- Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062175005
作品紹介・あらすじ
明治5(1872)年の銀座大火でこの大建築が焼失するところから物語は始まる。クリミア戦争、インド大反乱、アロー号事件など、19世紀後半に世界を旅して歴史的報道写真を多数残したイギリス人写真家、フェリックス・ベアトが、焼け跡から発見された刺殺死体の謎を追う。時代の狭間に現れた亡霊は、なぜ生まれ、どこへ消えたのか。
感想・レビュー・書評
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明治5年の銀座大火で、日本初の西洋式ホテル「築地ホテル」が焼失した。イギリス人写真家、フェリックス・ベアトは、その焼け跡から発見された刺殺死体の謎を追う。乱歩賞作家渾身のミステリー快作。
実在した「築地ホテル」や現存する増上寺にいずれも明治初期に実際に起こった火災を取り上げ、そこに殺人事件の謎を絡ませ、明治維新直後の政界の争いも盛り込んだ、いささか欲張りな、というか重厚な作品。読み応えは十分だったけれど、途中で何となくオチが予測できてしまった。
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作家に対しても歴史に対しても前提知識のない状態で読んでみました。
明治初期の築地の外国人専用のホテルで火災があり、一人が殺された状態で見つかった。それをカメラマン兼記者のベアトが推理し解決に導きます。
物語として読むにはまあ面白いですが、ミステリとして読むのはどうかな。偶然の要素が強すぎるような気がします。
明治初期の雰囲気は出ていたと思います。 -
2月-9。3.0点
明治初期、築地ホテルが焼失。
イギリス人が殺害され、鎧兜姿の武士の目撃証言。
イギリス人記者と、元武士の若者が真相を追う。
うーん、まあまあ。
少しご都合主義的な伏線の回収かな。 -
明治時代初め。英国人記者が主人公。この時代はともかく、日本へ好感持ってる外人話には評価が甘くなるなあ…ラストも爽やかでよかったけど、せっかくの実在の現場についてはあまり活かされてないような感じがした。
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明治5年の銀座。
日本初の西洋式ホテル・築地ホテル館を襲った大火。
焼け跡から発見されたイギリス人の刺殺死体の謎を追うことになったイギリス人写真家・ベアトは、死体の側に鎧姿の侍が居たという証言を聞く。
乱歩賞作家が江戸から明治へと時代が変わる混乱期の東京を舞台に描いたミステリ。
ホテル内で消えた鎧武者の謎で引っ張りますが、時代背景と物語があまりマッチしていない感じがしました。 -
明治時代の異国人専用ホテルで起こった殺人事件の謎を解き明かすミステリ。ミステリとしての仕掛け、犯人消失の謎には舌を巻きましたが。その動機や時代背景にまつわる裏事情も興味深かったです。
日本史は苦手なんだけれど、これは読みやすかったなあ。この物語に登場する異国人たちと同じレベルで、当時の日本の風俗は興味深かったです。 -
明治5年に焼失した日本最初の西洋式築地ホテルでイギリス人の刺殺死体が見つかって…。二転三転する結末には確かに驚かされはするのだけれど、今ひとつ感動できないのは「明治」という不慣れな時代設定のせいかも。
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なかなか面白かった。
明治初期を外国人から見た形で書きながらミステリーを展開して、それが歴史上の事件につながるのはなるほどという感じでした。