歴史家が見る現代世界 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
3.33
  • (2)
  • (19)
  • (25)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 254
感想 : 25
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062882576

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 国際関係論でよく見られる、バランス・オブ・パワーというような現実主義的な観点を俯瞰し、批判している。そういう意味でリベラリズム論者と言えるのだろうか。なんか合点がゆかない。ただの理想主義者だろうか、コスモポリタンだろうか。
    しかし、パックス・アメリカーナと言われるアメリカ覇権を肯定しているでもなく、国家の枠組みを超えた全人類の共通項を根拠に世界は繋がっていくことを、筆者は「トランスナショナル化」、「グローバル化」と呼び、一国の国益を重視するナショナリズムと対置した。なお、「インターナショナル」は国家間の交際と捉え、「トランスナショナル」と「ナショナル」の過渡期にあるという論調をとっていた。
    筆者は、経済や軍事などのポリティカルな側面だけではなく、その元で絶えず流動的な文化的、社会的な動きに注目しなければ、現代世界を把握することは不可能と主張しているが、その流動性自体の抽象度が極めて高度な上、絶えず俯瞰的な視点を持ち続けていたために地に足がついた理論ではないように読み取れてしまった。

全25件中 21 - 25件を表示

著者プロフィール

ハーバード大学名誉教授

「2017年 『西洋の論じた日中・太平洋戦争 同時代英語文献復刻シリーズ  第2回配本:戦中期編 全6巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

入江昭の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ジミー・カーター
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×