- Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784063887334
作品紹介・あらすじ
妻・相原一子。夫・相原二也。結婚7年目の仲良し夫婦。セックスレス。子供なし。そんな二人が選択したのは「婚外恋愛許可制(公認不倫)」。おとやには、いちこも公認の“恋人”美月がいる。美月との恋に夢中になり始めるおとやを見て、いちこにも変化が……。『にこたま』の渡辺ペコが描く最新作は、結婚の嘘と真実。結婚したい人もしたくない人も――「結婚」を考えるすべての人に届けたい、30代夫婦のリアル・ライフ!
感想・レビュー・書評
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様々な夫婦のあり方を描いてきたペコさん、今回もまた大きな問題提起をしてきたなと思った。ただただ、すごいです。
一子と二也は結婚7年目の仲良し夫婦でセックスレス、子供なし。そんな二人が選択したのは「婚外恋愛許可制(公認不倫)」。二也には恋人がいる。
何てエグい展開…!だけど、そういう選択をするにあたってのきっかけは勿論あって、多少は仕方のない部分もある。二也、しゃあしゃあと不倫しやがってと思うけど、その相手の美月も夫や子育てに対しいくつもの悩みを抱えており、二也との逢瀬に救われていることを思うと何も言えなくなってしまう…。母とぎくしゃくした関係の一子のクッション役にもなっている二也、いい旦那なんだけど…全体的にもやもやする~~~!何がよくて何がよくないんだか、自分の常識が崩壊です。
結構、いや、相当シビアなテーマではあるが、ペコさんらしいユーモアを交えた淡々とした描写が相変わらず巧い。この危ういバランスをどこまで保てるだろう!?ありえないとは言い切れない夫婦の関係、今後の展開が激しく気になります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
情況に刺さる。
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勉強
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柴門ふみと比較すると画にもっと個性あると引き込まれる
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初めて読んだ作家だが、極めて漫画が巧い。語り方、見せ方、展開の仕方が非常に洗練されている。時代のど真ん中を掴んで、逃げずに向き合う闘志を感じる。
一方で、登場人物たちのふるまいを逐一追っていきたい気持ちは湧かなった。それはたぶん、この題材における「結果」は再生か解散かしかないから。もちろんそれすらも、本当の人生においては「過程」の一部に過ぎないわけだけれど。そして私だったら確実にこうするという行動と、彼女たちの選択があまり一致しないからだ。彼女たちの選択や心情に共感するところが少なくないにしても。
「今週、妻が浮気します」という、インターネット掲示板を舞台に起きた実現象を題材にした書籍、ドラマがあったことを思い出す。あれも話の内容そのものというより「学級会の紛糾」そのものが現象の主体だった。この漫画もSNSなどを通じた「学級会の紛糾」を生じさせることを主たる目的としている。その意味でも、時代とぴったり背中合わせになるマーケティングの結果に生まれた物語なのだといえる。ゆえに問われているのは漫画の中身ではなく、この漫画に触れて以降、読者たちに何が生まれるか。なんだか「記事」に似ている。おもしろい。