キングを探せ (講談社文庫)

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  • 講談社
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感想 : 68
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062931823

感想・レビュー・書評

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  • とても王道なミステリ。
    今の流行りか交換殺人ものでした。いろいろトリックがあるんだろうなあと匂わせる冒頭でしたが私は気づかず最後は驚かされました。
    途中で犯人側が亡くなるあたりで淡々としたストーリーから一気に読ませる感じになってましたね。
    現代舞台ですがしっかり本格で面白かったです。

  • 交換殺人、しかも4人が交換。面白い。
    読者に誤った推理を見せつつ、真相にたどりつく面白さ。

  • パズル系のミステリはそんなに好きではないのだけれど、これは面白かった。

  • 法月綸太郎による作家・法月綸太郎と父親の法月警視が活躍するミステリ長編。
    冒頭から四重交換殺人がテーマであることが明かされ、その犯人たちがいかにして殺人を実行するのか、相談をするところから物語が始まる。犯人たちと綸太郎たちのそれぞれの側から物語が展開するため、途中までは綸太郎たちの読者にとっては的外れに見える推理に苦笑しながら読み進めていくことになるが、いつの間にか作者の周到な伏線の元、読者もミスリードされていき、最終盤のどんでん返しに見事騙される爽快感を味わうことになる。
    現代は様々なツールが身近になり、本格ミステリ作家にとっては非常にトリックを仕掛けにくい状況なのではないかと思うが、そんな中でもSuicaを使ったコインロッカーやカラオケボックスなどを駆使して犯人たちがいかにして匿名性を保っていくかを丁寧に描く。
    さらに、犯人の一人を恐喝する人物の登場で犯人への共感を読者に植えつけていくなど、様々な要素を的確にかつ不自然にならないように盛り込んでいく様はさすが。
    本作のタイトルは、本作で重要な役割を果たすトランプにもひっかけてあるが、ラストの法月警視の言葉が本作タイトルにもつながっていて大変興味深い。
    そこかしこでさすがと思わせる作者の力量を示しており、間違いなく作者の代表作のひとつと言える。

  • イマイチ惹かれるところが無いが、上手いと思うし面白いと感じる。
    まず構成が上手い。最後にひっくり返される面白さもある。
    でも何とく惹かれるところが無いのはなんでだろう。

    多分、文章が変に上手すぎるからかもしれない。
    贅沢な言い分だとは思う。

  • 四重交換殺人を扱った本格もの。
    暫く著者の本を読んでいなかった記憶があるのだが、久しぶりに読んだら面白くて一気読みだった。
    冒頭、犯人グループが『誰が誰を、どういう順番で殺すのか』というくじ引きをするシーンから一気に引き込まれる。

  • まさに頭脳戦。交換殺人というメインテーマに、犯人たちの目論見と、法月の鋭い推理のぶつかり合いだけでも十分楽しめた。
    さらに解説に書いてある、小説自体に巧みに、ふんだんに盛り込まれたミスリーディングの手法には感嘆した。指摘されるまで、普通に印象操作にひっかかってたことすら気づいていなかった。まさかそんな細部にまで仕掛けがなされていたとは。それを狙って書ける(描ける)なんて。面白い、面白いよ。

  • 導入の交換殺人チーム4人の会話から事件発生の流れにまずワクワクさせられ、探偵役の法月親子の推理と追跡、さらにそこから計画外の事態が絡んできて、予想出来ない物語の展開に振り回され続けた。特に秀逸なのがセリフ回し、そして犯人サイドの計画の修正だろう。物語全編に巧みに隠された作者の仕掛けに驚かされる良作でした。

  • 繁華街のカラオケボックスに集う四人の男。めいめいに殺意を抱えた彼らの、今日は結団式だった。目的は一つ、動機から手繰られないようターゲットを取り換えること。トランプのカードが、誰が誰を殺るか定めていく。四重交換殺人を企む犯人たちと、法月警視&綸太郎コンビの、熾烈な頭脳戦をご堪能あれ!

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著者プロフィール

1964年島根県松江市生まれ。京都大学法学部卒業。88年『密閉教室』でデビュー。02年「都市伝説パズル」で第55回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。05年『生首に聞いてみろ』が第5回本格ミステリ大賞を受賞し、「このミステリーがすごい! 2005年版」で国内編第1位に選ばれる。2013年『ノックス・マシン』が「このミステリーがすごい! 2014年版」「ミステリが読みたい! 2014年版」で国内編第1位に選ばれる。

「2023年 『赤い部屋異聞』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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