小暮写眞館 (書き下ろし100冊)

著者 :
  • 講談社
3.86
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本棚登録 : 5177
感想 : 772
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  • Amazon.co.jp ・本 (722ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062162227

感想・レビュー・書評

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  • ミステリーじゃない宮部みゆきはじめて読んだかも。
    みんな前に進めてよかった。クモテツ好き。

  • NHKでドラマ化されたのを見逃して小説を読もうと思って手に入れたのはいいものの、その分厚さに恐れをなして後回し後回しになっていたが、ラノベ小説部門の文庫が出ているのを知って、何だジュブナイル小説なのかと思ってやっと読むことに。小暮写真館だった古屋に引っ越してきたちょっと変わり者の花菱一家、その長男英一が主人公の物語である、最初は小暮写真館で撮られた思われるちょっと訳ありの心霊?写真、そこに潜む物語が悲しい、花菱一家の中で亡くなった風子にまつわる親者の悪意の連鎖、そして不動産屋に勤める柿本順子の話が切ない。

  • 700頁超の作品は、読み応え充分だった。
    以前にも、読もうとしたことがあったのに、なぜかその時は、1ページもめくることなく、手離していた。重たい本だけど、持ち歩いて読んだ。

    ラストの2 〜3ページでジーンと来た。

  • やっと読んだ700頁超の長編。
    古い写真館だった屋敷に越してきた主人公が遭遇する、色んな写真にまつわるほんわかミステリー。
    色んな形で色んな写真に出会って人に出会って、それぞれが自分なりの「ケリ」をつけて進んでいく。読み進めてみるとミステリーなのかヒューマンストーリーなのか。
    英一が親戚にケリをつけるシーンと、垣本さんの「一歩」が印象的。
    良い話でした。だから小説はやめられない。

  • 思った以上に深い内容だった。前半は英一とコゲパンが仲良くなるのかなあと思って読み進めていたのだけれど、後半で垣本さんがこんなに鍵を握る人物?になるとは。
    高校生の英一が、たまたま写真館だった家に住むようになる。心霊写真もどきの謎解きを通して人間の強い念を知り、謎解きの過程でかかわったST不動産で社長や垣本さんと出会う。妹が幼くして亡くなったために親類と縁を切り静かに暮らしていた英一の家族ではあったが、祖父の危篤・死去を通してまた一波乱が起きる。
    印象的だったのはST不動産の社長、須藤さん。42才とまだ若いのに、いろいろと事情がありそうな垣本さんを雇い、受け入れ、うっかりすると自殺未遂を繰り返してしまうやっかいな女性を見捨てることなく、どっしりと対応している。この人の度量の大きさ、すごいなと思った。
    ともすれば重くなりがちなテーマだけれど、写真館のご主人の幽霊や、高校生の生活や行事、不登校の子どもたちが通うフリースクールなどを通して、どんどん読み進んでいける。前を向いていくというラストがすっきりする。

  • 長いこと忙しくて本が読めず、戻った最初の小説。休日にゆったり幸せな時間を味わえました。700ページの書き下ろしですが、すぐ読めてしまいます。

    『小暮写真館』のタイトルから、写真館を訪れる人々のお話を想像していたら、すこし違うのです。四人家族が自宅として引っ越した先は、古い元写真館で、そこには元店主のお爺さんの幽霊がでるという噂がある。

    心霊写真のストーリーが始まった時には、えーとおもいましたが、どれも心温まる優しいお話です。

    4つのお話が同じ登場人物で連続しています。

    個人的には、最後の『鉄路の春』が一番好きでした。

  • 1

  • 久々に★を5つ付ける作品。半分くらいまでは「宮部さんうまいなぁ」っていうくらいの感じだったんだけど、後半持って行かれた。心のヒダを増やしてくれるタイプの作品。

  • とても良い本でした。
    心があたたまる、素敵な本でした。

    世の中にはたくさんの不思議があって、それは悲しいこと、辛いこと、嬉しいこと、楽しいこと、全部に繋がっていて、だから、一回りして「普通のこと」
    どこにでもあり得る、普通の日常。
    そして、誰もが抱えている想いのカタチなのだろう。

    やっぱりやっぱり思うけど、真っ直ぐに生きたいなぁ。

  • 中古店舗付住宅「小暮写真館」に引っ越して来た花菱家。夫妻、高校生の英一(花ちゃん)、小学生の光(ピカ)の4人家族。実はもうひとり風子という女の子がいたが、6年前4歳の時にインフルエンザ脳症で亡くなった。英一の交友関係を中心に、英一と垣本順子の成長を伏線に物語は進んでいく。

  • 700ページ超。著者お得意のダブルテーマというか、やはり戦争の問題と絡めてきた。そして家族というものの問題。痛みと優しさ。主人公が高校生なのもあいまって、切なさが迫る。

  • よいお話でした。細々したところには無理があったり記述が冗長(まあ論文じゃないのでかまわないのだけれど)なところがあるにしても、ストーリーの展開や人物の描写などは生き生きしていて引き込まれる内容だった。

  • 家族をやるのは恐ろしいと思った…こんな物語のように皆に優しい奇跡が起きてくれればいいけど、進行形で苦しみばかり育ててしまっているんじゃないかとほんと怖くなる。フィクションの中で気持ちよく遊ぶだけではいられないのがこの作者さんのお話の特徴だなあと毎度思いますがこんなどっちかといえば明るい話なのにやっぱりある程度暗いというか重い読後感の不思議。

    しばらく読んでないうちにたくさん出ていた本のうち現代が舞台の作品を適当な順番で読んでいるところですが続けざまだとフラフラになるかも…逆に一気に読んでマヒしたいような気も…

  • ほっこりとよかった。
    この家族いいなぁ。花菱家いいなぁ。
    宮部みゆき先生、女性なのになんで男子高校生の機微とかこんなに巧みに表現できるんだろう?
    花ちゃんもピカちゃんもいい人すぎる〜テンコちゃんもコゲパンちゃんもお父さんもお母さんも、田中ヒロシくんも社長さんも垣内さんも、いろいろなものを抱えていながら、むしろ抱えているから?こんなにも優しくなれるのか。
    いい話でした。
    入院期間に読了。

  • キュンっ…>_<…‼︎ ヤバイ、キュンっ…>_<…

  • 青春ものの4部作。リアル、アクチュアルな人間像描写は、やはりこの先生の独壇場だ。最高峰だ。唯一無二だ。テンポ、リズム、濃淡、プロット、アイテム、ストーリーすべてに隙がない。高校生の恋愛を、老年の入り口に差し掛かったいまでも鮮烈に描きだすことが出来、かつ同世代読者の薄れつつあるかつての記憶をも輪郭をビビッドに変換して呼び起こす技術はもはや変態と言っても良いのではなかろうか。

  • 700ページを超える分厚さに最初は果たして読みとおせるのか不安で仕方がなかったけれど、トータル4時間くらいで読めた。これもひとえに宮部女史の流れるような読みやすい文章とテンポの良い会話文のなせるわざなのだと思う。ピカがとにかく可愛い。あいくるしい。ピカっていうとピカチュウが脳裏に浮かんでしまうけれど…。最終話が特に良かった。心温まる物語。宮部みゆきって勝手にもっと毒のある作家だと思ってただけに。2013/216

  • 書き下ろし最新作の大作。寂れた商店街にある小暮写真館。そこに引っ越してきた高校生英一には不思議な写真が集まってくる。その謎を解明していくうちに出会う様々な人を通じて、家族や友人や青春や様々なことを感じ取り、成長していく。そんな姿がとても清々しい。出てくる高校生たちはとても語彙が豊富。頭のよい学校の生徒はこんな風にしゃべれるものなのか。そして共学の高校は本当にこんな雰囲気なのであれば羨ましい限りだ。それはさておき、読み始めた頃はこんなに細に渡って気持ちを描写する必要が有るのかと感じるが、それが後半になってくると、とても作中の人物をリアルに思い描くことが出来て親近感が湧く事になる。流石だ。そして装丁の写真が意味するものとは・・・

  • 物語の展開に圧倒されながら、読み飛ばすのを許さない筆力に押しつぶされました。すごい、の一言です。この小説。

  • 少し間延びした感じもあったが、想像と違う、でもこれはこれでいいなぁと思う結末。一気に読めた。

著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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