ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048914277

感想・レビュー・書評

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  • まるまる一冊江戸川乱歩。
    今回は一つの話で一冊が構成されているので、ミステリーとして読み応えがありました。
    実際の作家さんについて、フィクションを織り交ぜながら話が毎回最後を迎えるので、ワクワクします。
    いつか江戸川乱歩読んでみようかな。

  • 第四巻は全編、江戸川乱歩です。自分的には、ポプラ社のシリーズものではルパン派だった。兄の蔵書にあったから。友人にホームズ派がいた。借りて読んだ。でも、乱歩はなぁ…。図書室で少し読んだだけで、あまり思い入れが無いんだよなぁ。だから、なるほどという感じでした。安定の面白さである事は保証します。

  • 今回は江戸川乱歩にまつわる連続もの。栞子さんが、母の智恵子と直接対決。五浦大輔との関係も、少し進展があり、面白い展開に。

    前巻のラストで、ビブリア古書堂の店主・篠川栞子の妹・文香が、10年前に家を出た母の智恵子にメールを送っていたことが判明。栞子さんが、母からのメッセージを期待して探していた「クラクラ日記」を持っていたことも。そんな時、五浦大輔が留守番をしていたビブリア古書堂に電話が入り、店の前に篠川智恵子が姿を見せるが、また来るわねという言葉を残して消えた。

  • シリーズ第4弾は江戸川乱歩コレクションにまつわる謎解きで、しかも長編になっていてとても楽しめた。そして今回は冒頭から栞子さんの母親が現れるし、後半では栞子さんと大輔が急接近したりで、今後の展開がますます楽しみになって来た。

  • 今回は、江戸川乱歩の特集のようだ。全編を通して、乱歩作品がところどころに登場してくる。そして、乱歩作品の謎が、本編の謎となる。「うつしよ」の乱歩のあの言葉は、まさに物語にしたような構成であり、登場人物の配置がよくできている。
    母、智恵子が現れる。江戸川乱歩の蔵書についての謎と、売りたいという依頼。智恵子の過去とヒトリ堂との関係、それ以前の子ども時代、そして恩人である父と、娘との(本を解した)結び付きが明らかとなっていく。乱歩作品のトリックを巧妙に使いながら話は進んでいくが、人間の持っている心理については表現していない。現世の欲望を示しつつも、心が現れないところが、物足りなくも、面白いところ。やはり、原作を越えられないのだろうか?

    それにしてもこの作品をなぜ選んだのか?

  • シリーズ第4弾にして、1冊まるごと乱歩をテーマとした長編構成、これだけで心奪われてしまう。初期短編から幻想小説的中長編、さらに少年探偵団のジュブナイルと、乱歩を様々な角度から掘り下げてる。それほどの知識を要するものでもなく懐かしさと新たな知識をいただく興奮とで一気に読ませる。今回も面白かった、そして続きが非常に気になり5弾が待ち遠しい。

    物語のシリーズ構成として今回は大きな変化が冒頭から訪れる、ヒロイン栞子さんの母親篠川智恵子のいきなりの登場である。理由なき失踪を遂げた母親の足跡を辿る、人探しサスペンスの展開を自分的に予測していたのだが、あっさり裏切られた。ヒロイン栞子さんの事情もあり感動の再会にはならなかったが、妹文香にはよかったようである。乱歩以外で紹介された「旅の絵本」には強く惹かれた。

    それにしてもライバル的ポジションとして母親を登場させるとは思わなかった、ヒーローorヒロインが超えるべき壁として肉親が登場するのは物語の定説ともいえる展開だろうが、主に父親じゃなかろうか?母親超えの物語は思いつかない。古書に関する知識も、推理洞察力も、さらに対人交渉力も全てにおいて母智恵子は娘栞子を凌駕している。そこに関わるのが乱歩と来ると行間漂う緊迫感も過去3作品を超えていたであろう。開かずの金庫の中身が~であろう、というくだりは鳥肌ものだった。

    古書という共通項を持つ母娘にとって先立つ感情は近親憎悪的激しいもののようだ、しかしながらヒロイン栞子さんは意識している、己以上の見識を持つ母との、古書を間におく邂逅の恍惚を…ラストにおいて、その禁断の果実を食むとする栞子さんを呼び戻した大輔、よくやった!と褒めてあげたい。

    母親の秘密も気になるが、やはり大輔の勇気の結果が気になる。

  • シリーズ4冊めにして初の長編、らしい。
    とはいっても、今までの作品も短編とはいうもののちょっとずつ繋がってたので
    さほど違和感は感じなかった。
    というより、言われて初めて「長編だったんかこれ!!」と気づいたくらいで(爆)。
    江戸川乱歩に纏わる連作短編、という括りでも通じるような気がする。

    謎だったお母さんがとうとう姿を現す。
    伝聞で語られていたよりもさらに一筋縄ではいかない印象である一方で
    最後まで読むと彼女の悪役感が若干覆されるつくりになっていた。
    それでもなお篠川智恵子という人に胡散臭さと嫌悪感を持ってしまうのは
    大輔の視点で、或いは栞子の視点で話が進むからだろうか。

    最後の最後で覆されるのは智恵子の悪役感の他にもいくつか。
    実際の黒幕が判って、栞子さんが謎解きをしたときに
    今回の題材が江戸川乱歩だった意味が判った気がした。
    3巻で決着がついたと思われていた事実も覆ったのには驚いた。
    まさか繋がっていたのが妹ちゃん以外にも居たとは思わなんだ。

    謎解きと篠川家の話に加えて、今作は大輔くんの成長振りにも目を見張る。
    前からこんなに記憶力のいい人だったっけ???
    記憶力もさることながら、空気を読んで行動することも異常に上手くなった。
    篠川母子の洞察力に肉薄するのもそう遠い日ではなかったりして。
    そして、よくぞ言ってくれました!!!(笑)
    相変わらずの栞子さんの鈍さも萌えポイントとして健在か(爆)。
    なんだかんだ言ってお似合いなんだよなこのふたり。
    栞子さんもなんだか思わせぶりだし。

    小学校4年生(だったと思う)で初めて学校の図書室に足を踏み入れた頃
    最初に食いついて貪るように読んだのが
    『怪人二十面相』と『怪盗ルパン』のシリーズだった。
    既に内容は何ひとつ覚えていない(爆)けれど
    この話に出てくる鹿山さんやヒトリ書房の店主のように
    自分にとっても最初に推理小説といえるものに触れたのは
    江戸川乱歩だったんだなぁとしみじみと思い出した。
    初心を取り戻す、という意味でもう1回読んでみてもいいかな。

  • 今回は1冊まるごと「江戸川乱歩」
    おもしろい。母と娘が対峙する。
    まるでスターウォーズ ルーク対ダースベイダーのようw

    お話は...
    ビブリア古書堂にもたらされた謎めいた依頼。
    それは江戸川乱歩の膨大なコレクションを譲る代わりに、ある人物が残した精巧な金庫を開けてほしいと依頼だった...

    「江戸川乱歩」が残した本、謎に絡めながら、金庫の扉へと迫っていく。
    謎へと迫る中、ヒトリ書房 井上、母、そして大輔さんへの向き合っていく。

    栞子さんと母 智恵子の闘いは緊張感あった。
    栞子さんの前に大きく立ちはだかる越えなくちゃいけない存在として。
    栞子さんの成長を確かめるような振る舞い。

    大輔さんを素直に応援したい!
    必要とし必要とされる2人が幸せな時間を過ごす話は、本に纏わる謎解きと同じくらい読みたい。

    あと「江戸川乱歩」の原作読んだことないんですよね...わたし。
    江戸川乱歩をオマージュしたり原典としたマンガで馴染み深いのですが、まだ読んでない。
    ビブリア読むと、出てくる本を読みたくなります。無性に。

    さて本巻は、母の謎、栞子と大輔さん、大きな余韻を残して終わる。
    次巻早く読みたいな。
    どうやら物語も後半に入っていくようなので結末はどうなるか。


    あとがき...ドラマは観てません。

    • kwosaさん
      desicoさん

      フォローありがとうございます。

      >まるでスターウォーズ ルーク対ダースベイダーのようw

      なるほど。
      暗黒面に引きずら...
      desicoさん

      フォローありがとうございます。

      >まるでスターウォーズ ルーク対ダースベイダーのようw

      なるほど。
      暗黒面に引きずられそうになった栞子さんを大輔がつなぎ止めた、って感じですかね。
      読み終えたばかりなのに、もう次回作が待ち遠しいです。

      乱歩は予習として『孤島の鬼』を読んだのですが、いやあ凄かったですよ。
      いろいろ圧倒されました。

      時々、本棚のぞきにきますね。
      どうぞこれからもよろしくお願いします。
      2013/02/28
    • decoさん
      こちらこそフォローありがとうございます!
      『孤島の鬼』すごいんですね_φ(・_・

      これからよろしくお願いします(ぺこり
      こちらこそフォローありがとうございます!
      『孤島の鬼』すごいんですね_φ(・_・

      これからよろしくお願いします(ぺこり
      2013/02/28
  • シリーズ第4弾。
    シリーズ初めての長編。
    今までは、訪れるお客さんの悩みを解決して来たビブリア古書堂だったが、今回は大きなお屋敷に呼ばれ、江戸川乱歩の希少古書を引き取らせる代わりに、開かずの金庫を開けることを条件とされる。
    作風は今までの人のちょっとした行動から、謎を解いていたものとは異なり、今回は結構本格的なミステリー仕掛け。
    敵対していたと思われていたヒトリ古書店の井上とも関係が修復し、これまで行方不明だった栞子の母もガッツリ絡んでくる。
    内容は終始、乱歩の本に関することで、子供の頃から怪人二十面相を読んでいるものには、堪らない内容。
    人間椅子とか、子供心にすっごいドキドキしたタイプ。
    母とのわだかまりも、少し溶け、この先は大きく物語が動くのかなぁ。

  • 江戸川乱歩の知識があったらもっと楽しめるのにな~~と!本をネタにした本は大好きなんだけど、原作を読もうとしないのは情けない!頼むから「少年探偵団」とか「怪人二十面相」とかは読みたい!どなたかご一緒しませんか。(笑)

    タイトルの「二つの顔」には色々な意味が含まれているなあと思いました。鹿山明さんしかり、智恵子さんしかり、井上さんしかり。

    みんな好きな人には甘いのね。その形が不器用だったとしても、いつか報われてほしいな、と思いますが、今回はみんな報われている気がします。

    大輔くんはよく押した!いつまでももだもだするような関係でいてほしいのが読者としての感想だけど、大輔くんの奮闘も応援したくなってしまいます(*´ω`)

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著者プロフィール

『ビブリア古書堂の事件手帖』シリーズが累計700万部を超えるベストセラーとなる。同シリーズで、文庫作品初の『本屋大賞』候補、『本の雑誌』が選ぶ「この40年の書籍 第1位」に選ばれるなど、幅広い層からの支持を集める。

「2022年 『ビブリア古書堂の事件手帖III ~扉子と虚ろな夢~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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