- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062130172
感想・レビュー・書評
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萌え×経済という視点でなかなか興味深い。日本の文化としての「かわいい」で山田五郎『へんな西洋絵画』と偶然にもつながった。少し前まで性風俗に対してバンカラなイメージがあったとは知らなかった。カウボーイビバップとかAPPLESEEDとかでてくるアニメの例が古いけど、2005年発売の本なので仕方がないですね。普段使わない言葉だけれど「足が早い」ということ? ヤフオクについて書かれていて、今だとメルカリが台頭してきているけれど、ネットオークションでルールに違反する商品の販売や詐欺の問題は改善されているのだろうか。あるいは結局いたちごっこなのか?
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萌えの定義にニュアンスの違いを感じる。
「巨大な成長産業は携帯電話が最後で今後はもう出てこない」(携帯電話ですら成熟するのに30年掛かっているので、そういった巨大産業が出てくるのであれば既に芽が出ていなければならないという主張)からこそ、オタク市場に期待する経済界の意向は分かるのだが。
おそらく決して理解しあえない趣向があるからこそ、萌えという言葉を用いるのであって、そこに無理やり自分の感覚を当てはめる危険性を感じる。 -
中身ペラペラで金を出す価値を感じられない、こんなことしてるから利用していると叩かれるんだろ、くだらねえ
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TVで見る森永さんって、ダサいおっちゃんのイメージあるけど、文章読みやすいし、やっぱもてはやされるだけあって賢いんだねー!
2005年発売ということで、少々古い。アキバはもっと発展してるし、ニコ動とかの新しいコンテンツも登場してるからね、今は。
萌えの対象はオタクにとっては恋人代りで、理想の恋人像をキャラクターの中に作り込んでいくから、大量生産品は萌えの対象にはならない。一部の企業だけが、大量生産の論理で上場している。コーエーネット、ブロッコリー、まんだらけ、アエリア、ガンホーOEの例が。……ええ、コーエーには貢ぎましたよw
ともあれ萌えは、大企業よりも無数のマニアックな零細企業、自らもオタクである零細企業が支えていく、そうだ。納得できる。
上海の萌え事情が書かれてて面白い。成都南路28号の「都市風情街」という地下街が商店街になっていて、萌え系ショップが多いという。……今でもそうかな?
アジアで萌えが流行っているのは、欧米にくらべて「かわいい」が理解しやすいからだという。……今ではイタリアフランスでも人気だけど、それはアートを解する心があるからなんだろうな。森永さんも後半ではアートにふれているけれど。
萌えを愛する男性は、実生活で女性に振り向いてもらえない人が、解脱して二次元を愛するようになった、と定義づけしている。「規制緩和」でお見合いがなくなり、伴侶を得られない人が増えたこと、女性の社会進出、終身雇用の崩壊などが理由としてあがっている。
二次元キャラとの心のふれあいで満足し、三次元の女性に対して暴力的になったりしない優しい人物ともしている(女性へ暴力をふるうのは非アキバ系のイケメン組だとも)
体育会系がAVを見たときの強い興奮状態の脳波と、萌えオタクが萌えアニメを見たときの脳波のパターンと強さが同じ、という実験結果には驚く。実際に体と体が触れ合わなくても同じように興奮できる、らしい。
しかし、二次元はどこまでいっても二次元。自分を裏切ることはなくても、ときには動いたり、話したり、わがままを言ったりしてほしいという欲望にこたえているのが、萌え産業。メイド喫茶、コスプレイベント、恋愛シミュレーションゲームなどは二次元を、三次元化するためのあらゆる努力。
メイド喫茶はロールプレイ・ビジネス。性的サービスではなく、やりとりを楽しむ。その草分けはディズニーランド。遊園地ではなく、野外劇場だとして、遊園地協会には加盟していない。
あとは、様々なマニアの紹介、マニアはマニア同志でトレードしたりするので閉じられた市場、ミリタリー、食玩など。IT、ヤフオク、共同購入。
イタリアはアートの感性で、産業を安定成長させている。それを支えているのは中小零細企業。アメリカは大企業ばかりで経済苦しい。
恋愛市場に経済の起爆剤があり。
ゾンバルトの論理では「経済成長の源泉は、恋愛と贅沢」
今は明確なハレとケの区別ない。バブルが年中ハレで、今はケばかり。ケのなかにいくつかのハレを創り出すことが閉塞状態から抜け出せるのでは。
ただし、メリハリのある消費になってきている。200万の年収のサーファーが50万のサーフボードを買って、普段は倹約生活したり。これは、ハレとケが別れた、メリハリ生活で、日本人の昔からのスタイル。
ナンバーワンよりオンリーワンにならなければ、市場では勝てない。
相手との競争があれば、市場は萎縮してしまうばかり。イタリアの服飾は、中国の安価製品とかぶらないから成功。 -
知人が読んでいて面白そうだったので読み始めたは良いものの、
読み始めたら興味減退して結局2年近くかかってやっと読了><
ただ、「萌え」市場というのに色々調査とか統計とか取ってて、
研究としてはすごく面白いなぁという印象。
後半に進むとどんどん行動経済学っぽい話になる。
要はゾンバルトの言うように経済成長には「恋愛と贅沢」が不可欠と言うことらしい。 -
私が読んだ時点ですでに5年経過しているので、今現在の状況はまた異なっています。オタクの視点からオタクとサブカルに関して分かり易く書かれています。「こちら側」の人にとっては知っていることだらけかもしれません。もっとサブカルに関する情報があるかなと思ったけど後半はちょっと違うかな…。ごく易しい経済に関するあれこれ。著者の愛情が感じられました。表紙も可愛いです。
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プロローグ 「萌え」という名の美学
萌え株急騰を考える
上海に広がる「萌え」
韓国でも広がる萌え市場は広がっている
萌え市場の大きさは?
浜銀総研による萌え市場の規模
1 「萌え」とは何なのか
なぜ「萌え」が生まれたのか
萌えを生み出す供給側の要因
萌えを生み出す需要側の要因
2 躍進する「萌え」産業
日本の潜在能力
天才原形師のフィギュア・アート産業
フィギュア・コレクターたちの情熱
超小型箱物ビジネスの秘密
「もえたん」成功の秘密
ロールプレイ・ビジネスの草分け
ディズニーリゾートは萌えの原点
進化し続けるメイド喫茶産業
ミリタリー萌え産業のメディアミックス
キャラクター・ビジネスを読み解く鍵
メイド足つぼマッサージという新発明
利益率の高いアパレル産業
3 アートに萌える豊かな日本へ
「成長産業」は消え失せた
高付加価値市場は規模が小さい
需要が飽和しないマーケット
商品がコレクションされる条件
コレクター心理を刺激せよ
食玩の隆盛
キャラクター・ビジネスと世代の記憶
商品のバリエーションが萌えを生む
がらくたがアートになる瞬間
洗練されているかが一つの分かれ目
アートがイタリア経済を空洞化から救った
感性を消費するイタリア人の生き方
中小零細企業こそがアートを追求する
目の肥えた消費者がアートを支える
イタリアと日本、モノ作りの差
芸術に金を出す国のアドバンテージ
経済を動かす人間の最も強い欲求
恋愛市場に潜在する起爆性と創造性
創造性を育む恋愛
極端すぎる日本人の消費感覚
悪女に学ぶ三つのマーケティング戦略
ブラックホール型のマーケティング戦略
おいしいとこだけ競争原理
メリハリのある消費の流儀
4 オタク化する消費とネット市場
オタクにはITがよく似合う
マニアックな商品がネット市場で生き残る
ヤフーオークションが成長し続けた理由
ネットの商品者ニーズはきわめて短命である
ネット版コバンザメ商法
違法商品にはまるな
進化するネット詐欺の手口
売り手のリスクが高いネットオークション
共同購入ビジネスの可能性
消費者の論理に襲った新しいマーケット
流通コストに見合った価格への模索
消費者が商品を開発するプロセス
トランスキット商品化の裏側
マニアなキャラクター・ビジネス
思い付きが生むイージーオーダー商品
少量輸入に根強いファンがいる理由
展開し続ける萌え取引とネット市場
エピローグ 日本の独自産業としての萌え -
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/4062130173
── 森永 卓郎《萌え経済学 20051030 講談社》
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20051030
萌えちゃん ~ イケメンIT社長とセレブ婚!? ~
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萌え経済学 萌えというよりは、萌え産業を中心としたオタク市場についての本。昨日、テレビで上海でもアニメが人気ということを言っていたけど、5年前から上海に「萌え」は広がっていたらしい。共同購入ビジネスというのが面白かった http://bit.ly/ckRPEi
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松田:読了