまいになるような妙な生々しさがある。
    そして非現実世界を舞台に、現実であふれる苦悩や挫折、成長が浮き彫りにされる。
    やっぱ三崎亜記の小説は面白い。
    なんせ、スポーツは「掃除」だからね。
    掃除がスポーツだなんて無茶に思われるかもしれないけど、設定も作りこまれてるし、練習や試合の描写がきめ細かくて惹きこまれるしで抜群に面白い。
    続編が気になりすぎる終わり方だった。
    早く続きを読ませてくれ。

  • ■舞台設定こそ他の作品との関連が強いんだけど、いつもの三崎ワールドとはちょっと違うストーリー。

    ■『頃良しっ!』って掛け声で始まる競技である『掃除』に翻弄されつつも、国家レベルで隠された過去の秘密が少しづつ解き明かされて行く。って、競技の設定も内容もこんなの三崎 亜記じゃなきゃ考え付かないんだろうけど。(笑)

    ■これまでのシリアスな作品と較べると、エンターティエメントしてるかな。なんか読んでて誉田 哲也の武士道シリーズと同じような匂いがしたんだけど。

  • 私の乏しい想像力が、この物語の魅力を半減させている気がしてならない。
    いつもの奇妙な三崎ワールドは健在。
    http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-581.html

  • 初めて読む作家。

    妙な小説である。「とある高校にある弱小運動部に所属する2年生男子が、幾多の試練を乗り越えて全国大会に出場する話」と紹介された時にイメージするものはどんなものだろう。最近なら「もしドラ」みたいなものを想像する人もいるかもしれない。でも、その想像はたぶん確実に裏切られる。

    その弱小運動部の名前は「掃除部」である。あの掃除である。この小説の舞台となっている世界では、「掃除」がスポーツとして成立していて、その雰囲気は空手の形競技にちょっと似ているかもしれない。まあ似ていると言われたら形競技が困ると思うけど。このあたりで妙な気分がしてくると思うけど、たぶんここで頭に浮かんでくるイメージも、たぶん裏切られると思う。

    なんと言っても、小説の舞台となっている世界が本当に妙なのである。近未来の日本のような感じだとは思う。非常に現代的な要素と、おかしなくらい古式豊かな部分が、ミスマッチのまま無理矢理マッチさせられている感じだ。しばらく読んでいると頭がくらくらしてくる。この世界を構築できるだけでも、作者のセンスはものすごいと思う。

    何よりもビックリするのは、そういう不可思議な世界を作った上で、そこで繰り広げられる主人公の物語が、嫌になるくらい昔ながらのスポーツ根性物語だってことだ。もちろん、今の人たちに読んでもらわなければならないのだから、根性と猛練習に彩られたものにはならない。でも、意外な特訓とか過去を秘めたコーチとかライバルの出現とか、フォーマットそのものは、ほとんど「巨人の星」や「アタックNo.1」そのものである。「ミスマッチのまま無理矢理マッチさせられているというのは、なによりもそこのところだと思う。

    つっこみどころは満載で、何度も何度も「そんなバカな!」と叫びたくなる。主人公たちの超人的な技と「弱小部活」という組み合わせもものすごい。真剣に書いてあればあるほど脳の中に違和感が溜まっていき、それがまた一種の快感を生む。

    一読してみてもらいたい。「おもしろいな、これ」と思うか、「ふざけてるよ、これ」と思うか。僕は前者だった。

  • 「掃除」というスポーツが存在する世界での青春もの。面白かったけど、もうちょっと登場人物のその先まで見たかったかも?これはこれで余韻があって好きですが。
    「失われた町」でも出てきた、西域やらの設定が出てきてます。結構ぶっ飛んでる設定なので、好き嫌いはあるかもしれません。俺は好きです。

  • アニメ化したらおもしろそうな話。
    三崎亜記作品を続けて読んでいないと細かな設定や世界観がわかりにくいと思うけど
    「掃除」をスポーツにしちゃう発想はおもしろいし
    この人が青春モノ書いちゃうんだ、という意外なとこがいい。

    ただ、幼なじみのお嬢様梨奈や”親友”大介の位置づけが甘いと思う。もうちょっと彼らのことを掘り下げて欲しかった。
    あと最後がちょっとバタバタしたかな。もったいない。

  • やっと読了~(^^)/
    お正月休みに読むつもりが、なかなか読めなかったのと、本が分厚いのもあって、思った以上に読むのに時間がかかってしまいました(^^ゞ
    読む前は、三崎先生にしては珍しいスポ根ものかと思っていたのですが…読んでみると、いつもの三崎ワールドの中での青春ストーリーでしたよ♪
    こういった作品は特に…文章を読んで、頭の中に、その情景を思い描くことができないと理解できない★っていうか楽しめないでしょうが(-_-;)
    私の場合、掃除というスポーツの情景が3Dで頭に浮かび、ほんと魅せられましたね(#^.^#)
    まだ続編が読みたいぐらいです~\(^o^)/

  •  国家に統制されているスポーツ掃除。よく分からん話だし、よく分からん時代の青春小説だけどおもしろい。樹のなやみや恋心が青春だなあって感じ。

  • 掃除競技にかける青春スポーツ小説。この作者らしいが、競技の内容や単語に、ついていけなかった。でもキャラはいいな~

    2011.1.14

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著者プロフィール

1970年福岡県生まれ。熊本大学文学部史学科卒業。2004年『となり町戦争』で第17回小説すばる新人賞を受賞しビュー。同作は18万部のヒットとなり直木賞にもノミネートされた。著書に『廃墟建築士』『刻まれない明日』『コロヨシ!!』『決起! コロヨシ!!2』など。

「2021年 『博多さっぱそうらん記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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