- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062767026
感想・レビュー・書評
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4.5
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幼馴染みの冴木と私は、小学生の頃に集団レイプ事件を目撃してしまう。そのため私は潔癖に、冴木は暴力による性に引き寄せられたてしまう。
ある事件が元で疎遠になっていた冴木と七年ぶりに会った直後、私の部屋で1人の女が死んでいた。部屋の中から検出された冴木の指紋が、指名手配中の容疑者のものと告げられた私は、冴木を探そうとする。
重く陰鬱な物語です。こういうのは苦手なのですが、何故かグイグイと読み続けました。私の語り口が淡々として変に攻撃的でなかったからかも知れません。
生と性、暴力と性、生きることが性に絡めて問われます。生きにくさを抱えながら、社会に放り出された者たちの物語。そう言ってしまえば簡単なのですが、この生きにくさというのは、誰しも持っているもので、気付いているかそうでないかだけかも知れません。世間と布一枚ごしに接する私というのも、その象徴なのでしょう。たった布一枚、でもそれがなければ自ら扉を開けることができない。そんな私が恋人に言う「怖くないよ。大丈夫。」という言葉に救いを感じます。 -
映画化。2014年チェルシー映画祭(アメリカ)・脚本賞
幼少期に集団婦女暴行事件に遭遇、その事件をきっかけに性トラウマを抱えた少年2人の生末の物語。一人は潔癖で悩み、もう一人は狂った悪に・・・。 -
掏摸、遮光が良かっただけに何だか本作は今一だった。 内容も自分の中では上手く消化出来ずにいた。冒頭の2冊が良かっただけに残念。
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教団Xを読む前に読んでみた、初読みの作家さん。
この作品に関してはとにかく、暗くて、ドロドロしている感じ。ただ、そういう描写は嫌いではない。共感はできないが、犯罪者はこういう心理なのかを感じさせられる。ただ、終わりがどうもスッキリしない。話の内容は覚えていても、どんな結末だったかは、きっと、忘れてしまうでしょう。教団Xに進むかどうか少し悩む。 -
暗すぎる。
病みそう。。。 -
推理小説ではないので、起こった事件の真実は恐らく「私」の予想が正しいのだろうなという形で終わり、「私」と「冴木」を悩ませ続けた問題の解決策があるはずもなく。
何一つ救いらしい要素を感じられないままそれでいて終わりはすっきりだった。