塗仏の宴 宴の支度 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (616ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061820029

作品紹介・あらすじ

昭和二十八年春。小説家、関口巽の許に奇怪な取材依頼が齎された。伊豆山中の集落が住人ごとに忽然と消え失せたのだからという。調査に赴いた関口に郷土史家を名乗る和装の男が嘯く。-「世の中には不思議でないものなどないのです」。男が現出させたこの世ならざる怪異。関口は異空間へと誘われるのか?六つの妖怪の物語で、「宴」の「支度」は整い、その結末は「始末」にて明らかとなる。

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに京極夏彦を読んだが圧倒的物量!!
    本が鈍器と言われていたなぁと改めて思い出した、、、、

    これまでのシリーズとは違い2巻構成の妖怪オールスターと言った感じで読み応えが非常にあり、よく読まないと頭がこんがらがりそうになったが内容が気になって読んでしまう京極夏彦の文章力、知識力がすごい。

  • 凄い。としか言いようがないです。

  • 緊張感は漂うものの、この拡がりをどう回収するのか心配してしまうぞ。
    的は京極堂か?

  • まさに、<オールスター春の祭典!>って感じ。

    前作「絡新婦の理」で、なぜか一度完結したかのような印象を受けた私。
    すっきりしたというか・・・。

    だから今回、今までの事件の関係者たちが次々に現れ事件に巻き込まれていく様は、期待以上のワクワク感でいっぱい。

    ゲストたちの華やかさは言うまでもないが、メインメンバーたちも
    事件に大きくかかわっていく・・・

    あぁ。関ちゃんはいったいどうなっちゃうのか?
    エノさん、カッコイイ!
    キバシュウまたも暴走か!?
    京極堂はいつ立ち上がるのか?

    そんなわけで、いつもに増して、とにかく出演者が多すぎる。
    忘れてしまわないうちに早く、「宴の始末」を読まなければ・・・

  • 最後の茜さんが衝撃的でしたね。
    私、同じ名前なのですよ、漢字まで。そして、お風呂に入りながら読んでたんですよね。そしたらお風呂で、なもんですから、怖くなってマッハでお風呂を上がりました。
    あと敦っちゃんも心配なところ。一旦軽い読み物を挟んで、始末してもらいましょうか。

  • 今までのも確かに長かったけど、こんなに読みにくかったかな。
    うんちくが始まるともう、私は置いてけぼり。
    何の話だったか、わからなくなってしまう。
    おびただしい数の文献がリアルに感じる場合もあるかもしれないけど、研究論文のようでよくわかりません。
    おかげで、読み始めて2ページくらいでぐっすり眠れます(爆)。

    でも、登場人物はみんな個性的で好きなんだけどなぁ。妖怪ものなんてほかにあまりないし。

    私個人の解決策としては、うんちくが始まったら適度に読み飛ばす。
    ゴメンナサイゴメンナサイ

    この作者の本は続けては読めないなぁ。へとへとになる。

  • 今までで1番頭がとっちらかった百鬼夜行シリーズかも。京極堂の蘊蓄も難しかった…。神様とか天皇の名前出すぎやねん。論文か!
    どこが事件の肝なのか整理できないので、自然と力を入れて読む箇所が判断できないというか、山場がないというか。ぐちぐち書きながらも結局は面白いという感想に落ち着くのでスゴイ小説です。どう始末をつけるのか。

  • 前作を読んだ時は茜さんに対して複雑な感情を抱いていたが、今作ラストでこんな事になってしまい、何とも可哀想な気分になった。
    今回は催眠術が肝ということで、おそらく関口にも催眠術がしっかりかけられているのだろう。種明かしの後編が楽しみ。

  •  個人的な百鬼夜行シリーズ再読キャンペーン6冊目。
     鵼の碑読了を期に、もう一度初めから読み返そうとしたものの、どこに置いたものやら過去作が見当たらず、仕方なく近所のブックオフでも行ってみるかと思い立ち、京極夏彦コーナーに赴いたものの数が少なく、とりあえず目に付いたものを買ってきた。で、塗仏の宴まで来たところで、上下で買ってきたら中があって、仕方なく電子書籍で購入して読み終わったものの、どうもしっくり来なくて改めて確認したところ、なんと上だけ「宴の始末」だったという体たらく。いや連作短編だし繋がってない気がするのも、まあそういうもんかと思った、という言い訳。上だけ買うかとも思ったけど、確実に、ということでノベルス版を。
     さて、ということでようやく本筋の感想。塗仏の宴に関しては全くというほど記憶に残っておらず、なんでだろうと思っていたのだけど、再読して、なんとなく原因が分かった。いつもにも増して混迷で胡乱な京極節が炸裂しており、一つ一つの事件が小粒な連作短編ということもあって、余計に記憶に残りにくくなっていたのかなと。どことなくとっ散らかっていたように感じられるのは、「そういう風に」デザインされているからだと思う。ただ、重厚長大な京極文でやられると、流石に記憶は雲散霧消しちゃうのだな。
     あと、絡新婦の理の感想で書き忘れていたけど、猫目洞のお潤さんがとてもいい。気風が良く賢い姐さんキャラほんと好き。そんなお潤さんだけでなく、狂骨の夢でお気に入りだった朱美さんも登場していたのに記憶に残っていないのは、京極作品の中で多分一番好きな織作茜が最後を締めたのが大きいのだと思う。そして、このあまりにも悲劇的な結末に晒され、それも記憶からこの作品を消してしまった要因かもしれない。サブキャラクターとして、もっと登場してほしかったな……。絡新婦の理から時間を置かずに読んだので、続編としてあの結末に至るのはあまりにも哀しすぎる。
     とりあえず本書を読んで、塗仏の宴がどういうお話だったかは漠然と思い出した。「宴の始末」はノベルス版で準備済みなので、どういう結末だったか楽しみ。

  • 登場人物が好きで読んでいたり。
    読み直しなのと実際読んでるのは電子版の方なのですがこちらで…。
    覚えてないので続き気になる。
    分からない文字が多くてなかなか進みません、ゆっくり読んでますがじわじわ読み進めるのも楽しいです。

  • ミステリに催眠術はずるだろう、と。多少思い違いをさせるとか、一部記憶の混同を起こさせるとかだったらまだ納得できるけれど、まるまる消去したり行動を完全に制御したりというのはオカルトの領域で、むしろそこにこそ京極堂はきりこむべきなんじゃないか?だいたい記憶が信じられないのであれば、何一つ事実なんてない。事実がなければ論理の組み立てもできない、そんな砂上の楼閣の上にはミステリは成立しないだろう、とそんなことを思いながら読んだ。

  • 20年ぶりの再読。楽しめます!

  • 【2022年37冊目】
    2012/11/01に読了しており、およそ10年振りに読んだことになります。これまでのシリーズに出てきた登場人物がちょこちょこ出てくるのが楽しく、全てを巻き込んで行われる宴の支度にドキドキが高まって行ったところで「支度完了」となりました。相変わらず京極堂の話は難しくて、関口さんや木場さんの相槌もあるものの「?」となりながら読んでいました。後半も楽しみに再読します。

  • 犯罪は大きなものほどなかったことにされる。
    レギュラー達が事件に巻き込まれていく。
    憑物落としも一人あったが、事件が解決するわけではなくヒントになる程度。

    幾ら戦争だからといって普通な出来ないことも、国体を信じてやってしまった、隠蔽、信念、洗脳――戦争で学んだはずなのに今も形を変えて。
    「遠回しだし物腰も柔らかだけど、脅迫である」ことも、言葉をソフトで「語義が複層的で如何とでも取れる」ようにし「語感だけで罷り通る」ものにしてごまかすことも多い。

    ■洗脳の手法、気とニュートン&プラシーボ効果、武道と洗脳「初めの一撃」

  • 妖怪に詳しくなったようなそうでもないような?後半である始末もまとめて読んだので、この巻だけの感想が思い出せない。小さな事件の解決?があった事や色々なお話がとっ散らかる巻でしょう。

  • ぬっぺっぽう、うわん、ひょうすべ、わいら、しょうけら、おとろし、塗仏の妖怪たちがモチーフに使われ、各モチーフごとに話が進んでいく。それぞれの話で主人公達は事件に巻き込まれていくのだが、それぞれの話に詐欺を行う怪しい団体が絡んでくる。別々に話が進んでいるはずなのに、どの話にも同じ場所が出てくる。そしてそれぞれの怪しい団体はその場所を取り合うように策をめぐらす。その場所に一体何があるのか?何が隠されているのか?と壮大なスケールで一点に集約していくのがただただ面白かった。1作目以降のキャラも容赦なく出てくるし、とてつもないスケールになってしまい最早相関関係がわけわからんくなってしまったのでまたいつか再読しようと思う。てかこんな構成の物を書けるなんて実は作者が妖怪なんではなかろうか?と勘ぐってしまうわ笑 面白いわ。

  • 2012年に続き、2020年の今、再度読み直してる。
    3回目みたい…
    初回は読み切れなくて諦めたらしい…

    絡新婦の理に登場した織作茜
    狂骨の夢に登場した朱美

    今回、京極堂シリーズを一気読みしてるので話が繋がって面白いね。

    宴の始末も楽しみ

  • あまり関係がなさそうな短編がつながっていく。多くが怪しげな宗教的な団体が関わっている。関係なさそうな事柄が最後にまとまっていくのは、このシリーズのひとつのパターン。長すぎ、重すぎで一部走り読みになってしまった。おそらく最後の最後の部分は頭が大混乱に陥るのが今から目に見えるようだ。

  • やっぱり、わいらの雰囲気がたまりません。
    好きなシチュエーションは、瞳を除き込む、ですかね。

  • 関口くんのうじうじ感がたまらなく愛しい

  • 富士宮がちょこっとだけ出てる~。

    では、宴の始末へ。

  • 長い

  • 百鬼夜行シリーズ6作目、宴の支度。
    一つ一つの物語が徐々に繋がっていくのが面白かった。短編仕立てになってるから、今までに比べると割と読みやすかった気がします。おなじみのメンバーに加え、今まで登場してきたキャラもたくさん出てきて、オールスターの様相。また一から読み返したくなりますが、このシリーズはひとまず全部ノベルスで読んでから流れを掴んでもう一度分冊で読むことに決めている。
    榎さんが相変わらず痛快でかっこよかった。京極の蘊蓄は聞き手が木場修だとわかりやすい例えで言い直してくれるのがありがたい。そして、冒頭のあれがまさか前作の彼女だったとは…関君一体どうなっちゃうの!?
    これだけ長いのにまだ支度。圧巻の風呂敷畳み期待してます。始末へ続く。

  • 過去の登場人物がわんさか祭り。
    上巻にあたる本作は章仕立てになっており過去の作品より読みやすい。ただ、歴代の登場人物がわんさかなのでそこだけ注意。
    催眠術と本末転倒。
    山中の消えた村の謎。薬売り。

    何が怖いってクソ分厚い京極本が上下巻に別れてるってとこがね!

  • 6つの短編が複雑に絡み合って多くの謎を。始末での結末が楽しみすぎる。

  • せ、関口ェ( ̄▽ ̄;)大丈夫なのか?もやしみたいな先生だな(´・д・)」いやぁ、こんな分厚い上巻を読むのはやっぱりダルいよねー(^-^;登山口だからねー。区切りが解りやすいのが救いだねー。これだけ長いと気になった場面の読み返しは絶望的に見つからないよ(;¬_¬)

  • 関口生きろ!!!!
    関口の壊れていく様がみてとれて大丈夫かこいつ……ってなった。
    ページが進むごとに順調に壊れる関口。うわあああ……!!
    本当に関口は変な人というか頭のおかしい人な気がする。普段は鬱と対人恐怖症とで誤魔化されているけど、ふとした拍子にぽろっとおかしな部分が出てきそう。
    この本は長いだけであんまり面白くなかった印象。暗示が無双すぎて萎えた。
    茜殺害も、彼女は聡明だと思うけど興味ないので、死んでもあっそ、って感じ。
    榎さんは相変わらずだった。

  • 宴の支度、つまりは上巻ってことね。
    今回は昔の登場人物がわっさわっさ出てくる。織作茜は前回の犯人だし。その前回の犯人が今回の事件の真相を暴こうとしたりするのは、なんだか読んでて面白かった。

    今回の事件の肝は、催眠術。一体誰が何の為に催眠術を使って、人の記憶という情報を操作しているのか?詭弁家同士の対決を匂わせる宴の支度。宴の始末に期待。

    自分の意思とは何だ?
    という問いを催眠術を極端な例にとって投げかけていた。問いの結論としては、意思とは所詮、環境・文化・時代などの様々な周りの状況によって選択肢は必然的に絞られるものだから、有って無いようなものだ、と、私は理解した。例えば、今自分が行っている仕事。本当にやりたかった事なのだろうか。今の仕事内容という以前に、将来的な給料や社会的地位などを無意識に天秤にかけた結果なのではないかと。
     そう考えると長年本当に自分がやりたいことはなんだろう?と悩んできた自分にとっては、結局そんなものは、見つけたとしても自分の意思でかどうかも甚だ疑わしいという事になる。何だか心が軽くなった。

  • 女郎蜘蛛までの総決算。
    材料をだいたい並べて下ごしらえをしてバラバラのつかみどころのないものを個々に並べたところまでが「宴の支度」。
    とすれば犠牲者は宴の贄か。

    全開の気になったページに紙切れをはさみっぱなしだったから、ああここだろうなってところがわかって面白い。
    前回は「自分の認識次第」みたいなところに目が行った。
    今回はとりあえず「若い人を見るとまぶしい。自分は大人じゃないけど若くもないのだ」みたいなあたりが気になった。
    p33.74.85.344

    春子は26歳の「若くない」女。駐在は25くらいの「若い」男。
    「半身」の「老嬢」を思い出した。

    登場人物のひとりである女性のモノローグがしっくりこない。
    出産は生理現象でもいいけど妊娠は生理現象じゃない。
    空腹も排泄も生理現象だけど食事は違うってのと同じ。
    今回の女子で共感できるのは「つまらない女」のあっちゃんだけだなあ。


    2013.4.12 再読。 ☆3

  • 何度読んでも難解です…。複雑な人間関係とそれぞれの思惑が幾重にも折り重なり、頭がパンクしそうだし、関口くんのどんどん壊れていく様子もまたツラさを助長する。それでも、宴は始まってしまい、後は始末をつけるのを楽しみに待つのみ。

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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