保健室経由、かねやま本館。

著者 :
  • 講談社
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感想 : 59
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065196939

感想・レビュー・書評

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  • 表紙の絵につられて、読んでみた本です。

    “子ども(ここでは、中学生)には、「休息」が必要”がテーマのお話でした。地方から都会に来た時って本当にこうなんじゃないかと思うほど、気持ちが惹き付けられました。かねやま本館は、本当に不思議な所。内容も中学生を通った誰もが知っていそうな感じで、自分にもそう思ったことがあるなとか振り返る事も出来ました。
    出会いがあって、別れがある。約束を守っていれば、また訪れることが出来る。その信じる心が、好きだなと感じます。アリとサーマの関係も好きだし、兄妹の変化の仕方も良かったです。ファンタジーだけど、ちゃんと現代にも通じるメッセージだから…泣きそうになりました。
    現代の子達は、周りが早く過ぎていく感覚が強いから…疲れた時にたっぷり休息を取るというのを忘れちゃうのかもしれません。それは、同じ時間を生きている大人も一緒。疲れたら、休む!美味しいものを食べる!それで元気が出たら、頑張る。その繰り返しが人生になっていくんだと思います。最後のシーンが、私は次の物語がどう紡がれるのか…気になります!

    中学生が主人公の本でしたが、小学校高学年でも読めそうな感じです。似たような状況で苦しんでいる子がもし居たら、この本をすすめてみたいかなと思います。

  • 心まであたたかくなったᐠ( ᐢ ᵕ ᐢ )ᐟ
    病院帰りに、温泉行ってみようかなぁ。
    病院帰りだと、心と身体ともにリセットした感じがして好き。すぐには帰りたくないし、診察で話したことをゆっくり反芻して、自分の中にとりこむ時間がほしいから。

    【効能 】
    からし色の湯....傷心
    若竹色の湯....受容
    霞色の湯....孤独
    鳥の子色の湯....嫉妬
    鮭色の湯....弱気

    今度から、温泉にはいる時はこの色を意識して入ってみたら楽しそう〜
    こんなふうに、忘れがちな豊かな心をたまに思い出していたい。

    『 いましたよ、私たちは最初からずっと。でもね、見えないんです。霞色のお湯に呼ばれているときは。それまでは、お互いの姿を見ることはけっしてできません。それほど強いものなんです。孤独感というものは。』

  • とってもいいお話だった。心に悩みを抱える
    主人公と不登校の兄の、心に染みる物語。


    主人公のサーマ(佐藤まえみ)は新潟生まれ。でも、東京に転校することになる。人気者だったサーマは、「東京でも上手くいく」と言われていたし、自分でもそう思っていた。ところが、舞希率いる
    仲良しグループに
    「サーマってなんというかちょっとしんどい」
    と言われてしまい…
    保健室に行こうとしたサーマ。
    すると不気味な白衣のオバさん、銀山先生に、
    「ちょっとちょっと、あんたはこっち」と手招き
    され、「第二保健室」に行くことに。
    そこは中学生専門の湯治場、
    かねやま本館だった…!

    そこで出会うアリという少女と仲良くなっていく
    サーマ。また、クラスの人気者になった舞希。
    不登校の兄、慈恵の胸の中。

    だんだん明らかになっていくかねやま本館の秘密。
    温泉のさまざまな効能。
    忘れてしまうあだ名。
    破ってはいけない2つの規則。
    定められた有効期限。

    キヨって一体何者なの?
    舞希の思っていたこととは?

    読者をワクワクさせる展開がてんこもりの
    少し不思議なお話。
    心に悩みを抱えている人はぜひ読んでみたら?

  • 中学校の第二図書館から通ずる湯治場「かねやま本館」で心を休める物語。

    子ども向けの本ではあるが読んでいてホッとする気持ちになり、温泉に行きたくなった。
    人間関係でモヤモヤする思春期の気持ちを落ち着かせてくれるお湯、仲間との出会いを描いている。

  • かねやま本館というのは、保健室から行ける温泉で、いろいろな子のつらいことをなくしてくれる。
    ぼくは、今は元気でピンピンしていて、いやなこともないから、かねやま本館には行けそうにない。たまに自業自得でむくれているときは、自分のことを考えるお湯に呼ばれそう。
    温泉が気持ちよさそうで、大根のにものがおいしそうだった。(小5)

  • これは本当に面白い。まだ幼い中学生が自分では気づけないこと、心の悩みとの向き合い方を教えてくれる場所。辛い時に求めていることがこの空間にぎゅっと詰め込まれているなと。
    かねやま本館が本当にあったらと思われせてくれました。
    出会えてよかったです☺️

  • 新潟から東京に引っ越してきたサーマは、なぜか東京ではうまくいかない。
    そんなときに出会ったのが、第二保健室から続く中学生専門の湯治場「かねやま本館」でした。

    ファンタジーの要素と現実とのバランスがとても良い。中学生ならではの等身大の悩みが描かれていて、「休んでもいいんだよ。」というメッセージに、心があたたまる作品。

    オチが個人的に100点満点で、思わずうるっときてしまった。ぜひ、最後まで読んでください。
    続編も読む!

  • 書架に並んでいるのを見ていて気になっていた。
    やっと読んでみた。
    悩みを抱える中学生の癒し処、『かねやま本館』、温泉に入って、癒やされたり、自分の心の中を見つめ直したりして元の世界に戻っていく。
    面白い発想の、今風のファンタジーというところかな。
    ただただ疲れた心を癒してくれるだけでなく、自分の内側もしっかり見つめ直すように持っていくところも面白い。
    ここに来る子は中学生だけど、小学校高学年でも十分読めそうだ。

    最後に『かねやま分館』が出てきた。
    今後の展開が楽しみ。

  • 再読。こども(中学生)には休息が必要。それだ、と思わされるテーマでした。なかなか言ってはもらえないその一言が救いになるだろうなと、今の中学生を見ていても、自身の中学時代を振り返っても当てはまるなと思います。

  • 読みたかった本でした。
    1巻しか読んでいないけど、心がほぐれる、主人公と一緒に自分も元気になれるようなお話でした☆*°

    とてつもなく、温泉に行きたくなってしまった( ¯﹀¯ )笑
    そして出てくる賄いもとても美味しそうなのでした。続きも楽しみです。

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著者プロフィール

1985年生まれ。東京都出身。多摩美術大学美術学部絵画学科卒業。『保健室経由、かねやま本館。』で第60回講談社児童文学新人賞を受賞し、デビュー。同シリーズ1~3巻で第50回児童文芸新人賞を受賞。アンソロジー短編集『1話10分 謎解きホームルーム』(新星出版社)4、5巻にも作品が収録されている。そのほかの作品に、『おはなしサイエンス 宇宙の未来 パパが宇宙へ行くなんて!』(講談社)がある。

「2023年 『保健室経由、かねやま本館。6』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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