- Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062750035
感想・レビュー・書評
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「ローレライはあなた方のためには歌わない」。絹見艦長、かっこいいです。もう1回言います。絹見艦長、かっこいいです。
征人が少年から男になる決意、行動。感動です。涙出ました。
主に征人の視点で読んだけど、読みきった今、あらためて絹見艦長、田口掌砲長、フリッツ少尉、浅倉大佐、それぞれの視点でもう一度、読み通してみたい。
『半落ち』を抜いて、2012年度のMVP本になるかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
結構好き
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長かった。
というのが最初に思った感想。
SFともファンタジーともとれる戦争物で、なかなかに読み応えのある群像劇ですが、人物が総じて綺麗事に過ぎるかなと思う部分もあった。
出来事は悲惨で鬱屈しているのだから、人物くらいは前を向いてないと暗くて読んでられないのかもしれないけど;
作者自身が登場人物に思い入れが強すぎるのか、同じ場面で人物を変えて語り続けたりくどさを感じるもの確か。
後日談で日本の歴史を歩むのはちょっと蛇足感が漂うけど、最後の終わらせ方はさわやかだった。
他の作品でも思ったけど、物語の最後の締め方が上手い。
人物像がしっかり出来ているからなのでしょうね。
福井さんは作品に愛情が感じられるので、小説っていいなと素直に思える。
いくつか作品を読んだけれど、もっと簡潔に書ければ後世に残る偉大な作品を生み出せる筆力を持っている気がする。 -
ドイツの潜水艦がローレライを海中に捨て日本へ。日本軍がローレライの回収と修理に向かう。ローレライとは女だった。日本兵は女を守り第3の原爆を積んだ飛行機を撃墜する。ありえねぇ!!何のために死ぬんだか!とくかく長い!!
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ひとことで言うと長かった。2ヶ月近くかかった。始めのほうがどんな話か忘れてしまった。着弾とか爆発の描写がリアル。規模の大きい反応でも抽象的にならず、淡々と表現している。福井爆発と呼んでいいか。
3巻は「島編」と呼ぶにふさわしい退屈さだった。古代文明も出てこないし…。さらに終戦後のエピソードは蛇足。特に読まなくてもよかった。比べてもしょうがないが、演出が「不思議の○の○ディア」によく似ていると思った。戦闘シーンも。 -
2011/12/30読了
大量の戦艦とやりあうところはもう、手に汗握る熱い展開でした。胸が熱くなる。
まさしく映像化を見越した描写なのだろうが、それよか、田口、フリッツ、絹見ら、人間らしく成長した軍人の、最後の決死の戦いはかっこよくて美しかった。
マリアナの底へと散った英霊らの勇ましさといったら…。
そして、臆病者と勝手に思っていた、小松が何気にキーでしたね。
平和を手にした日本の今を見てみると、当時の戦争に関与していた人たちはどう思うのか、パウラや征人の気持ちを考えると複雑ですね。平和は平和だけど、なんかこう、ねぇ。
温子と征人の戦後が、最も美しい「人並み」でよかったと思う。それこそが幸福であるのだから。
田口さんが本当にいいキャラクターでした。一時はどうなるかと思ったが。彼が二人に残した台詞が、とても気に入ってます。 -
かなり無理のある設定だが、それをしっかりした作品に仕立て上げられているところがすごい。ローレライの最後の進撃の部分には心躍る思いがした。
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「亡国のイージス」に続き2作目の福井晴敏作品でした。ストーリー展開はどちらかと言えばありがちな感じですが、これだけ厚くても一気に最後まで読みきらせてしまう彼の筆力には脱帽です。この作品に触発されて、島崎藤村の「椰子の実」を諳んじられるまで練習したのは良い思い出です笑
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戦争はどんな大儀を装うとも、それは狂気。
戦争する準備ができると戦争をしたくなる。そして、戦争する大儀を探し出す。
だから、戦争する準備それ自体を、してはいけない。