流転のテルマ(1) (KCデラックス 週刊少年マガジン)

著者 :
  • 講談社
4.07
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本棚登録 : 47
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063951820

作品紹介・あらすじ

「助けてくれ」。行方不明の兄からメールが届くと、大学生の徳丸は、父に頼まれて西チベットに旅立った。未知の土地で、徳丸は日本語のできる現地ガイド・ソナムを雇う。彼によると、兄が向かったのは外国人入域禁止エリアらしい‥‥。ガイドの中でもソナムしか知らないというその場所は、国境に程近い秘境。辿り着くにはただ歩くのみ。キッチンボーイのナムギャルを加え、徳丸たち男3人の、ひたすら歩く旅が始まった。

「助けてくれ」。行方不明の兄からメールが届くと、大学生の徳丸は、父に頼まれて西チベットに旅立った。未知の土地で、徳丸は日本語のできる現地ガイド・ソナムを雇う。彼によると、兄が向かったのは外国人入域禁止エリアらしい‥‥。ガイドの中でもソナムしか知らないというその場所は、国境に程近い秘境。ソナムの浮かない顔に、徳丸は不安を覚えるが‥。標高3000m越えの大地を歩く、徳丸の旅が始まった!!

感想・レビュー・書評

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  • 主人公の日本人徳丸は、女の子にまちがえらるかわいさだが、男子大学生、、とシャングリラ冒頭と同じ!蔵西寸のお好きな設定か。
    購入してすぐパラパラと見た時私も勝手に、女子大生がふらふら初めてのチベットで一人歩きして冒険に巻き込まれるみたいな勘違いをしていたが、じかんができたので一気に通して読み何故そのような勘違いだったか、と首かしげながらも、とにかくかっこいいソナムの登場、西チベットはインド領でほぼラダック??
    丁寧なチベット文化圏の説明、解説、細やかな描写描画、話は徳丸もソナムもは肝心のところで口をつぐむのでよくわからないまま進んでいく。キーワードは、信仰心とか、神仏へのというより自分や家族に真摯真実であったか、ということかな。素朴なナムギャルはそのような悩みを見せず優しさと愛のみで一息つかせてくれる。
    度好き、インドネパールチベット好きの方は必ず読むべき珠玉の名作!3巻までは紙の本がありますが最終巻は電子になります。なお、最終巻はAmazon Kindleサイトに今お試しで数ページ読むことできますが、うまく購入できず、こちらのサイトから入り購入最後まで読めました!ありがとうございました!!

  • ある日兄から届いた「助けてくれ」というメール。
    添付されていた写真だけを頼りに、大学生の徳丸が単身西チベットに向かうところから話は始まる。

    日本語のできるガイドのソナムとキッチンボーイのナムギャルの3人で兄を探す旅をする徳丸。
    徳丸が登山やチベットに関する知識があまり無く、
    かと言ってだから我儘で足を引っ張るということも無く
    守られているばかりの存在でも無いところが頼もしい。
    メールひとつで知らない外国の町へ行くバイタリティもさることながら
    そこまでしても良いと兄に対して思っていそうな
    兄への感謝や贖罪の気持ちがあるらしいことが
    少しずつ明かされていく。

    筆者が西チベットに関する知識があり、
    ご自身の知識を元にされているせいか
    現地の様子がとても生き生きと描かれ、自分も旅をしているような気持ちになれる。
    お勤め中に食べるバター茶やツォンパ、
    腕を伸ばした時の見え方で時間を計るやり方、
    読経や外の日差しなどが美しい。
    人の表情もとても豊かに描かれている。

    3人のキャラクターも段々と明かされ意外な一面も見えてくるし、打ち解けていく様子も見ていて楽しい。

  • なんとも登山の常識がない感じがそれっぽい。
    やっぱり医学は学んどかないといけないなー。

  • 日本人の寺の子が西チベットで兄を探すお話。
    チベットの宗教的なこととか、案内人の人の過去とか色々見所あります!続きが気になります!

  • 兄を探しに西チベットへと向かう徳丸。ガイドのソナムとナムギャルに導かれ探索の旅へ。バター茶やツォンパなどの食べ物、チベット医学やチベット仏教の思想などにも触れつつ。兄が向かったという、現地人も忌む谷へと向かう。まさに異世界、そして心惹かれる。

  • まず非常に力のある絵でもって描かれる人物と西チベットの風物が魅力的。
    今風に洗練され過ぎない絵柄が、映画的で大胆な構図と合間って独特の生気ある空気を際立たせてくれる。
    尼僧院に入る時の読経の音と室内の空気に包まれるシーンや、逆に外に出る時の日差しの眩しさと言ったら!

    登場人物はメインの2人が過去に背負うものを持っており、
    方や未熟さが迂闊さに繋がって危なっかしかったり、
    方やヤマアラシの様な臆病さに心配になったり。
    彼らの曇りが晴れてもっと温かさを得られる様に願って、謎多き目的地への旅を見守りたい。

    ところで巻末にあった電動マニ車は、動かしたら誰の功徳になるんだろう?
    発電所の人?

    追記:マニ車は自己の功徳のみでなく、衆生すべてへの祈りも込められているらしい とか。
    知識として部分的に知っている大乗仏教の概念が
    実際に社会に広く自然に根付いているのは、今更ながら面白い。

  • ちょっとBL臭がするが、絵もきれいだし謎があって面白い。

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著者プロフィール

漫画家、絵地図作家。チベットの少年僧の漫画『月と金のシャングリラ』(イースト・プレス 2020)が第24回文化庁メディア芸術祭マンガ部門審査委員会推薦作品に選出。司馬遼太郎のデビュー作を漫画化した『ペルシャの幻術師』(文藝春秋 2022)が評判を呼ぶ。雑誌等の挿画、挿絵などでも活躍中。

「2023年 『チベット女性詩集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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