- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062749664
感想・レビュー・書評
-
高校のときに化学の先生に猛烈に勧められて読んだ本。私の中でのベストオブ戦争小説。
正直一巻の途中までは物語が動き出す準備という感じが退屈で、かなり我慢して読んでいたのが、動き出してからはもうのめり込んだ。友情も兄弟愛も親子愛も男女間の愛も全部描かれている。何回泣けばいいんだ。
椰子の実の歌詞をこの物語に持ってきた福井さんは天才だと思う。
終わり方もとても好き。とにかく全体的に秀逸。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
えーっと
よくわからん -
4まで頑張らないと。
-
『このミステリーがすごい!』2004年2位
『本屋大賞』第1回2004年8位
『吉川英治文学新人賞』第24回(2003年)
『週刊文春ミステリーベスト10』2003年5位 国内編
前に「亡国のイージス」を読んでから気になってたが、単行本で2巻、文庫だと4巻ある大作なので、
読もうと思ってもなかなか手が伸びなかった。
戦争ものなので軍内の用語・潜水艦用語など難しくてピンとこない部分も多かった。
長いというのもあるが、読み終えるのに時間が普段以上に掛った。
しかし、素晴らしい文章力で「戦争小説」でありながら少年兵・折笠征人の「青春小説」でもある。
ストーリーも凄いが、胸を打つ言葉がそこらじゅうに溢れている。
ただ、福井晴敏作品の一作目にこれを選ぶのは危険かもしれない。 -
1945年8月、日本国民にとって忘れられない暑い夏
敗戦を帰したドイツから大型潜水艦が広島県呉市に隠れるように入港する
船籍を「伊507」と変更したこの潜水艦には…ナチス・ドイツの秘密兵器である
「ローレライシステム」が搭載されている
元華族出身の朝倉大佐は、各所より精鋭を集め「伊507」を、独自に出航させた
ただ、集められたメンバーは日本海軍精鋭ではあるが…どこかアウトローな人員であった
「伊507」が広島を出航してほどなく、B29爆撃機より広島に「原子爆弾」が投下される
はたして「ローレライシステム」とは何か?「伊507」に課せられた使命とは何か?
朝倉大佐の思惑とは?
「あとがき」を読むと、この本は映画化を前提に作られたそうな
「ガメラ 大怪獣空中決戦」の特技監督「樋口真嗣氏」が
「第2次世界大戦・美少女・潜水艦」と、3つのキーワードを入れた小説を依頼したそうで
それを踏まえて読むと…「な~るほど」っと思う(笑)
ほぼ土台は「亡国のイージス」と同じで、そこに上記3つのキーワードを当てはめた感じ
だが…正直「亡国のイージス」より、はるかにオモロイ(ハハハハハ)
キーワードの「第2次世界大戦」と「潜水艦」の2点は、小説にするには難しいと思う
「第2次世界大戦」は結果を誰もが知っているし…
「潜水艦」は音だけが頼りのシロモノで、派手に書くには不向きな存在である
どうやら映画監督が低予算で映画作りをしたいがために、こんな設定を提示したらしいが…
また映画にした時に万人ウケするために、この「男の世界」の最たる部分に
美少女を加えてくれろと映画監督はのたまう(アハハハハハ)
とっても難しいお題なのにコレを福井氏は見事にクリアしておる(笑)
御歳41歳という若さが生んだ斬新な作品に仕上がっておる
私はまったく映画を見ていないので、ハッキリした事は言えないのだが
樋口氏に「映画にしたいから、この3点を入れて本を書いて~」とか言われ
「エエよ~」と出来上がったこの作品。
多分…軍配は福井氏の頭上にあがったのではないかの~~
っというのも、これをこのまま映像として見事に仕上げるには、
少ない資金と枠の決まった放映時間を持つ映画では、無理だろうな~っと思うからである
本が出来上がり「ラッキー」っと思って読んだ監督の…
顔面が蒼白になる姿が見えるようで笑える(アハハハハハ)
コノ作品は、単に戦争好きなオタッキーが書いたお話しではない
「戦争を知らない子供達」といえば団塊の世代を指して言う言葉だが
それ以降に日本で生まれた全ての子供達は、全員、戦争を知らないのである
当時の若い前途ある青年が、「死ぬのは怖くない」っと言い切るには
日本という国に残っている父母や弟妹、家族を守りたいという強い気持ちの表れである
だからこそ、意味のない死は嫌なのである。
戦争に勝つとか負けるとか、そんな事は上の人間が机上で考えることであり
実際に敵を目の前にし戦った多くの人達は、家族が幸せな生活を送られればそれでいいのだ
そんな沢山の若者達の想いの上に、今の日本はある。
本書では元華族「朝倉」の思惑に翻弄され、死に行く者の大儀が崩れ去る
日本の魂は崩れ去った、
なら…一度完膚なきまでに消し去って、ユダヤの民のように国を持たず放浪しながら
新たな日本を作り上げたほうが、理想の国家を作れる。そう断言する朝倉の言葉に
若い兵士「折笠」が牙を剥く。
若く濁りのない瞳で前を見据える折笠の中に、日本の未来に希望の光を見つけた艦長は
「これより伊507は一個人の怨念が歪めた歴史を・・・
日本国の未来を修正にするために行動を起こします」
「ローレライはあなたが望む終戦のためには歌わない」そう言い切って潜水艦を発進させる
確かにまだ40代の作家が書く小説っぽく、宇宙戦艦ヤマトか?エヴァンか?と
思われるような箇所もままあるが…何度か感動し胸が熱くなるシーンもあった
今後、戦争を起さない、参加しない、絶対に核は持たない。
そんな気持ちの土壌は、戦争を知らない我々でも持っている
だが、その先の日本人として我々はこの国をどうしていくべきなのかの部分は不明瞭である
正直、戦後はどさくさに紛れ、なんとな~くココまで発展してきてしまったってのが
大方の感想だろうと思う。
それでもココまで復興してきた事を、誇りに思うべきなのに
戦争でアメリカに負けた傷が深すぎるのか、たえず心の片隅には
「アメリカには敵わない」ってな思いがはびこっておった
そこから脱却し、新しい文化を他の国へ発信しているのは
まったく戦争の話をバー様やジー様に聞いたことのない若者達なのである
たとえソレが…ロリータファッションやらアニメであってもである(笑)
自分を信じて突き進む、そんな力が日本人にはあるのだ
島国だから仲間を信じて一緒に行動する、狭いんだもの…当たり前じゃ
綺麗好きなのは、ジメジメした梅雨で暮らした祖先のDNAぞ
海外旅行でも、二度と来れないかもしれんと思えばカメラだって首からぶら下げる
異国の人はそんな日本人をバカにするけれど、
これぞ、長い歴史で培った日本人の本質なのだ~~(笑)
阪神淡路の震災の時、暴動も起きず、皆一丸となって立ち向かい
各地から大勢の人が馳せ参じた。素敵だよな、日本人って(笑)
この本は若い人に読んで欲しい本だな~。何度か泣きそうになりながら読み終え
オバサンはそう思っただ~(アハハハハハハ)
福井氏の本を一気に沢山読んだが、この「終戦のローレライ」が一番好きだ
それ以前に書き連ねた本の集大成ってな感じがしただ
文庫で4冊は長いが、機会があれば一度読んでみて欲しい
注)1~2巻はシンドさを感じるかもだが…3巻あたりから怒涛の波に飲み込まれるだ~
同じ作家さんの本を沢山貸してくれたブログ友どんに感謝である~ありがとう -
映画にもなったからご存知の方多いと思いますが是非原作小説で読んで頂きたい。戦争の話だからやりきれないとこもありますけど切ない名作。
-
2010 5/30再再再読了
-
1巻目は我慢。2巻目以降展開します
-
深い、の一言
-
大河小説のような奥の深さがある。
エピローグだけで映画が作れそうです。