書物狩人 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062766432

感想・レビュー・書評

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  • 世の中にある本を、合法非合法を問わずあらゆる手段を用いて入手する「書物狩人」。その中でも、狙った獲物を逃さない凄腕の書物狩人が、銀髪の青年ル・シャスール。

    歴史的内容が含まれるため現実味はあるが、主人公のル・シャスールがファンタジー的な存在であり面白い。

    *2011.7 *2015.6

  • タイトルに惹かれました。世界史に詳しいと面白いと思います。

  • 〜概要〜
    赤城毅先生が書いた歴史ミステリー本。
    書物狩人という国の政府や大企業から依頼を受け、世間に出れば大事になりかねない“秘密”をはらんだ本を、合法非合法を問わず、あらゆる手段で入手する人物____その中でもナンバー1の実績を持つル・シャスールの物語。


    〜目次〜
    教科書に準拠して……オズワルドから回収し損ねたジョン・F・ケネディ暗殺の指令書
    雷帝の書庫……イエス・キリスト第五の福音書
    Nの悲劇……ナポレオン旧蔵の『カンディード』
    実用的な古書……四庫全書の一、文源閣から流出した漢籍


    〜感想〜
    作品全体は知識に基づいて書いているので、すごく手間が掛かっているんだろうな、と思わせる作品。
    専門知識も結構入って来たりするので、好みは割れそうです。
    作品の形式は基本一話完結のシリーズもの。
    この中だったら『実用的な古書』が一番オススメ。
    どんでん返し具合がすごくて、もう一度読んでもいいな、と思わせます。

  • 歴史の裏側、興味深い。
    続編も読みたい。

  • うん、なかなか。ちょっと薀蓄のひけらかしが鼻につくけど、本に対する愛、主人公ル・シャスールの古書に対する"フェティッシュ"は素晴らしい。ロシア語や中国語等外国語の知識があるひと、歴史が好きなひとはより楽しめる作品だろう。

  • 実際に起きた歴史的な事件と古書が融合したミステリ。
    有名な事件が扱われているので、あまり歴史に詳しくない自分でもすんなりと楽しむことが出来ました。
    第3話の『Nの悲喜劇』が好きです。

  • 書物シリーズ、1作目。4編からなる短編集。

    歴史ミステリとコンゲーム的な要素が上手く絡まり、短編ながら、「ダ・ヴィンチ・コード」のような面白さを味わえた。実は歴史の裏にこんな真実があるのかも、、、みたいな、荒唐無稽ではなくちょっとしたリアルが感じられるのがイイ。シリーズとして続編も出ているようなので、期待して読みたい。

  • スーパーせどりや、半井優一。ル.シャスールの名で呼ばれる銀髪の青年が、歴史の闇を背負う古書を探し出し、依頼人に届ける話だが、歴史の中の出来事のほとんどが事実だとは、驚きだ!本だけでなく、歴史に関する知識も相当なものだ。四話の内1⃣話だけが日本、ほとんどが外国を舞台としているが、面白かった。

  • とても面白い。

  •  古今東西の稀稿本を求めて、書物狩人(ル・シャスール)こと渋めのイケメン半井教授が、虚々実々のやりとりの中で古書の来歴や因縁を暴いていくエンタメ本。4つの短編から構成されている。

     「教科書に準拠して」はケネディ暗殺犯とされるオズワルドの話。狙撃場所とされる教科書倉庫が重要な鍵となる。
     
     「神々は争う」はバチカンと福音書の話。正典とされていない福音書の存在がバチカンを揺るがす。

     「Nの喜悲劇』はナポレオンとその蔵書の話。本の虫として有名なナポレオンの蔵書の中に、ナポレオンの死に関する重大な事実が隠されている。

     「実用的な古書」は中国と領土拡大に関する史書の話。中国の領土に関する歴史的な叙述がある漢籍がイギリスで見つかった。しかしその成立の過程には驚くべき陰謀があった。

     こうして列挙してみると面白そうに見えるけれど、深みが足りない。
     良い豆を挽いたのに淹れ方を間違えたコーヒーみたいな感じだ。

     たぶん歴史好きな人が読むと、どれもある程度は聞きかじりしているような内容なので、それほど驚きがない。解釈に対していろいろ反論したくなる。でも20代で読んでいたら、かなりはまったと思う。事実「実用的な古書」だけはほとんど知らなかったので面白かった。短編じゃなくて、じっくり書いた長編を読んでみたい。

     まだ登場人物がキャラ立ちしていない印象を受けるので、馴染んでいけば、もしかしたら面白いシリーズになっていくのかもしれない。自分のお気に入り作家、北森鴻も初めの頃こんな感じだったから、次の巻も読むか悩む。



     

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著者プロフィール

1961年、東京都生まれ。立教大学卒業後、ドイツに留学。帰国後、大学講師として教鞭をとるかたわら、1998年に『魔大陸の鷹』でデビュー。その面白さに、田中芳樹氏、荒俣宏氏らがお墨付きを与えた。近著に『氷海のウラヌス』『書物審問』『天皇の代理人(エージェント)』などがある。

「2013年 『書物奏鳴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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