神さまのビオトープ (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 580
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062940672

感想・レビュー・書評

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  • 多くは語りたくないがホゥっとした気持ち。少し切ないけど温かい。
    この深い世界観が好き。
    一章一章が全然浅くなくて、深い深い話。

    うる波と鹿野くん、どちらも優しくて温かい。

  • 結婚して2年で他界してしまった夫。しかし、お葬式を終えると、その夫が縁側で煙草を吸っていた。夢?幻?幽霊?死んだ夫との不可思議な同居が始まった。

    凪良さんがBLから一般書に転向した記念すべき第一作。いろいろな愛の形、4編の連作集。ご近所の老夫婦の秘密は上手いなぁ、凪良さんはホントにバランスがよいと思う。

  • 凪良さんの言葉は本当に丁寧で美しい。

    私も大切な人を何人か見送った経験があるので、幽霊でもいいから会いたいと思っていたけれど、それはそれで悲しくて辛いのかもしれない。

    いつ消えてしまうかもわからないし、毎日毎日夢なんじゃないかと考えるだろうし、存在が消えてしまった暁にはもう二度と立ち直れないかも。

    救いのあるような無いような…そんな物語なのだけれど、そもそも大切な人を失った人の「救い」って一体何なのだろうと考えてしまう、そんな一冊。

    各編ときどきゾッとするような展開もあるのでハートフルとは言い難いけれど、ある意味リアルな人間が描かれていると思う。

  • 昨日の凪良ゆうさんのトークイベントで語られた本作。凪良さんの文芸作品デビュー作。
    「それまでの作家キャリアで培った必殺技をこれでもかとつぎ込んだ」そうだが、発売時は全く部数が伸びず、2年ほど経った頃、紀伊国屋書店の小柳さんの後押しがきっかけで、ヒットしたのだという。

    気になったのでイベント会場で購入して、一気に読んだ。たしかに、ラストのサプライズや読み手をミスリードする手法が織り込まれている。
    しかし注目したのは、「流浪の月」「汝、星のごとく」の原点がまさしくここにあるということ。後の凪良作品を貫くテーマが散りばめられている。

    「根本的に人と人は分かり合えないと思っている。だから人と人が分かり合おうとする過程を大切にしてきた。どうすれば分かり合えるか考える過程こそが大事。そして、分かり合えたと思ったらまた離れる、その繰り返し。この点と点の積み重ねが人間関係なのだと思う。私の作品では、特別大きなことは何も書かない。ただ人間の心の動きにしつこいほど焦点を当ててきた。そういう小さなことだからこそ読み手の心に食い込むことができるのではと思っている」

    そう凪良さんが語った言葉を反芻しながら読んだ。 

    #凪良ゆう
    #本屋大事
    #流浪の月
    #汝、星のごとく


  • 星は3.5かなー。

    最近お気に入りの作家、凪良ゆうさん。
    いつもながら優しい文章の作品でした。

    【ネタバレ⚠️あり】

    亡くなった夫(鹿野くん)が見えるうる波。
    当然ながら周りには理解されず、おばには
    しきりに再婚を勧められる。

    テーマとしては「誰でも秘密を持っている」
    それも「人には言えない秘密」

    そこまで大袈裟じゃないけど自分にもあるなあ。
    いや、墓場まで持っていく秘密なので
    絶対人には言えないかも。

    婚約者を殺してしまった千花の話が
    印象的でした。


  • プロローグ 秘密I
    アイシングシュガー
    マタ合オウネ
    植物性よロミオ
    彼女の謝肉祭
    エピローグ 秘密II

    ビオトープ: 生物が自然な状態で生きる空間

    事故で夫を亡くした美術教師のうる波は
    突然の出来事に心も頭もついてゆけず、
    生きる屍になってしまう。 

    食べることや眠ることなんていらなくて、
    何もしたくないのに、それでも構わず朝が来る
    ことに苦しむが、葬儀を終えて抜け殻になった
    うる波の目にいつもどおり庭に佇む鹿野君(夫)が
    いた。

    これは現実なのか、それとも、うる波が望んだ
    夢なのか。

    鹿野君の声も姿もうる波にしか分からない中で、
    それでも、うる波は鹿野君がここに存在すると
    信じる現実を選ぶ。

    心は自由でそれを阻むものなんてない。

    何が自分にとっての幸せか考えさせられ、
    自分が信じた幸せを貫く心を描いた小説。

  • 言葉が綺麗。お星様がさらさらの砂みたいにキラキラ落ちてくる感じ。金沢くんを発展させたのが、流浪の月の「文」だろうなと思った。あと立花さんね。整形したり、痩せたら全て解決すると思ってる子は絶対に読むべき。すごく素敵な本だった。「他人からどう思われていようと、自分が幸せならいいのに」っていう考えが凪良ゆうさんの基本にあるのかなと思った。

  • やはり凪良さん、好きです


    4冊目になりますが
    どの本も手元に置いて
    何度も読み返したいと思う本です


    さりげないセリフや、
    ちょっとした言い回しがとても好きで
    思わずメモしておきたくなります。


    今回は夫を亡くしたうる波さんが
    夫の幽霊と暮らしながら
    いろんな人の事情にちょっと巻き込まれる話


    どの章でも少し考えさせられます。


    鹿野くんの力を抜いた感じが
    とても心地よかったです



  • 本屋大賞で知った凪良ゆうさんの作品を読んでみたくて衝動買い。面白かった。何気ない日常の中にも人それぞれ思う事があるんだと感じさせられた作品。表紙のイラストも個人的にはお気に入りです。

  • アカン、読んでて不意に泣きそうになった。「感動して泣く」じゃなくて「うっかり泣く」である。ともあれ、誰かを懸命に好きでありたい。…あ、ロボットも可。

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著者プロフィール

1973年生まれ、京都市在住。2007年、BLジャンルの初著書が刊行され、デビュー。17年『神さまのビオトープ』を刊行し、高い支持を得る。19年『流浪の月』と『わたしの美しい庭』を刊行。20年『流浪の月』で「本屋大賞」を受賞する。同作は、22年に実写映画化された。20年『滅びの前のシャングリラ』で、2年連続「本屋大賞」ノミネート。22年『汝、星のごとく』で、第168回「直木賞」候補、「2022王様のブランチBOOK大賞」「キノベス!2023」第1位に選ばれ、話題を呼ぶ。翌年、同作の続編にあたる『星を編む』を刊行した。

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