かたづの!

著者 :
  • 集英社
3.49
  • (38)
  • (101)
  • (124)
  • (28)
  • (2)
本棚登録 : 846
感想 : 129
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087715705

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 江戸時代の実在の女亭主(城主)、清心尼の逸話をもとにしてますが、遠野物語のような幻想的な話も盛り込んでいて楽しい話ですんなりとよめました。

    ただ、時代物としては勧善懲悪ではなくいかに耐え忍んでわずかな時間を引き延ばして・・・みたいなお話なので、池井戸さんのようなスカッと感はないです。

    語り手が東北の秘宝とされる片角なのですが、これもちゃんと羚羊の角であるという事実を踏まえてうまく料理してあります。

    うん。面白かったです。

  • 八戸、三戸に遠野、盛岡、花巻
    南部藩史を南部の秘宝、かたづのが語る。

  • なかなか読むのが進まなかった。この本でこの方の事初めて知りました。

  • 重くなくふうっと読めてしまうけれど、結構しんどい女性一代記。戦国が終わるころ、っていうのはやはり書いてみたいのもなんだろうなあ。

  • 合っていた、この感覚。空気感‼︎

    花巻、遠野はアタシ初めての一人旅の地。
    再訪したいと改めて感じております。

    かたづの!
    そっかぁ片角!
    そして、羚羊(カモシカ)読めないよぉ〜。

    河童、猿…アタシはこの民話の世界も大好きでしたぁ。
    旨く絡みあっていたと‼︎

    河童の女受領のお話しねねこ大好き‼︎

  • 江戸時代唯一の女性大名の物語。
    家に、国に縛られて生きるしかない、当時の女性の哀しさ。
    悲惨なんだけど、
    シカやカッパ、猿が活躍したりして、
    不思議な物語だったわ。
    そして、東北に行きたくなった。
    さてさて、また旅立つかー⁈

  • まぶしい光の中で目覚めた「私」が、過去の自分が出会ったり経験してきたことを語り始める。
    最初の数ページで読者の私もその世界に入り込んでしまう。あの時代には「本当」だったかもしれないエピソードの数々。哀しくて愛おしくて、読み終えるのが勿体無いような一冊。

  • 江戸時代、八戸南部の女大名(ねね)と一本角の羚羊(かもしか)の話。
    女大名に一目惚れし、なんとなく見守ることにした羚羊。
    悲運に見舞われる女大名を死後も角となって見守り、たまに力添えもする。
    東北の伝承や、河童の生い立ちもでてくる。
    ちなみにこの女大名は河童にも一目惚れされている。なんと羨ましきことか。

    所々で、羚羊の気持ちになりすぎてて笑えた。こんなにも羚羊の気持ちを近くに感じたことない。偶蹄目特有の頑固さと臆病さを発揮するあたりが好み。
    昔は面妖なものが当たり前にいたと、無機物にも何かが宿ることがあると、そういう気持ちがあるうちは楽しめる。

    2017.12再読

  • 中島京子のパスティーシュ、今度は遠野物語に及ぶ。
    しかし長編になるとやはり面白かったです。

  • 最初はとっつきにくくてなかなか進まなかったが、東北の言い伝えにどんどん引き込まれていった!

全129件中 51 - 60件を表示

著者プロフィール

1964 年東京都杉並生まれ。小説家、エッセイスト。出版社勤務、フリーライターを経て、2003 年『FUTON』でデビュー。2010 年『小さいおうち』で第143 回直木三十五賞受賞。同作品は山田洋次監督により映画化。『かたづの!』で第3 回河合隼雄物語賞・第4 回歴史時代作家クラブ作品賞・第28 回柴田錬三郎賞を、『長いお別れ』で第10 回中央公論文芸賞・第5 回日本医療小説大賞を、『夢見る帝国図書館』で第30 回紫式部文学賞を受賞。

「2022年 『手塚マンガで学ぶ 憲法・環境・共生 全3巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中島京子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×