- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087712735
感想・レビュー・書評
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タイトルと装丁で決めた本。
内容は限りなく難しい、というか現実的ではないので。
七階で事件が続くから、七階を失くしてしまうという話。
時代が過ぎて人が住まない家が廃墟になるのに、
はなから廃墟を建築する話。
夜中に図書館を開館して、野生の本を閲覧する話。
中には何もない蔵を守る話。
この中では、本が好きだから図書館の話が好きかな。
夜中に図書館に行ったら、本が空中を鳥のように飛び回るんですよ。
それって見てみたい!
凄く不思議な本だったわ~詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「七階闘争」「廃墟建築士」「図書館」「蔵守」からなる短編集です。
相変わらず作者の設定力や視点は面白いと思いました。
世にも奇妙な物語が好きな人はかなりのめり込めるはず。
なんだか世の中に警鐘を鳴らしているような、鳴らしていないような。
暇つぶしにちょろっと読むならとてもいいです。
おすすめは七階闘争です。
この設定が一番面白かったです。 -
世にも奇妙な物語ふうで良いんですけど、この方の話はどれも私には文体がちょっとカタいです。
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格好いい表現を使って書くことが好きなのかな。短編集とは思わなかった。一遍のみだが、共感ができない。
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「となり町戦争」も同じ印象だったけど、設定と発想はとても面白いと思う。この本で言えば、特に7階の闘争みたいなのが面白かった。
ただ、その設定と発想を生かしきれないストーリー展開の平凡さが物足りない。その物語なら、この設定でなくてもよいのでは?みたいな連続で、透明感があって素直な文章に非はないけれど、後に残るものが何もない。
軽く読める非日常の異世界としてはそれもアリか。 -
三崎亜記中編集。メタファーとメタファーとメタファーと。よく、これだけの設定が思いつくものです。小川洋子とはまた違ったイリュージョン。
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この作者ならではの特異な視点にはいつもながら感心する。
四作品からなる短編集。
特に最初の一編「七階闘争」は、「となり町戦争」を読んだ時の不思議な戦慄を覚えた。
目に見えない悪意を持った「誰か」との闘い。
短絡的な口実をつけて、常に虐げるターゲットを探しているメディア。そんなものに踊らされる人々に警鐘を鳴らしているようだ。 -
哀しいような、虚しいような、寂しいような、幻想的な世界のお話。
それでいて、確実にこの国の何処かに存在していそうな世界の話し。 -
あんな図書館だったらもっと行きたい。