楽しい夜

著者 :
制作 : 岸本 佐知子 
  • 講談社
3.84
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本棚登録 : 517
感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062199513

感想・レビュー・書評

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  • どの話もちょっとズレていて、そのズレが狂気や絶望や希望やなにやらを手に取って見せてくれるようなところがある。小さな物語のいろどりと多様さを愉しんだ。

    ルシア・ベルリンの「火事」を目当てに手に取ったのだが(あの姉妹の小説は永久に読んでいたい気持ちになる)、ほかにも『変愛小説集』で読んだジェームズ・ソルター(表題作)が心に残った。みんな大好きミランダ・ジュライは上手だなと思う、だけどああいうオチのつけ方は好きじゃない... ああいうことを考えるのは自分の人生に対して不誠実だと思う。

  • 文学

  • 収められている短編の内容・印象うんぬんより、岸本佐知子さんがいてくれて有難う、なアンソロジーでした。岸本佐知子さん、凄いッス。

  • ルシア・ベルリンやミランダ・ジュライの短編が読めるということで手に取ったけど、いちばん最初に収録されているマリー=ヘレン・ベルティーノ「ノース・オブ」が圧倒的に好き。イラクへ出征する兄に思いとどまってほしくて兄の好きなボブ・ディランを連れて帰省するという、不思議系ストーリーなのに不覚にもジーンときてしまった(しかもディランはセリフがないっていうのがまた良い)

  • 翻訳者の方のアンソロジー本は面白いことが多いけれど、今回も当たりだった。切れ味が鋭かったり、幻想的な雰囲気の小説でまとめられていて読みやすかった。特にテオの物語には不思議と涙がでる思いだった。幻想小説は、日常生活の澱や疲れがない分、純粋な状態が描きやすいからだろうか。変愛小説集も読む予定。

  • 2018年1月14日に紹介されました!

  • テーマを決めずそのときどきで網にかかったものからこれぞという作品を集めた”行商のお婆さん”方式、すばらしいではないか。「岸本佐知子訳」はいつだっていままでにない喜びや驚きや当惑と出会わせてくれると、絶大な信頼を寄せている。
    「アリの巣」「安全航路」が特に好き。

  • 短編集 ミランダ・ジュライ 「ロイ・スパイヴイ」…飛行機でたまたま隣あったハリウッド・スターと。感じるのは「さびしさ」
    2017.4.16 朝日新聞 相談 三浦しをんさんお勧め

  • 短編集。奇抜な発想の話やファンタジー調のもの、後味の悪い話もある。
    ちょっとありえない程度から絶対ありえない程度まで幅も広い。それぞれの話での登場人物たちの葛藤やすれ違いに切なくもなる。
    「ノース・オブ」「ロイ・スパイヴィ」「楽しい夜」「安全航海」が好き。

  • オースベルの「安全航海」のために購入。全てを失って、むしろ自由な人々の涙が出るような旅。
    他にもぞっとするような話があって、しかし短編なのでどれかは言いません。

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著者プロフィール

岸本 佐知子(きしもと・さちこ):上智大学文学部英文学科卒業。翻訳家。主な訳書にルシア・ベルリン『掃除婦のための手引き書』、ミランダ・ジュライ『最初の悪い男』、ニコルソン・ベイカー『中二階』、ジャネット・ウィンターソン『灯台守の話』、リディア・デイヴィス『話の終わり』、スティーヴン・ミルハウザー『エドウィン・マルハウス』、ジョージ・ソーンダーズ『十二月の十日』、ショーン・タン『セミ』、アリ・スミス『五月 その他の短篇』。編訳書に『変愛小説集』、『楽しい夜』、『コドモノセカイ』など。著書に『気になる部分』、『ねにもつタイプ』(講談社エッセイ賞)、『なんらかの事情』、『死ぬまでに行きたい海』など。

「2023年 『ひみつのしつもん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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