ガール・イン・ザ・ダーク 少女のためのゴシック文学館

著者 :
制作 : 高原 英理 
  • 講談社
3.58
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本棚登録 : 265
感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065122662

感想・レビュー・書評

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  • この編者のゴシック観と私のそれはズレているようで、いつもどうもしっくりこない。これも、あまりしっくりこなかったかなあ。まえがきも、なんか言い訳多くてうるさいわーと感じてしまう。

    『おばちゃんたちのいるところ』で既読の松田青子『ひなちゃん』がやはり破格のデキ。
    松野志保、藤野可織もよかった。

    私にとっての少女ゴシックとは、つまるところ『白い家の少女』なんです。。。

  • 2018/9/31(日曜日)

  • 少女のためのゴシック文学館、という私の性癖どストライクなアンソロジー。
    集められた作品は国内外の短編、掌編、詩歌と幅広く、また作家陣も古典から現代までビュッフェのように自由で豪華に選ばれているのが嬉しい。

    魔法少女 / 江戸川乱歩
    夜の姉妹団 / スティーヴン・ミルハウザー
    枯れ野原 / 深沢レナ
    美少女コンテスト / 小川洋子
    ひなちゃん / 松田青子
    ファイナルガール / 藤野可織
    この6編が好きでした。

    特に「夜の姉妹団」では、少女という観念的な存在について可愛く不気味に描かれていて良かった。静寂と沈黙の秘儀を奉ずる思春期の少女たちの集まり、夜の姉妹団。魅惑的な秘密結社。パーティーのドレス、アイスキャンデー、青い夏の空気のなかで揺れるシャボン玉のゆらめき。
    定義を逃れることを欲し、神秘的で不可解なままでありたいと願う彼女たちの姿は、無理やり暴いて穢すことなんて決して許されないとても神聖なオーラをまとっていた。少女であることのすべてが詰まっていたように思う。

    藤野可織さんの短編もバイオレンスでありながらキュートで癖になりそう。もっとたくさん読んでみたい。

  • 少女に纏わるアンソロジー24編。
    そこはかとなく慣れ親しんだ感覚が漂う。
    「少女」と「女の子」の違いにある種の残酷さにふと、薄笑いを浮かべてしまう。

  • ふと、これが少年だったら、ここまで死の匂いがしたかなと思いました。

    少女には常に死がつきまとう。

    少女は人間とは違う別の生き物、とはよく言ったもので、どの作家も、少女に対しては酷く嗜虐的になるのが興味深かったです。

    愛でるというより、じわじわ殺す。殺される。それでも凛と無惨に血まみれに笑っている。
    少女とは、人類の無意識下の犠牲者、供物の象徴なのかもしれません。

  • 『少女』をテーマにしたゴシック文学のアンソロジー。
    ついこの間買ったちくま文庫の『月の文学館』『星の文学館』もそうだったが、最近のアンソロジーは短編だけでなく詩や短歌なども収録されているようで吃驚する。西条八十が入ってるとは思わなかった……。

  • 全然知らない作家さんが結構居る。。。

    講談社のPR(版元ドットコム)
    作家・評論家としてゴシック文学を専門とする著者が、古今東西の文学作品の中から、小説、詩、日記などジャンルを超えて「ゴシックと少女」をモチーフに編む傑作アンソロジー。可憐にして野蛮、耽美で残酷。少女の自由で不穏な欲望が鈍麻した社会を鮮やかに切り裂く、美しくも危険な文学世界へようこそ。
    目次
    「獣」モーリーン・F・マクヒュー/岸本佐知子訳
    「トゲのある花束」立原えりか
    「サイゴノ空」川口晴美
    「想ひ出すなよ」皆川博子
    「ふしぎなマリー」保富康午
    「魔法人形(抄)」江戸川乱歩
    「緑の焔」左川ちか
    「不死」川端康成
    「青ネクタイ」夢野久作
    「うたう百物語(抄)」佐藤弓生
    「夜の姉妹団」スティーヴン・ミルハウザー/柴田元幸訳
    「枯れ野原」深沢レナ
    「美少女コンテスト」小川洋子
    「モイラの裔(抄)」松野志保
    「ひなちゃん」松田青子
    「夢やうつつ」最果タヒ
    「ガール・イン・ザ・ダーク」高原英理
    「嵐が丘」シルヴィア・プラス/高田宣子・小久江晴子訳
    「八本脚の蝶(抄)」抄二階堂奥歯
    「血錆」田辺青蛙
    「トミノの地獄」西條八十
    「満ちる部屋」谷崎由依
    「水妖詞館(抄)」中村苑子
    「ファイナルガール」藤野可織
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784065122662

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著者プロフィール

高原英理(たかはら・えいり):1959年生。小説家・文芸評論家。立教大学文学部卒業、東京工業大学大学院社会理工学研究科博士後期課程修了。博士(学術)。85年、第1回幻想文学新人賞を受賞。96年、第39回群像新人文学賞評論部門優秀作を受賞。編纂書に『リテラリーゴシック・イン・ジャパン 文学的ゴシック作品選』『ファイン/ キュート 素敵かわいい作品選』、著書に『 ゴシックスピリット』『少女領域』『高原英理恐怖譚集成』『エイリア綺譚集』『観念結晶大系』『日々のきのこ』ほか多数。

「2022年 『ゴシックハート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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