神さまのビオトープ (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 7961
感想 : 580
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062940672

感想・レビュー・書評

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  • うなぎbooksという風変わりな本屋さんでお土産感覚にパケ買いした本が大当たり。
    凪良ゆうさんのファンタジーだけど、リアルな生きにくさがとても良いなぁと。
    「神さまのビオトープ」はファンタジー感と読み返したくなる構造がとても好き。

  • 『流浪の月』があまりにも衝撃的だったので、
    序盤はイマイチ物足りないな〜
    と思いながら読んでいた

    でも読み続けるうちにどんどん引き込まれ
    最後
    一気に富士山の山頂まで到達した感じ
    山登り…みたいな作品

    凪良さんの作品は2作目だけど
    底辺に流れるものは徹底していて
    私の観念を大きく変えた

    他の作品もこんな感じなんだろうか
    だったら、しばらくはいいかな
    完全にノックアウトされたから…

  • 流浪の月が面白すぎて、すぐに本屋さんに買いに行った本作。
    流浪の月と比べると、メルヘン的要素を少し強く感じたけど、これはこれで面白かった。
    読み初めの予想では、「鹿野くんは最初からいなかったパターン」かしら?と思いながら読み進めていたが、うる波ちゃんと鹿野くんの生活がとても愛おしく感じてしまい、気付いたら、二人が離れ離れになりませんようにと祈るような気持ちになっていた。
    まだ2作しか読んでないけど、人間の不完全さやマイノリティを描く凪良さんの作品は、少し物悲しい雰囲気や切なさが漂うがそれでもその人なりのハッピーエンドで終わるので、読者は救われた気持ちになる。

    さてさて、次は「わたしの美しい庭」を読もうかな。

  • いつもながら個人的な感想です。
    私は好きな作品だなあ〜‼︎
    「ああ〜、私のところにも夫が幽霊でいいから、居てくれたら良いのにな」と正直、羨ましく思いながらず〜っと読んでいました。だって、会話できるんだもの!他の人には見えなくても、自分には見えていて、表情も分かる。ちゃんと相談にのってくれたり、冗談も言い合える。ある意味最強じゃん…と思ってしまった…そんな私はかなり寂しい女なのかも?(未亡人っていうのが差別用語だって、この本で初めて知りました!)

    この題名「神さまのビオトープ」というのは、神さまが勝手にバラバラに“生物と場所” を与えたけれど、そこで生きる生物たち(人間含め)の幸せっていうのは、結局バラバラで、それぞれが感じる幸せで良いんじゃない?って、そんなふうに考えながら読みました。凪良さんがどうお考えだったのかはわからないけど。

    「流浪の月」もそうだったけど、いろいろな形でのマイノリティの人たちに、スポットを当てる作家さんだなあという印象です。

    印象に残ったところを少し。
    ーーーーー
    こんなふうに少しずつ秘密がもれていくことで、日常が窮屈になる。大事なのは今の鹿野くんとの暮らしで、鹿野くんの存在をみんなに認めさせることではない。

    ある種の好意は粘性のある蜘蛛の巣に似ていて、必要としていない人間にとっては逃げづらい嫌な構造をしている。

    気遣いを見せながら、同じ手で傷口を抉るようなことをする。けれど、そういう人は意外に多い。

    人を想う気持ちに、型やルールなんて必要ないわ。

    わたしは幸せだけれど、この幸せは理解されにくい形をしている。

    神さまは知らんぷりだろう。返すくらいなら奪いはしない。最初から。

    世の中は複雑で、完全な被害者も完全な加害者もいないと知っている。右手で誰かを傷つけて、左手を別のだれかに傷つけられている。

    「幸せになんかなれなくても、生きてるだけで丸儲けって誰かが言ってたな」
    「死を基準にすると、ハッピーエンドのハードルが下がっていいわね」
    ーーーーー
    先日読んだ「考えすぎない人の考え方」という本の中にあった
    『75年の追跡研究でわかった、幸福と健康を高める1つの方法、それは、“いい人間関係”である。家柄、学歴、職業、家の環境、年収や老後資金の有無ではなく、人が幸せを最も感じるのは、人間関係。それも大人数ではなくたった一人でも信頼できる人がいるかどうかが重要だ』
    というのを思い出しました。

    世界全部が敵になっても、たった一人の信頼できる味方がそばにいれば、幸せを感じられるんだよなあ〜と改めて思ったのでした。

  • 私ももちろん隠し事あります。

    いろんな人たちの秘密が描かれていて、ちょっと引く事だったり、守り続けて欲しいと思う温かい事だったり、読んでて何だか安心した感じがある。私も普段は同性愛者だと隠して生きているので。
    なんでもそうだと思うけど、みんなに共感してもらうのは無理で、無駄だとすら思うほど。大切にしたい人達が私の秘密を知ってくれていれば、それだけで十分幸せに生きられると思う。
    あと、読んでて思ったのは絵を描いてみたいと思った。アトリエとかに憧れる。

  • 凪良さんの本にはまってからずっとずっと読みたいと思っていた1冊。

    みんな優しいのに、その優しさが苦しい。

    自分が普段ぼんやりと抱いている感情を丁寧に拾ってくれる凪良さんの作品にはいつも救われるなあ、とこの本を読み終えて改めて感じました。

  • うる波さんと鹿野くんと5組のカップルとのお話。
    それぞれに色々な思いがあり素敵なカップル。
    うる波さんは幸せなのか 何が一番幸せなのか考えさせられるな。
    私は「マタ会オウネ」のお話が好きです。

  • とっても好きな作品でした。
    登場人物もごちゃごちゃ出てくるわけではなく、シンプルにそしてそれぞれ深く抱えているものがあり、読みやすかったです。
    亡くなってしまった鹿野くん、奥さんのうる波さんの会話がテンポも良く面白かったです。鹿野くんのちょっとした一言がツボにはいり、うる波さんの考え方も面白く、現実にいたら是非仲良くなりたい。
    幽霊という存在の鹿野くんを『いつか居なくなってしまうかもしれない存在』として危うく留めているうる波さんを見るのは切なかった。

  • やっぱ凪良ゆうさんの作品は常識や凝り固まった正義をほぐしてくれるなぁと感じた。
    死んだ夫の幽霊と暮らし続ける主人公のうる葉。
    愛しているが故の強行に出た女の子。
    ロボットが友達の天才少年。
    純粋なロリコンの青年。
    ストーカーされても物ともしない美人な女子高生とそのストーカー男の関係性。
    ビオトープ、生物多様性。

    世間一般から見たら歪で間違っていると思われる関係でも、普通って何?正義って何?と考えさせられるお話たちでした。

    P95
    人を想う気持ちに、型やルールなんて必要ないわ

  • 凪良ゆう先生2作目。
    やっぱりサクサク読み進められて、感情移入もとってもしやすい。

    愛情や幸せの形は本当に多種多様で、
    誰に何を言われようと、自分が信じた形が自分にとって1番幸せなんだと感じた。

    私は周りに流されやすく、人の顔色を伺ってしまうけれど、もっと自分を信じる強さ、これでいいんだ!と胸を張れる強さを身につけたいと改めて思った。

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著者プロフィール

1973年生まれ、京都市在住。2007年、BLジャンルの初著書が刊行され、デビュー。17年『神さまのビオトープ』を刊行し、高い支持を得る。19年『流浪の月』と『わたしの美しい庭』を刊行。20年『流浪の月』で「本屋大賞」を受賞する。同作は、22年に実写映画化された。20年『滅びの前のシャングリラ』で、2年連続「本屋大賞」ノミネート。22年『汝、星のごとく』で、第168回「直木賞」候補、「2022王様のブランチBOOK大賞」「キノベス!2023」第1位に選ばれ、話題を呼ぶ。翌年、同作の続編にあたる『星を編む』を刊行した。

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