影法師

著者 :
  • 講談社
4.16
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本棚登録 : 1316
感想 : 256
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062162241

感想・レビュー・書評

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  • 最後の最後でタイトルの意味がわかったとき、涙が止まらなかった。

  • 百田さんのははずれがない!とは分かっていても、時代物・・・と手に取らなかったのですが、読んでみて「すごっ!!」
    男の友情、その時代の理不尽な体制、時代考証、 人物描写、リアルさ、どれもこれも息を呑みました。百田さんて抽斗が多いなぁ・・・とシミジミ。

  • 久々に心に残る本でした。藤沢周平の静謐感とは違った、凛とした雰囲気が漂い、そしてTV作家らしい目に見えるような文章はすばらしいの一言です。

  • 一気読みでした!おもしろかった!
    宮部以外の時代小説ってほとんど読んだことないんだけど、いいな、こういうのも。
    彦四郎の武士としての決意、父・千兵衞の子を思う気持ち、母・ぬいの凛とした強さ、五郎次の懐の広さ、恵海の師としてのあるべき姿、島貫の彦四郎への敬意、、、いろんなものが染みました。
    人が刀を持ち歩き殺人が横行する時代、身分差があって生まれた家で人生が決まる時代、嫡男だけが優遇される時代、何代も前の祖先の因果を引きずる時代、居間は当主しか自由に使えない時代、今から考えるとそれはもう散々な時代なんですが、それでもその時代を懸命に生き抜いた人たちがいて今の私たちがあり、確かに歴史は紡がれていて。見習わなくてはならない礼儀が確かにそこにはありました。
    一度すれちがってしまうと、もう二度と会えることがない…そんな時代ってすごい、今やメールもネットもあるし、飛行機も新幹線もあるし…でもやっぱり、今、会えてるその時間を大事にしないといけないな。

  • 男同士の友情の美しさを見た。互いが互いを認め合い、命をかけて行動する。時代物ならではの良さもあって、ラスト50ページは涙なしには読めなかった。展開自体は予想がついたが、その描写の素晴らしさや会話文のテンポや言葉の選択に感動せずにはいられなかった。まだ1月だけど今年最高の1冊。

  • 光があるから影ができるのか。影があるから光が生まれるのか。ここに、時代小説でなければ、書けない男たちがいる。父の遺骸を前にして泣く自分に「武士の子なら泣くなっ」と怒鳴った幼い少年の姿。作法も知らぬまま、ただ刀を合わせて刎頚の契りを交わした十四の秋。それから―竹馬の友・磯貝彦四郎の不遇の死を知った国家老・名倉彰蔵は、その死の真相を追う。おまえに何が起きた。おまえは何をした。おれに何ができたのか(「BOOK」データベースより)

    藩内で起きた百姓一揆。
    その顛末を目の当たりにした勘一(後の彰蔵)と彦四朗の胸にそれぞれ宿ったもの。
    今の境遇ではおよそ実現不可能だが、形になれば藩を救う勘一の夢。
    それを聞かされた彦四朗の決意。
    様々なもの、様々な想いが重なって進むストーリー。
    百田さんが描き出す初の時代小説。
    文句なく面白いです。

    読んでいる途中では、彦四朗に「器用貧乏」というレッテルを張ってしまっていたのですが、実は○○だったとは・・・!
    ネタバレしてしまうから話せないけれど、こんなに読後の印象が変わった登場人物はなかなかいないかも。
    読後、もう一度初めのページをめくりたくなる一冊です。

  • この小説の面白さ、書き表すこと不可なり。

  • 竹馬の友、刎頸の友である勘一と彦四郎。勘一の成長は頼もしい。そして何と言っても彦四郎!切なくて、心揺さぶられて、胸が熱くなった一冊です。剣術や武家の世界を読むのも面白く、読んで良かった小説。夫や友人に薦めるつもり。

  • 江戸時代、茅島藩の下士(身分の低い侍)に生まれ、大出世を遂げて筆頭国家老となった勘一の生涯を追った物語だ。
    身分格差の理不尽、百姓の痛みと武士の覚悟、さまざまなことを学びながら、彦四郎という素晴らしい友人を得た勘一は真っ直ぐに進み続ける。
    物語はあまりにも清廉すぎて現実味がない。
    しかし、ラスト、タイトルの意味が浮かび上がる展開には、定型通りとわかっていてもぐっときた。語り方がうまい。泣かされる。
    かつての干潟に揺れる稲穂の海が目に浮かんで泣きたくなった。

  • 百田尚樹が時代小説!?と思って迷わず購入。買ってよかった読んでよかった。ここ最近の新時代小説の中でも出色の素晴らしさ!とにかく、彦四朗が凄すぎる、カッコよすぎるし、悲しすぎる。侍同士の厚すぎる友情に、ただただ感動する。読み終えてタイトルを見たときに、ここまで腹に落ちる事も、そうあるまい。

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著者プロフィール



「2022年 『橋下徹の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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