神さまのビオトープ (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 8093
感想 : 590
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062940672

感想・レビュー・書評

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  • 幸せも不幸せも形は無い。
    秘密を抱えて行きている。

  • 死んだ旦那の幽霊と暮らすうる波。孤独の中で、自分を信じて、旦那の幽霊と暮らしている。

    人から理解されにくい状況は、その人にとっての孤独を生む。孤独の中でも立ち続けるためには、自分を強く信じる他ない。でも、実は、自分は脆い。だから、幽霊の旦那さんは、ずっとい続けて欲しい。

  • なかなか残酷な物語だと思う。

    彼女の謝肉祭、が一番好き。
    とある事実、見る側面で見え方全然違う、ってやつ。

    マタ会オウネ、は叙述トリックというか、小説という特性をうまく使った物語。

    植物性ロミオは主人公と私の考え方が相入れなくて結果苦手だった。

    アイシングシュガーは一番最初にある物語だが、残酷度MAX。すみれそうファミリアのとある人物に近しい狂気を感じました。

    2022.8.25
    121

  • よかったーーー!

    わたしの美しい庭、流浪の月、に続く凪良ゆう3冊め

    どのお話もどの登場人物たちもそれぞれ生きていて、とてもみずみずしさを感じた
    鹿野くんはとても素敵な人で、けれど誰もが惹かれるというわけでもなく、「うる波にだけめちゃくちゃ刺さる」という感じがとてもよく伝わってきた

    最後に一悶着あってなんだかんだで鹿野くんは消えてしまうラストなのかな、と思っていたけど、そんなことはなく、そんなラストを選ばなかった、そんなラストで終えなかった作者がまた好きになった

  • 他人に理解されづらい関係や感情を嘆いて絶望するだけじゃなくて自分なりに乗り越えていく人たちのお話。
    何とも表現できない感情を言葉にしてくれる凪良ゆうさんの作品は今回も心に響く言葉がたくさんあり、色々あるけどまぁいいじゃないって救われない人を優しく包んでくれてるような感じがします。

    「わたしがなにに幸せを感じるかは、わたし自身ですら決められない。」もちろん他人に決められるはずがなく、自分の心の中だけは正直でありたいと思うし、世間では偏見や軽蔑の目を向けられるようなことも、色んな角度から見ることのできる柔軟な人になりたいと思いました。ハッピーエンドばかりじゃないけど、みんなの生きづらさが晴れて幸せになって欲しい。

  • 図書館で借りたもの。
    事故死した夫「鹿野くん」の幽霊と一緒に暮らすうる波。彼の存在を秘密にしていたが、ある時大学の後輩2人に知られてしまい…。密やかな愛情がこぼれ落ちる瞬間をとらえた4編の救済の物語。

    ビオトープとは生物群集の生息空間を示す言葉。

    幽霊と暮らす主人公や、ロボットが親友の男の子など
    世界が決めた「正しさ」から置き去りにされた人たちに
    “自分の常識からはみ出す人に、心配という大義名分で気軽に引っ掻き傷をつける人がいる。”
    知らずに自分も誰かを傷つけてたかもしれないなぁ…。

    “わたしはわたし。あなたはあなた。適当に楽しくやりましょう。そんな感じだったら、みんなあまり悩まず楽に呼吸ができるのに。だいたい、あなたのためにという言葉は頑固で、真面目で、自らの信念に満ちすぎていて始末に困る。”
    その通りだよ~!言われるのは嫌なのに、自分はたまに子供に言ってしまう。
    今後は「あなたのために」って言葉はぐっと飲み込もう。。

  • いつもの人との関わりの複雑さを書いた世界観が好きです。
    文体も読みやすくお勧めの1冊。

  • 淡い色の美しいセロファンが重なったようなお話。
    他人には触らせないという強い意志を感じた。
    大切なものを持てていない私はなんだか寂しい気持ちになった。

  • 「流浪の月」は普通という言葉は誰の為のものなのかという疑問を読者に投げかけた本でした。被害者にも石を投げるような世間の風潮に疑問を持ち、自分もそれに加担してしまうのではないかと思わせられました。そんな凪良さんの一般小説の原点と言える小説です。

    新しい出会いを求めない未亡人に周りがやきもきしますが、彼女のそばには亡くなった夫が寄り添っているので、彼女は寂しさを感じていないし、このままの生活が永久に続くことを望んでいます。
    彼女に出会いを提供しようとする気持ちは誰しもが分かります、でもこの本を読んでいるときは余計なお世話だと感じます。これは彼女の気持ちが紙面に書いて有るからです。

    色々な趣向を持った人々が彼女と夫(霊体?)の前に現れる連作集です。この本でマイノリティへのメッセージを描きたかったんだと思います。本作読むと感じますが「流浪の月」と共通点が色々有ります。
    読んだ後に感じるのは、個々の生き方は本人にしか決められないので、余計な事言わずに放っておけという感覚です。これはゆくゆく老人の孤立という所にもつながっていきそうな内容ですが、僕自身放っておいて欲しい派なので共感しました。
    僕的にこの本と流浪の月を読んで感じたのは、法に触れず、誰にも迷惑をかけていなければ、責めてはいけないという事です。責めていいのは迷惑かけられた人だけで、外野が騒ぎ過ぎるのが現代の問題なのではないかと感じました。

  • ある日、突撃、うる波の旦那さんの鹿野君が事故死してしまう。放心状態のうる波の前に鹿野君の幽霊が現れ、不思議な生活が始まる。思いがあまりにストレートな千花、ロボットを親友にもつ男の子、少女に恋する青年、秘密のない人なんているのか、という西野さんの言葉がささる。流浪の月の原点もあちこちにあるような小説。

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著者プロフィール

1973年生まれ、京都市在住。2007年、BLジャンルの初著書が刊行され、デビュー。17年『神さまのビオトープ』を刊行し、高い支持を得る。19年『流浪の月』と『わたしの美しい庭』を刊行。20年『流浪の月』で「本屋大賞」を受賞する。同作は、22年に実写映画化された。20年『滅びの前のシャングリラ』で、2年連続「本屋大賞」ノミネート。22年『汝、星のごとく』で、第168回「直木賞」候補、「2022王様のブランチBOOK大賞」「キノベス!2023」第1位に選ばれ、話題を呼ぶ。翌年、同作の続編にあたる『星を編む』を刊行した。

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