テンプル騎士団 (集英社新書)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087210408

感想・レビュー・書評

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  •  名前は聞いたことがあるけど、その実態はあまりよく知らないテンプル騎士団について解説した本。決して堅苦しい解説書ではなくて、感覚的にわかりやすく解説してくれていた。その歴史もだし、その当時どんな意味を持っていて、どのあたりがすごかったのかが、わかりやすかった。

  • 現状に安住せず、一歩先を考えた行動を!

    所蔵情報
    https://keiai-media.opac.jp/opac/Holding_list/search?rgtn=B18026

  • 東方の聖地回復を目指して作られたテンプル騎士団が領地運営や金融の力をつけ、やがて絶対王政の前に潰される過程を描いている。

  • なんだかすごい団体。

  • 名前は知っていたが、実はよく知らないテンプル騎士団に詳しくなった。単なる「騎士団」ではないんだな。読むと「なるほど」と唸る。

  • とにかく読み易い。
    現代でいうところの、
    「国家の枠を超えた、巨大企業の物語」
    なんだなーと、読んでいて感じました。
    amazonやgoogle、Appleの様な。
    国という枠組みから外れた活動集団の最初??

    テンプル騎士団という、「世にも奇妙な」宗教・軍事という真逆の真理が、上手に一本化されて大きくなっていく物語。
    ふと気づくと、唯一無二の存在感と権益と利便性を得ていく。

    最後に、「信用」、を武器に地歩を確固たるものに。

    当の騎士団だけじゃなく、各地の国王や君主、教皇などのキリスト教、その他英雄になりたい騎士や商売人など、有象無象が重なり合う。

    膨大に巨大化した結果、その唯一無二の権益に胡坐をかいた結果、謀略によって解体される。
    その結果、泡のように巨大な権益が解体されて雲散霧消してしまう。

    その最後が、すごく切なかった。

    とても感心したのが、解体された後の残党の一部(ポルトガル)が新たに作った「キリスト騎士団」。
    この騎士団の騎士として、バスコ・ダ・ガマがいたり、コロンブスの義父が騎士団総長だったり。
    解体されても、国家の枠を超えてさらに世界へ出ていき新たなリスク活動をするという理念は、何故かしっかり残ってる。

    歴史って、やっぱり繋がっているんですね。笑



    p.s.(テンプル騎士団の真髄の名文章??)

    なんと便利な輩がいてくれたことか。時代の要請といおうか、十字軍という不便きわまりない営みの必要から、テンプル騎士団は金を預かり、また運び、あるいは払い戻し、さらに送金、貸し金、両替と行うようになっていった。ふと気づけば、まるで銀行だ。

  • 第1部 テンプル騎士団事件―前編
    第2部 テンプル騎士団とは何か(テンプル騎士団は始まる;テンプル騎士団は戦う;テンプル騎士団は持つ;テンプル騎士団は貸す;テンプル騎士団は嫌われる)
    第3部 テンプル騎士団事件―後編

    著者:佐藤賢一(1968-、鶴岡市、小説家)

  • 十字軍時代に誕生した多くの騎士修道会の一つ、空前絶後の影響力を持つ騎士団がありました。
    それがテンプル騎士団で、国王や教皇だけでなく聖ヨハネ騎士団やチュートン騎士団をも凌駕するものでした。
    修道会であり、軍隊であり、農地であり、銀行であり、世界最大の地主だったのです。
    彼らは一体何なのか、歴史小説家の筆致によって綴られます。

  • 修道士であり戦士であった組織の栄枯盛衰の物語。
    ヨーロッパを舞台にした歴史小説を得意とした著者だけに、分かりやすい。

    ヨーロッパからエルサレムへ向かう巡礼者達の旅行ガイドから、ヨーロッパの王族と対等した組織の栄枯盛衰を描く。

    軍事、金融、物流、食料面から十字軍を支える、まさに、騎士団の全盛期は、グローバル企業以上の存在感。
    文脈の中に、崩壊したイスラム国と重なってしまう。

  •  長く疑問であったのが、何故テンプル騎士団はフィリップ4世に潰されたのか?わざわざフランスという大国が潰す必要があるものなのか?だった。
     その疑問もこの本で納得した。理由は、テンプル騎士団=中世の銀行という構図。中世において金貸しと言えば、シェイクスピアでお馴染みのユダヤ人。金貸し・金融業はキリスト教では禁じられ、キリスト教徒は大っぴらに関わっていないと思い込んでいた。まさか、騎士団が金融業もしているとは思いもよらず。しかもこの金融業は一種の常備軍・軍事力も備えていたとなれば、フィリップ4世ならずとも潰したくなるのも理解できる。

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著者プロフィール

佐藤賢一
1968年山形県鶴岡市生まれ。93年「ジャガーになった男」で第6回小説すばる新人賞を受賞。98年東北大学大学院文学研究科を満期単位取得し、作家業に専念。99年『王妃の離婚』(集英社)で第121回直木賞を、14年『小説フランス革命』(集英社/全12巻)で第68回毎日出版文化賞特別賞を、2020年『ナポレオン』(集英社/全3巻)で第24回司馬遼太郎賞を受賞。他の著書に『カエサルを撃て』『剣闘士スパルタクス』『ハンニバル戦争』のローマ三部作、モハメド・アリの生涯を描いた『ファイト』(以上、中央公論新社)、『傭兵ピエール』『カルチェ・ラタン』(集英社)、『二人のガスコン』『ジャンヌ・ダルクまたはロメ』『黒王妃』(講談社)、『黒い悪魔』『褐色の文豪』『象牙色の賢者』『ラ・ミッション』(文藝春秋)、『カポネ』『ペリー』(角川書店)、『女信長』(新潮社)、『かの名はポンパドール』(世界文化社)などがある。

「2023年 『チャンバラ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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