三月の招待状

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087712452

作品紹介・あらすじ

新たな門出を祝う34歳の離婚式。何を終わらせ、何を変えるのか-。男女5人の友情と恋愛を描いた長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • 大学時代の同級生たち。
    今は30代半ば。

    独立してライターをしている充留。
    離婚パーティーをした
    正道と裕美子。
    自立できていない社会性のない宇田男。
    カタブツの麻美。

    ドラマにしたい!
    みんなの個性が輝いていて、
    愛おしい。

    宇田男はオダギリジョー、
    充留はジェーンスー、のイメージ!
    年齢があってないけど。

    30代半ばって、
    自分たちが社会の中心にいるような
    感覚だった。
    20代の頃は若かったな、
    青かったな、
    しかも、40代以上のジジババとは
    違うぞ!みたいな。

    学生時代ににできなかった
    ことを、やってみたりして、
    あがく気持ちもわかる。

    結婚について
    悟る段階までいかなくて、
    理想と現実の差に悩んだり。

    今、振り返ると、
    まだまだ若いんだけど、
    その自覚はなかったような。

    角田さん、見事に描き切ってる!
    ちゃんと俯瞰して見れてる!
    さすがだなー。

  • 人生の形がある程度固まってきて、安定感や退屈さや懐かしさを感じるアラサーの時期の空気感がものすごく伝わってきました。
    冒険したくなりつつも現実を見ないといけない感覚や、周りの同世代と比べて羨ましかったり妬ましかったりする感覚は、今でも少し分かる部分があるので、これから30代に向かう年代として、人生設計どうしたらいいかなと考えてしまいました。
    主人公たちは友人グループの存在によって、良くも悪くも刺激しあって、難しい時期を生き抜いていたように感じたので、とりあえず友人は大事にしないとなと思いました。

    • viviさん
      ふぅさん
      コメント失礼します。
      前に文庫本で読みましたよ。
      分かります。
      学生時代からそれぞれ変わっていくし、女性同士って色々な感情はありま...
      ふぅさん
      コメント失礼します。
      前に文庫本で読みましたよ。
      分かります。
      学生時代からそれぞれ変わっていくし、女性同士って色々な感情はありますよねー
      2023/01/18
    • ふぅさん
      viviさん、コメントありがとうございます、
      ほんとそうですよね。
      エンタメ性もありつつ、すごく考えさせられる本でした。
      viviさん、コメントありがとうございます、
      ほんとそうですよね。
      エンタメ性もありつつ、すごく考えさせられる本でした。
      2023/01/19
  • 暇を引き受ける決断、わかる気がする。
    行列のラーメン屋に並んだり、そういうのってやってないと暇なんだろうなーと思っている。
    恋愛に関してはいつでもときめいてる状態を維持するのはほぼ不可能。個人的には恋愛に興味がないので、んなことやりたいとすら思わないから、ヒマっていうのすごくよく分かる。
    他人の人生の方がいつだって充実しているように思えても、それってウソだよね。自分は自分の人生しか生きられなくて、ヒマでもヒマじゃなくても、何を選んで生きるかは自由なのだ。人のせいにしたり後悔したり焦ったりするけど、自分がひとつひとつ選んできたものに納得するしかない。
    幸福を感じるかどうかって、自分でコントロールできてるか、ってことだそうですし(心理学)。

    ストーリー
    離婚式をして腐れ縁から離婚した裕美子と正道。年若い重春と同棲しながらもしょぼい気持ちを拭えない充留(みつる/女性)、不妊治療のすえ子なし専業主婦の麻美。大学からのわちゃわちゃした仲間たち。大学時代充留が好きだった宇多男は、離婚式で麻美に手を出す。主婦デビューの麻美は宇多男にのめりこみ家出するが離婚には踏み切れないまま。充留は宇多男と寝てから重春との結婚を決意。しょぼい気持ちのまま。裕美子は独りになって自由を謳歌するも正道との安心感を捨てられないまま。

    うん。
    どこかに、ここじゃないぱっとした人生なんてない。
    目の前のものをひとつひとつ丁寧に広い集めて生きて行くだけ。

  • あの頃の自分たちは今よりずっと馬鹿だったが、自分たちがしょぼくれているなんて思いつきもしなかった。いつだって自分たちの近くで、映写機がまわっているような気がしていた。その映写機のなかでは、他の人々はみなちょい役で、自分たちが主役なのだった。

    の文章にどきっとした。

    私は、充留で、麻美で、遥香だと思う。

  • 人との距離のくだり、印象的だった。
    やっぱこの人、ほんといろんな東京に生きる人の細やかな心情を掬い取って描くのうまい。

  • 34歳から35歳、大学卒業から12年。学生のころは自分たちが主役のような気分でいられた。いまはなんだかしょぼくれている気がする。あのころだってしょぼくれていたのかもしれないけど。
    学生時代から付き合ったり離れたりを繰り返していた二人は離婚するらしく、ふざけた離婚式をおこなった。昨日のことのように思える学生時代は10年以上前だけど、当時実らなかった恋はいまも胸に残っている。当時手に入らなかったものは忘れられない。

    いつまでも若者気分でいられるわけがない。青春をきちんと終わらせるための彼らの行動。

    ---------------------------------------

    自分の人生これでよかったのかな、とは思う。けれど30過ぎてるし、もう自分は若者ではないと痛感するような、身に覚えのある空気感の話だった。
    物語は数人の男女の視点で進んでいく。どの人もその人なりにしょぼくれていて、それがとてもよかった。自分だけがつまんない人生を歩んでいるわけじゃないんだよ、みんなしょぼくれてるんだよ、とでも言ってもらえたような気分。

    十数年前、学生だった自分たちはこんな未来を思い描いてはいなかっただろうけど、なんとか生きているだけで立派なんだぞ、と胸を張りたい。

  • 相変わらずの生々しさ。どの登場人物も自分と似てないのに、それぞれの人物の心情描写はあまりにリアルでぞくっとする。そのぞくっと感と、よくぞこの気持ちを言葉にまとめてくれた感がいつも味わえるからこの人の小説がすき。

  • 裕美子と正道の離婚式の招待状が届た。
    二人は大学時代からつるむグループ内のカップル。
    昔の仲間が集まり、いつもの気のおけない楽しいパーティーが行われる。

    人気のコラムリスト充留、離婚した裕美子と正道、地味で真面目な専業主婦麻美、かつて一世を風靡した元小説家宇田男。
    大学を卒業して12年の34歳。
    学生気分が抜けない様子なのは、子供がいないからかな。
    それぞれの世界で生きてはいるものの、何かを変えたくてあがいている感じ。

    離婚に始まり結婚で終わる。
    宇田男に振り回される女が2人。
    大人の青春小説、悪くないです。

    誰かに共感することはないけれど、裕美子と正道には、元さやを望んでしまいます。
    きっとこの2人は離れてはいけないと思うから。

    今を変え、過去を綺麗な思い出にすることが出来た充留の最後のシーンが好きです。

  • 大学時代の友人たちが 34歳になった今も
    着かず離れずの付き合いを続け
    中には 離婚パーティをするカップル
    不倫、結婚 いろんな人間模様が盛り込まれているんだけど
    共感できる部分がなく あまりおもしろくなかったです。

  • 桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/volume/699967

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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