きょうの日はさようなら (集英社オレンジ文庫)

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  • 集英社
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感想 : 70
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086800587

感想・レビュー・書評

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  • ちょっと前の朝日の書評で見て。1995年の女子高生と2025年の女子高生の比較がひとつのテーマになっている。SFで『夏への扉』をちょっと感じさせる一夏の物語。ちょうど、中学のクラス会があったところなので、40年前は中学生だった人たちと会ったところ。昔は携帯もなければネットもない時代の人たちがLINEを使っているところを目の当たりに見て、昔の高校生が急に現代に着たらやっぱりこの小説のようになるのかと。世代論、社会論を問いながら、SFにうまく仕立てていると思う。夏休みの読書用にもいいかな。

  • 先月(2016年7月)の朝日新聞の人生相談欄で三浦しをんがお勧めしていたSFラノベ。1995年の世相や流行の描写がアルアルで面白い。

  • 内容(「BOOK」データベースより)

    2025年7月。高校生の明日子と双子の弟・日々人は、いとこがいること、彼女と一緒に暮らすことを父から唐突に知らされる。ただでさえつまらない夏休み、面倒ごとが増えて二人ともうんざりだ。いとこの存在に、なんの楽しみも期待もない。退屈な日常はひたすら続いていく。けれど、彼女―今日子は、長い眠りから目覚めたばかりの、三十年前の女子高生だった…。

    過去と未来を同時に味わうお話。
    丁寧な描写が一穂氏だなぁって思った。

  • 913.6

  • 淡々と、でも読ませるなあと思った。

    今日子が何故コールドスリープしているかが話の中心になっている。
    でも、彼女自身の「生」ってなんなんだろうとか、明日子の父の思いってなんなんだろうとか、そうして日々人のこの先とか。切なくなるような、見えない展開も、それなりに良かった。

    誰一人として、事態には抗えなくて、その中にあるほんの少しの自由に笑っている。
    誰一人として、悪いわけではなくて、ただたった一つの生を、持て余している。

    救われたのは今日子の最後の一言。

    彼女らしい置き土産が、重たいストーリーに似合わない軽妙さがあって、ホッとした。

    世界は目まぐるしく変化する。
    けれど、今日子が生きる余地をほんの少しは残しておけたらいいな。そんな優しい世界を望む。

  • 今日と明日、日々は
    水のように流れる。
    過去と現在、そして未来。
    つながっているのに結ばれていない。
    戻れないのに、上の情景は
    眼と心に焼き付いて離れない。

  • コールドスリープによるタイムトリップものですが、時代を1995年と2025年に設定していて、まだ記憶がある過去と、今よりも少し未来という、情景が想像できる設定はよかったと思う。
    もっとチープな感じを予想していましたが、予想に反してなかなか読ませる話でした。最後の短編は少し蛇足な感じがしました。

  • 一種のタイムスリップ青春小説。
    著者のことはまったく知らなかったのだが、主にBLで活躍中とのこと。
    文章はこなれていて読みやすい。登場人物も生き生きとしている。設定にはやや無茶な部分を感じたが、反面、読者が実感出来るリアリティがあったのでマイナス点ではないと思う。出来ればもうちょっと凝ったストーリーのものも読んでみたいので、ライト文芸というのか、一般書寄りジャンルでの次作を期待している。

  • もっと未来の設定ならその医療も違和感ないのに、と思いながらも、でも今から20年前と10年後だからこそ、そうだったなあ、そうなってそうだなあと共感出来たりする。
    テンポが良くてちょいちょい笑えて、ちょっとしんみりした。

  • 「あしたが来なくて、いきなりあしたのあしたのあしたの……で三十年後だったらどうしよう。」

    一穂ミチさんのBがLしていないやつ。
    がーって涙が出るわけじゃないんだけど、目頭がじんわり熱くなった。
    文章が綺麗でみんなに読んで貰いたい!、一穂さんを薦めたい!
    けどBLだし……といつも躊躇してたからこの本を薦めることにするよ。
    いまが、物語の前と後の間らへんだから、どっちの時代の話をしても
    あ~~わかるわ~~~ってなる。
    「でも、もう一度あの時に戻れても俺は同じことを言ってしまうだろう」
    っていうお父さんの気持ちがぐっとくるし、
    某小保方さんが手記でこんな感じで書いてるって某宮根屋で言ってた(笑)

    関係ないけどわたしの座右の銘もこんなやつ。
    「もう一度あの日に戻るとしても同じ道選ぶだろう」って歌詞(いらん情報)。

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著者プロフィール

2007年作家デビュー。以後主にBL作品を執筆。「イエスかノーか半分か」シリーズは20年にアニメ映画化もされている。21年、一般文芸初の単行本『スモールワールズ』が直木賞候補、山田風太郎賞候補に。同書収録の短編「ピクニック」は日本推理作家協会賞短編部門候補になる。著書に『パラソルでパラシュート』『砂嵐に星屑』『光のとこにいてね』など。

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