セントエルモの光 久閑野高校天文部の、春と夏

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065314388

作品紹介・あらすじ

高1の安斎えるもは、この春、3年ぶりに東京から地元(ド田舎)に戻ってきた。いろいろあって、ボロボロになっていたえるもだが、久しぶりに見上げた地元の星空に感動し、天文部に入ることを決める。
しかし、天文部には変人の先輩が一人しかいないという状態だった……。
えるもは、部の存続のため奔走する中で、元来の利発さや情熱を発揮するようになっていく。

中学から

感想・レビュー・書評

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  • 事情があり、久閑野→東京→久閑野と引っ越しをした主人公えるも。
    SNSでの友達との付き合い方、「映え」を意識した暮らし。
    今の高校生はなかなか大変だなと思う。
    昔以上に一人でいることに不安を感じるかもしれない。
    ふとしたことで入った天文部で、嵐士との出会いや天体観測を通じて、新たな気付きを得たえるも。
    高校生のまだまだ未熟な面もうまく描かれていて、爽やかな成長物語だった。

  • 2作目から読んでしまったため、遡ってこちらも読んでみた。
    1作目では2作目と比べると天文が…というより人間関係重視という印象を受けた。
    人間関係を表現するときに星に例えるのが素敵。

  • 2023 久閑野高校天文部の春と夏

    安斎えるも=えりぃ@前髪切りすぎ
    は、3年間の東京生活の後、クガコー(久閑野高校)に戻ってきた。
    従妹(母の姉の娘)である宝生古雪は、日本人形みたいなまっすぐの長髪に丸眼鏡、透き通る広い肌の同級生で、親友

    小日向晴彦も同級生、サッカー少年

    三人はおさななじみ

    えるもの母はシングルマザーで、ライター
    3年前の東京行は、母の都合
    えるもは東京で馴染もうと、SNS投稿でがんばりすぎ~ある日「うそつき」というDMをもらう
    そのことで周りの友達とうまくいかなくなり~

    古雪は、宝生病院の一人娘。
    敷かれた線路からはずれることはできないと、自由なえるもと母をうらやましく感じつつ、世話をやく

    高校で部活を決めかねているえるもが偶然屋上で遭遇したのが天文部。
    たった一人の部員は橋本嵐士、父がイラン系アメリカ人、母が日本人。日本で育っているので、日本語だけだが、その容姿で苦労してきた
    そんな嵐士先輩はひとりで星を見ている
    「だから星たちは、俺たちの喜びや悲しみなんか、知ったことじゃない。今日も明日も、どんな辛いことがあった日だって、いつもと同じように、けろりと輝いている」P139

  • SNS依存症のえるも、自分を偽り人の目を気にしながらスマホを手に。悪意ある書き込みから体調を崩し3年ぶりに東京から幼なじみがいる田舎へ。そこで行きがかり上、天文部に入部。廃部寸前の天文部と無愛想な嵐人先輩の板挟みながらも仲間を増やし天文部の廃部阻止に動こうとする。嵐士先輩の過去や、体調不良に追い込まれるきっかけとなった書き込みの真相に驚愕。辻村深月さんの「この夏の星を見る」の中のとある高校の一つの物語と思わさせられる内容。このままスターキャッチCに参加しても良いのではと思わさせられる内容でした。

  • 良い感じにライトで読みやすい。辻村深月には敵わない。

  • 悪くはないのだが、先に辻村深月の「この夏の星を見る」を読んでいたので物足りない感じ。

    こちらは児童書であちらは一般書、仕方ないとは思うが、良いお話だったので一つひとつのエピソードを深く読みたかったとも思う。

    秋と冬もあるのかなぁ。

  • どんなにSNSで繋がっていても人間は1人だ。大事なものはスマホの中の薄っぺらい人間関係ではない。でも孤独に慣れる必要はない。関係が出来た以上、誰かに良くも悪くも影響を与えているのだから。嵐士先輩と星を通して人間として成長したえるも。爽やかな読後感でした。

  • 3年ぶりに東京から地元、久閑野に戻ってきた高校一年生の「私」は、ふとしたきっかけで部員ただ一人の天文学部に入ることに。その部員は、嵐士先輩という変わり者で、星以外には興味がないみたい。
    幼馴染の古雪と晴彦も巻き込んで、私の久閑高生活が始まった。


    いち高校生の青春を描いたお話。現代のお話を書く上でSNSは欠かせない中、こういうことも実際、身近に起こることかもしれないなと思いながら読みました。
    だんだんと天文に興味を持っていく主人公の勉強熱心さは、そこまで掘り下げられていませんでしたが、一生懸命で見えていないところで努力しているんだなと、その素直さに好感を持てました。



  • いまの時代のこどもは生きるのが大変だな。主人公や先輩の成長が少しうかがえたところで、秋と冬へ物語は続くのでしょうか。

  • ライトノベルのような感じで気軽に読める作品。
    SNS中毒やいじめの問題をとりあげてる。主人公のえるもは、天文部の活動を通してSNSをはなれて1人になる練習をすることで、SNSと付き合う距離を学んでいく。また、部員からいじめを受け、たった1人の天文部員になっていた嵐士先輩も、えるもの影響で、ひとりでだけではなく、みんなで星を見る楽しみを覚える。それぞれの成長を感じられる作品。
    星座の知識や、望遠鏡の扱い方なども紹介している。
    ただし、全体的に無神経で軽薄な印象を受ける。
    良かれと思って人を傷つける言動や、相手の気持ちを蔑ろにした言動が目立つ。しかも結果がよければそれで良い、傷つけたなら謝れば良いと思っている節がチラホラ見えて、読んでいてあまり気持ちよくはない。

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著者プロフィール

岡山県生まれ。京都大学総合人間学部卒業、京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了。第13回角川ビーンズ小説大賞にて審査員特別賞、第9回集英社みらい文庫大賞にて大賞受賞。おもな作品に、『おにのまつり』(講談社)、『ノベルダムと本の虫』(角川書店)、「花仙国伝」シリーズ(角川ビーンズ文庫)、「悪魔のパズル」シリーズ(集英社みらい文庫)、「毒舌執事とシンデレラ」シリーズ(講談社青い鳥文庫)などがある。

「2023年 『セントエルモの光 久閑野高校天文部の、春と夏』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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