新世界より(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062768535

感想・レビュー・書評

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  • 上巻はいまいち。これから面白くなることに期待する。

  • 気分的にすごく夏休みなので(実際は明日も仕事ですが)、小中学生の頃みたいに現実味のない長めのSFとか読みたいな。と思って本屋をうろついていたところ遭遇。この著者の『黒い家』とか『天使の囀り』とか『青い炎』とか、そういや中学生のとき読んだな・・・と懐かしく思い、手に取りました。

    現時点では、義務感で読んでます。面白く・・なるんだ・・・よね?と。SFはねー・・・どうしても世界の描写が長くなるからねー・・・
    歳をとるにつれ、そこでの想像力を湧かすことに熱中できなくなってきているのを感じます。

    とりあえず中巻の「読ませる力」に期待。時間かけて読むだけの読後感がありそうかどうか、中巻の1/3ぐらいを読み終えた時点で、判断したいと思います。

  • 状況の理解に時間がかかってわたしはあまり読み進められなかったかな、

  • ようやく読了しました、「新世界より」。貴志祐介といえばホラーではありますが、この本はまさにSFと呼ぶに相応しい、ブレのない作品でありました。
    主要な登場人物の人数もちょうど良く、名前も覚えやすく、世界観にのめりこんで読むことが出来ました。
    日常から始まり、その日常に見え隠れする暗い影を言及していくにつれて、その世界の真相へ近づいていく…割とありがちな話の筋ではありますが、この作品には設定による様々な制約が存在し、それがキャラを引き立て、世界を引き立てているように思えます。
    上巻から中巻にかけての、突如として訪れる非日常っぷりにはなかなか緊張感がありましたね。大どんでん返しというものはありませんでいしたが、SFに若干のホラーが混ざる貴志祐介の世界の描き方は読んでいて飽きません。最後の最後に書かれるバケネズミの詳細には驚いた。なるほど、そこでミノシロモドキの伏線を回収するか…と納得。
    ネタバレレビューなので書きますが、記憶回想が太字で書かれているのでそこは強調があって読みやすいし、本文中に出てくる箇所でもあるので自分で読んだその前後を「確かあんな感じだったな」と思い出しながら読めて楽しかったです。
    貴志祐介の次なるSFに期待したいところです。上中下となかなかの長編ですが、このくらいの物量があったほうが楽しめそうです。

  • 残念ながら私は上で挫折しました

  • 世界観が独特すぎて
    中盤あたりまで読むのが苦痛だったけど、
    終盤になってようやくって感覚だった。

    中巻、下巻まで読めるかな...

  • この物語は、『主人公の早季』が過去を振り返る形で書いてある。……という事になっている。が、「小説の形式で書いていく」となっているので、中身は『当時の心境のまま書き綴られている』ような事になっている。
    しかし、所々で「現在の早季」が出てきて、「今はこれを知っているからこう書いてある」と注意書きが出てくる。そのせいか子供という設定なのにやたらと知識が深いし、子供らしからぬ考察が入りこむ。
    なので、『今の早季の言葉』なのか『当時の言葉だったのか』がよく分からなくなる。



    さらに、『仲良くなったお友達』が消えても気にしないという社会になっているが、そのせいなのか主要人物以外はキャラが薄いまま消えていく。同じグループの6人という設定のうち一人はほぼ描写もなく『誰?』と思う間もなく消えた。

    残りは5人だが、男の子三人は「影が薄い」「知的」「わんぱく」というキャラ設定になっているというのが分かる。が、「影が薄い」キャラはとことん薄いので、時々出てくるたびにそう言えばいたな……という記憶しかない。さらに「知的」キャラも「わんぱく」キャラが途中で知的になってしまうので、もうどっちがどっちだか。

    女の子は主人公ともう一人。その子は「女王様としての素質がある」となっていた……が、どこにそんな素質があるのだろうか?と思うほど平凡な女の子だと思う。女王様としての素質を感じるエピソードがない。



    キャラの設定はおまけ程度で、それほど大きく区切られてはいない。
    主人公は「優しいキャラ」になってるようなのだが、子供だからなのか差別世界だからなのかナチュラルに差別発言が飛び出す。

    どちらにしても『キャラクター』に期待するのは無理な作品だった。



    そんな感じなので『共感できるキャラがいない』



    アニメでも薄っすら性表現があったので、性表現があるのは分かっていたがまさか「敵に捕らえられていても性行為を行おうとするシーン」があるとは思わなかった。ここで性行為に至ろうとする意味が分からない。疲れてるなら休むか、状況把握に徹した方がいいハズなのになぜわざわざそっちに行くのだろうか?



    アニメがそこまできつく出来ないからというのは分かってるけど、小説の描写は思ったよりもキツかった。そしてここでも、『処女検査がある』というファンタジーが出てくる。この作品もエロファンタジーをもってくるのかと思ってしまった。
    『洗脳社会』なのだから、処女検査よりも洗脳薬で聞きだす方が手っ取り早いし確実だと思うのだが、なぜ『処女膜が傷ついていないか検査する』なのだろうか。

    この作品も『悪の教典』と同じく知識満載なのに、エロだけがっつりファンタジー盛り込みなのが気持ち悪い。

    さらに子供同士の性描写が多すぎなのも気になる。それだけフリーなら『妊娠対策』は必須なはずなのに、ただ『禁止されている』という事しか書いてない。避妊薬は? 男女間でも手軽に性行為(手で慰める)のだから、それ以上の関係になるのもそれなりの数いそうだけど。避妊薬、その他避妊法の描写がない。なのに、性的接触推奨って気持ち悪い。

    同性間だって性病のリスクはあるはずだけど、その辺りもスルーなのかな。



    性に関してはとことん気持ち悪い作品。アニメで『同性間の性的接触推奨』というのは覚えていたけどまさか、ここまで酷いものだったとは。



    物語に関しては、前半の冒険部分は全く覚えてなかった……という事が分かった。
    おかげでハラハラしながら読む事が出来た。確かあのキャラとあのキャラとあのキャラ辺りが、消えるんじゃなかったかとおぼろげな記憶を思い出したところで、上巻最後は覚えのあるシーンが出てきた。細かい事は忘れたが、業魔の話は覚えている。

    次は悪鬼だなと思って下巻を読む事にする。





    確かアニメでは主要キャラがほとんど消え去ったような記憶がある。
    でも、小説の最初の方に『当時の関係者何人かに当たって記憶を確かめてみた』とある。
    覚という名前が出てきているので、主人公と覚が生き残るのは間違いがない。しかし、他の主要キャラ達は消えるのではなかったか。だとするなら『当時の関係者』というのはどの位置にいるのだろうか……と思った。その前に「多くの人が亡くなった」とあるのに、それでも『生き残っている関係者』はどれだけいるのだろうか。



    謎ばかりの上巻だった。

  • (上中下含む)
    説明や表現が細かいので、世界感や情景が想像しやすい。
    使役される側の存在が

    人間側の登場人物の大半が身勝手で好きになれない。
    細かすぎる説明と表現が冗長で食傷気味。

    個人的にはバッドエンド。
    是非とも人間側が絶滅する、もしくは、ネズミと立場が入れ替わるなどしてほしかった。
    現実の人間も同じくらい傲慢で身勝手で、しかしながら、それで成り立っているのが事実だと言いたいのだろうか。それは分かるが、せめてフィクションの世界でくらい人間が徹底的に虐げられてほしい。
    そうなことを思った何とも救いのない小説。

  • コンセプトはとても面白いのだけれども、不必要な情報が多すぎて無駄に長いと感じた。ジェノサイドと同じ時期に読んだので、比べてしてまうとどうしても劣る感じで物足りなさを感じた…

  • 貴志祐介氏がなんと30年もかけて構想を練ったという、超大作ファンタジー。舞台は1000年後の日本で、そこに住む人々は皆超能力を持っている。というより、超能力を持った者だけが、核戦争を生き延びたという設定。
    未来が舞台とはいえ、その世界は極めて原始的である。主人公の少女は、クラスメイト達と協力して、邪悪な敵(動物たち)と闘う、というRPGゲームのようなストーリーである。
    次々に困難が襲い掛かり、最初から最後まで緊張感が途絶えないのはすごい。上巻は世界観の説明に費やされて、読んでいる途中に飽きてしまう人もいるだろう。
    個人的には、主人公の少女に感情移入できなかった。ファンタジーとはいえ、あまりにもリアリティに欠ける設定に入り込めなかったのが残念。貴志祐介は大好きな作家で、本書も長年楽しみにしていたのだが、肌に合わなかった。

  • バケネズミの正体が・・

  • 貴志祐介先生のファンなので買いました。
    今までの貴志先生の作品とは一線を画するファンタジー作品でありつつ、独特の怖さを醸し出す作品でした。
    一回目はバーっと読み、二回目はじっくりと読み込み、新たな発見を楽しみました。
    ファンタジー好きのみならずホラー好きにもお薦めしたい珠玉の作品です

  • 千年後の呪力を手にした人類と奇妙な野獣の住む世界観を説明するために約200ページが割かれている。夏季キャンプ2日目までの説明的文章は退屈で苦痛に感じた。
    バケネズミからの逃亡劇はスリリングだが、夏闇の章も途中で上巻が終えてしまい不完全感も感じられるので星二つ。
    総評は下巻を読んでから。

  • 導入部分が長すぎる。
    前評判ほどの面白さはなく、日本版ハリーポッターとも錯覚するようなファンタジーの世界。

  • なんかやたら評価が高かった(ような)り
    まえ~~にブランチで紹介してた(ような)り
    アニメ化?してたような・・
    などで手にとってみたけど

    面白いかなーこれ
    全然面白くない気がするんだけど・・??

    みんなが呪術を使える未来の箱庭のような世界
    キャンプでにでかけて仰天でグロい過去を聞かされて
    禁忌に触れたっていって能力を使えなくなって
    ハダカデバネズミ(これはかなりきもい)の進化したネズミにつかまったり戦争したりする

    なんだこれ・・
    これから面白くなるのかな?
    2巻読んだらいいか困る
    これより面白くなるのか平行線なのか教えてほしい(笑)

    この人の本は「悪の教典」しか読んだことないけど
    あれも上巻はけっこう面白かったけどエログロだし下巻つまんなかったからな~
    この人の人気もなぞな気がしてきた(全然読んだことないのにあれだけど)

  • 今から遠い未来のお話


    その時代の人々は呪術が使えるようになっていた。
    なんともファンタジーな内容だと思ったが、進級するにつれて少なくなって行く同級生。
    郷の周りに住む忌まわしき生物。
    その他諸々の謎がどんどん出て来るが、子供の為か大人は何も教えてくれない。

    上では世界の説明と謎の定義がなされるだけで、ちょっと退屈ですがそこはガマンして是非とも読み進めてもらいたいです。
    中からが面白くなってくるのです。

  • あらゆる本屋で平積みされていてずっと気になって、古本屋で発見、購入。

    未来の日本を舞台にした冒険小説。舞台設定が奇抜であらゆる制約が次から次へと出てきて、ついていけなかった。また呪力によるなんでもありの世界も好みではなく…あまり私には合わなかった。途中から日本版ハリポタを読んでいる気分になった。
    さらに、動物嫌いが仇となり、バケネズミとかミノシロなどが出っ放しの後半は想像しながら読むのが軽く苦痛でした。

    動物好きの冒険小説好きさんには、たまらないシリーズなのかな…

    次巻は機会があれば!

  • 貴志祐介の未来SFである新世界よりを読んでみました。文庫本で上中下の3冊でしたが、読み始めると一気に読み終えてしまうほど引き込まれる独自の世界観が広がっている物語です。現代から千年後の日本が舞台ですが、呪力と呼ばれるサイコキネスが常用されている日常と随分と衰退?しているように感じられる人類社会が、今の現代の延長線上にどうやって出現したのか興味が惹き付けられ、それがこの本のテーマともなっています。
    遠未来SFというと地球の長い午後に代表されるような人類が衰退しきったパターンから、現代の科学文明の延長線上に宇宙に版図を広げたパターンで大きく分かれていますが、この「新世界より」は衰退しているもののサイコキネスを手に入れているということで、人類の地位は地球上ではかろじて頂点を維持しているという位置付けになっています。
    バケネズミという使役している知的動物との闘争を通して、その社会システムの限界と過去の歴史の闇が明らかになっていくという筋立てで物語は進んでいきます。最後は主人公の前向きで積極的な行動を予感させる終わり方で希望が持てますが、人口が激減し文化レベルが数世紀も戻ったような社会描写には、暗淡たる思いを感じさせられて気が晴れない話ではあります。

    うっすらと予感はさせられてはいましたが、バケネズミが被支配階級の人類の末裔で、彼らに与えられた仕打ちの描写には、社会システムの継続的な発展が維持されない限りは、いとも簡単に中世以前のマインドに戻ってしまうという人間の本性を警笛されているように思えます。ここまで衰退してしまうと元の文明レベルに戻るのにどの位掛かるのか、気が遠くなる気がしますが、よくあるように地球の悠久の歴史の中では人類の歴史など瞬き同然ですから、大した話ではないのかも知れません。

    最後は主人公である語り手が、町のリーダーとなり人類の前向きな発展に期待を持たす終わり方?とはなっていますが、こんな境遇になってしまうと果たしてどのような未来が人類に待っているのか前途多難ではあります。

    この貴志祐介ですが、以前に「黒い家」を読んで本当に怖いな?と感じて以来でしたが、こんなSFも書くのだなーと新鮮でした。この2作品以外は、他に読んだことがないので、是非また読んでみたいと思います。

  • 世界観が面白かったです。未来の日本にしては読んで想像してみると
    田舎のほのぼのした様子ですが、一変して謎やピンチに襲われる主人公の様子に
    背筋がぞくりと感じました。

  • 設定ばかり細かいが肝心の中身が薄い。昔読んでた貴志さんとは別人のよう。

著者プロフィール

1959年大阪生まれ。京都大学卒。96年『十三番目の人格-ISOLA-』でデビュー。翌年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、ベストセラーとなる。05年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。

「2023年 『梅雨物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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