モモちゃんとアカネちゃんの本(1)ちいさいモモちゃん (児童文学創作シリーズ)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (149ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061192317

感想・レビュー・書評

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  •  モモちゃんがうまれたのは、なつでした。
    青いそらに、お日さまがぴかぴかひかって、あんパンみたいなくもが、いっぱいとんでいました。
    おへやの中では、はとどけいが、ポッポー、ポッポーって二つ、ねむそうになきました。
     そのときですよ、モモちゃんがうまれたのは。おぎゃあ、おぎゃあってないてね。


    赤ちゃんのモモちゃんが、3歳になるまでのすくすくと育つ様子が、優しい語り口で語られます。
    モモちゃんの成長は、ママやパパ、クロネコのプー、にんじんさんやじゃがいもさん、もぐらさんやうさぎさん、そして「あかちゃんのいえ」の先生たちやお友達たちが見守っています。
    モモちゃんはクロネコのプーとけっこんしきごっこをしたり、お友達のコウちゃんとカバさんの散髪をしたり、嫌いって言っちゃったから泣きながら逃げ出してしまったにんじんさんを追いかけたりします。
    そしてママは、大きくなるモモちゃんのためにパンツを30枚作ったり、ももちゃんを「あかちゃんのいえ」に預けて毎日働いて、帰ってきたらぎゅっとモモちゃんを抱きしめます。

    なんとまっすぐな成長とそれを見守る眼差しのおおらかさ。
    人間がのびのびすくすく育つというそのものがお話に現れています。
     モモちゃんはもうあかちゃんじゃないもん、もうおおきいんだもん!
    風にも負けずに走り出すモモちゃんの、小さいけれど力強い姿が胸に響きます。

    • りまのさん
      淳水堂さん
      懐かしい! 大好きな本でした!
      本が読めるようになって、最初に覚えている、好きになった本です。また読みたくなりました!
      淳水堂さん
      懐かしい! 大好きな本でした!
      本が読めるようになって、最初に覚えている、好きになった本です。また読みたくなりました!
      2021/06/15
    • 淳水堂さん
      りまのさん コメントありがとうございます!
      私は子供の頃はこの一巻目だけ読んでいたのですが、今回は全巻読んで行っています。
      小さい子がす...
      りまのさん コメントありがとうございます!
      私は子供の頃はこの一巻目だけ読んでいたのですが、今回は全巻読んで行っています。
      小さい子がすくすく育ちそれを見守る周りのみんなの目、かなしいおわかれ、この世と違うところへの繋がり、松谷みよ子さんすごいなーー、と思いながら読んでいます。
      大人の今だからか、ママさんの気持ちが、哀しいこと、嬉しいこと、大人だからやらなゃいけないことなど、こんなに書かれていたんだなあって思います。

      りまのさんもお時間できましたらぜひ!
      2021/06/15
  •  母が買ってくれました。どの話も大好きで、今でも時々思い出します。
     黒猫のプーと金魚水。金魚水、って言葉、今読み返してもすごいパワーワード。子供心にも、素敵な表現だなって思いました。
     雨こんこん、の歌は今でも雨の時に心の中で歌っちゃう時があります。
     美味しい物が好きなくまさん、にはとても影響を受けました。自分の中で、小説に出て来るくまさんのイメージがこのくまさんで定着してしまうくらい。

  • 1973年発行。
    ずっと大切に本棚にならべてあります。

    表紙の絵が、写真とは少し違います。。

  •  三歳当時の私の愛読書。母親いわく、「あんたはこれで文字を覚えた」← 300回くらい読まされたらしい……。

     従姉の本棚から見つけて持ち出して、抱え込んで離そうとせず、困った母親が新しいのを買って来たけど、どっちもこのお人形の表紙がよくって大騒ぎになったとか、モモちゃんになりきって行動しているので、なにかさせようと思ったら「じゃりねこちゃんはモモちゃんなんでしょ。歯医者さんにいかない子はモモちゃんにはなれないのよ」で、大抵言うこときいたとか、ほんとにエピソードに事欠かない一冊です。

     逆いえば、飽きっぽい三歳児をそれだけとりこにするだけの魅力がこの本にはあったのだ、と。語りつくされていることではありますが、善だけではなく悪(悪い子)、漠然とした不安(パパとママの喧嘩)などが、子どもの視点できちっと描写されているからこそなのだろうけれど。

     あんまり好きすぎて、作者にクレヨンで書いた催促のファンレターを送ったのは、今でもいい酒の肴となっていますorz (お返事もモモちゃんの絵葉書で来ました)

  • ずいぶん昔に黒姫童話館で懐かしく買ったもの。
    子どもにあげようと読み返して、ボロボロ泣いてしまった。

    子どもの頃、妹が産まれて、母の手が私に回らなくなり、ひらがなを覚えて絵本に夢中になったこと。図書館で一人で読みながら、モモちゃんとプーの関係が羨ましかったこと。
    この巻ではないけど、パパが「お客さん」になったという表現でうっすら「離婚」というものが世の中にあることを知ったこと。

    いろんな気持ちが鮮やかに蘇った。

    そして、いま、自分が親に、それもモモちゃんのママと同じ「働くお母さん」になって、ママの、モモちゃんへの気持ちが自分に重なる。
    子どもが生まれたばかりの頃のこと、離乳食につぶしたお芋やにんじんを食べさせたこと、おむつを卒業するためにパンツをたくさん用意した頃のこと、初めて保育園に連れて行った時のこと……

    モモちゃんのためにプーが「あかちゃんのうち」へ駆けていってくれるなんて、きっと作者の松谷さんも、お子さんにそうして存在があってくれたらいいなと描いたのだろうと思ったり。

    お迎えが遅くなったママに怒ったモモちゃんが、他の怒ったあかちゃんたちと、雲の上へ電車で登っていってしまう切なさ。

    いろんな感情が溢れて止まらなくなった。
    親から子どもへ、そして更にその子どもへ、時代が変わっても普遍的な思いを読み継いでいきたい、そんな作品だなと改めて思った。

  • このモモちゃんとアカネちゃんシリーズを始めて読んだのは、講談社の青い鳥文庫でしたが、その後この可愛い表紙のシリーズで読むようになりました。
    姉の自分がモモちゃん、妹がアカネちゃんに似ている部分が多かったのもあってとても身近に感じる本です。

  • たったちゃんとたあたちゃんが出てこなかったよ(お母さんが、出てくると言っていたのに)。モモちゃんがかわいかった。小さい子が好きだよ。
    *図書館で借りた本

  • ちゃんと成長するようになっているから本当に育った感じがすると思った。

  • 6歳の娘がとても気にいっていました。可愛いお話。

  • 子どもによって感想が違うだろうなと想像するとまた楽しい。

著者プロフィール

1926年、東京生まれ。1944年頃より童話を書きはじめ、1956年、信州へ民話の探訪に入り、『龍の子太郎』(講談社)に結実、国際アンデルセン賞優良賞を受ける。以来、民話に魅せられ創作と共に生涯の仕事となる。日本民話の会の設立にかかわり、松谷みよ子民話研究室を主宰。著書に『女川・雄勝の民話』(国土社)『日本の昔話』『日本の伝説』『昔話一二ヶ月』『民話の世界』(共に講談社)『現代民俗考』8巻(立風書房)など。

「1993年 『狐をめぐる世間話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

松谷みよ子の作品

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