終戦のローレライ(1) (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062749664

感想・レビュー・書評

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  • 名前につられて。かっこ良さそうじゃん。
    読んでみたいです。

  • これを読んで深夜に一人号泣。
    というか何回読んでも泣いてしまう。

    フリッツウウゥゥゥ…


    日本の現在の在り方を痛烈に問い掛けている一冊。
    登場人物たち、特に若い人たちが眩しすぎてどうしよう

    そして私は菊正の名前が出る度に身構えてしまう福井ファンの一人です。

  • 2011/12/28読了

    前々から読みたかったローレライ、ついに読書の旅へ。
    …とはいえ、この巻(一)はまだ物語の序章に過ぎない。
    登場人物の身の内はわからないし、ましてや、やっとどんな状況かを掴めた程度。
    これから、過酷な戦場の中へ行くのだろう。
    あらかた、流れは知っているので、今の時点で切なくなってしまったり。早くパウラでないかな。

  • かなり無理のある設定だが、それをしっかりした作品に仕立て上げられているところがすごい。ローレライの最後の進撃の部分には心躍る思いがした。

  •  第二次世界大戦末期、敗れつつある日本に一つの兵器が投入される。その名はローレライ。しかしその背後には日本を根底から揺さぶる大きな陰謀が蠢いていた。

     福井晴敏のベストセラー。『ローレライ』のタイトルで映画化もされた。
     内容を一言で言うと「アニメ世代の戦争小説」か。読んでみると解るが、その突飛な展開やヴィジュアル的な描写など、これまでの所謂「戦争小説」とは一線を画すものだ。日本のエンターテイメント小説界が遂にここまで到達したのだなあと思う。
     戦前・戦中作家の骨太な戦争小説のファンが読むと「は?」となるかも知れないが、しかしかなり本格的に戦争や海軍について取材されており、戦争の持つ不条理な哀しさや、3個目の原爆をめぐる息詰まるサスペンス、そして潜水艦同士の迫力の海中戦など素晴らしい筆致で描かれているので、娯楽小説としてとても楽しめる。
     私達にとって戦争とは何なのか。それを考え直す上でも意味のある「アニメ世代の戦争小説」だ(ただし個人的には戦争というものに対するスタンスに少し違和感を感じた)。
    若干長いこと(文庫で全4巻)が多少難点か。

  •  昨年11月から数えて3月ぶりの読書ネタ。老眼に気づいてから、遠ざかっていた読書復活! 福井節が今回は戦争時代に飛んで発揮・・・できるのかどうかを確認したかった。
    (全4巻とかなり長編なのが少し不安だったが・・・)



     今回は原作を読んですぐに映画「ローレライ」を見るという連続パターンとした。

     原作は「ミュータント少女を利用した高性能人力水中ソナーを具備したドイツ製潜水艦を駆る日本軍人たちが、米軍による東京への第三の原爆投下を阻止する」という背景で進む。

     だが、私自身はこの安物SFのような人力ソナー部分がどうしても受け入れられずに、エンディングへの興味だけで長編をダラダラと読んでしまった。潜水艦が主たる舞台であり、その舞台の過酷な環境は以前に「深海の使者(吉村昭)」で読んでしまっているだけに、ラストの1対40の戦い部分の迫力もうすっぺらい印象が強い。


     しかし、その仮説を無視すれば、組み立てはまさに福井節だし、登場人物も適切なタイミングでその役割を終える。加えて愛とか友情とかいった感性部分が浮き彫りにされる。ETのようなあり得ない設定の中で構築されるファンタジー色がとても濃い。男臭さが薄れ、香水の香りがする作品という表現は言い過ぎだが、それ以上にこの作品を表現する語彙を私は知らない。

     対する映画はというと、登場人物も筋も削られたり変更されたりしている部分が多すぎてがっかり。原作はあまりに無駄とも思えるようなサイドストーリーが多すぎる気がするので多少の割愛はシェイプアップでいいんだが、準主役級の扱いがあまりにあっけない。

     しかし、役所広司という俳優がとてもいい味で一人舞台とすら感じる。いい役者だなぁと思う。

     また、エンディングについては、原作の説教くさいだらだらしたそれよりも映画の方が遙かにすっきりと洗練されており非常に好感がもてる。総じて原作の方がいいが、エピローグ部分は映画の圧勝!

  • この作者の作品は『亡国のイージス』、『川の深さは』の両作品を読み面白かったので買いました。
    ただ文庫本で4巻(しかも結構厚い…)はおいそれと手がだし難くちょっと読むには…と少し購入後手をつけていなかったのです。が。読み出したらあれよあれよ、と言う感じでした。

    フィクションと歴史をそれらしく書くのが上手いですね。人物も一人ひとり丁寧に描写されていてあまり違和感がない。ただこれは嘘だろう、とかちょっと無理が…と言う事も多々あるのは否めません。
    懸念としてはどこまでが真実でどこからが虚構かと言うことをキチンと見据えないといけないな、と。あと自分なりの第二次世界大戦の位置づけをしていないと作者の意見に引きずられてしまうかも知れない。とか言って自分も不勉強を反省する身ですが…
    書かれている世界が本当なんだ、と思い込むことも戦争の歴史がフィクションなんだと盲目的に信じることもどちらも大変怖いことだな、と。

    ただ久々に本読んで泣かされました…
    弱いんだ、田口掌砲長とか…ああいうの…

  • ローレライとは?

    1945年の夏、終戦という分岐点にたった男達の物語。特殊兵器「ローレライ」とは。ローレライは、最強の兵器であるが、その最強の理由がゆえに一度使ったら・・・。悲しい兵器であることは間違いありません。

    映画化にもなったが、この大作を映画化するためにかなりの部分を省いているのでこれはちょっと映画化しなかったほうがよかったかも。という感想。やっぱり、人間の心情をよく書いてある本のほうが断然おすすめ。

  • 長い序章を終わって、
    心弾む話ではないし、先が随分長そうだし、とんでもないものに手を出してしまったナという感じでした。
    それでも、呉鎮守府に転属を命ぜられた折笠征人に導かれるように、呉まで辿り着きました。

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著者プロフィール

1968年東京都墨田区生まれ。98年『Twelve Y.O.』で第44回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。99年刊行の2作目『亡国のイージス』で第2回大藪春彦賞、第18回日本冒険小説協会大賞、第53回日本推理作家協会賞長編部門を受賞。2003年『終戦のローレライ』で第24回吉川英治文学新人賞、第21回日本冒険小説協会大賞を受賞。05年には原作を手がけた映画『ローレライ(原作:終戦のローレライ)』『戦国自衛隊1549(原案:半村良氏)』 『亡国のイージス』が相次いで公開され話題になる。他著に『川の深さは』『小説・震災後』『Op.ローズダスト』『機動戦士ガンダムUC』などがある。

「2015年 『人類資金(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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