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著者 :
  • 集英社
3.59
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本棚登録 : 7841
感想 : 484
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087717662

感想・レビュー・書評

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  • 結構話題になってたが、読んでみると密接に絡まり合った、他視点の短編集という感じ。

    大きく分けて、13年前の時間軸と現在の時間軸。

    ・ペット探偵の相方の嫁視点で描く、13年前に死んだ旦那と相棒の話。(将来の医者が出てくる)
    ・自殺した兄の意思を継いで野球を頑張る少年と、釣りおじさんと、逃げ出したヨウムの話
    ・DV男を殺した女の罪を被った男(若き日の釣りおじさん)の話
    ・引退英語教師(ペット探偵の嫁に出てくる)のダブリンでの乞食少女との話。
    ・医者がダブリンで終末医療(乞食少女の母)をする話。(母は昔にDV男を殺した女と会ってる)
    ・女刑事が殺人事件解決のため、ペット探偵に頼んで犬を探す話(多分ペット探偵の死んだ方と昔あってる)

    ペット探偵周りの話と、ダブリンの話の大きく二軸で、それらも英語教師や被DV女を通じて接点がある感じ。

    短編小説の傑作、という感じだが、密接に絡みすぎているので、覚えてるうちに読み切ることが推奨。

  • 全編で6章から出来ている、読み手からすれば何回も読まない。小生にしても大体一回だけだ。だったら発刊順に読もう。巻末に発刊日が載っている。それに合わせて読み進めた。ただ各章天地がひっくり返るので読みづらい、気をてらい過ぎだ。よって星3つ❗️

  • 折角なのでランダムによんでみました。順番は
    名のない毒液と花
    眠らない刑事と犬
    笑わない少女の死
    消えない硝子の星
    飛べない雄蜂の嘘
    落ちない魔球と鳥
    です。
    いつもながらしみじみと読んでしまうこの作風、久しぶりに読みましたが、やっぱり中毒性高いです。カラス、、シリーズのようなカラッとした感じとは正反対の、濁りや重みがずしんとのしかかってきました。ひととおり読んでも、違う順番で読まないともったいないのでは、と思わずにいられません。いろんな手を使って読者を楽しませてくれ、私はすっかり道尾氏の手のひらの上で転がされてます。

  • 『読む順番で世界が変わる』
    『720通りの物語』
    というキャッチフレーズに惹かれて購入。

    全6章の短編でそれぞれの章が上下逆転して印刷されている遊び心満載な本。

    時系列や登場人物はバラバラなのに、
    どの章から読んでも繋がる作品です。

    読む章の順番で登場人物の印象や読了後の後味はかなり変わると思う。

    まずは順番通り読み、すぐにランダムで読みましたが、続けて読んだせいか世界観は大きく変わらなかったように思います。自分の読解力のなさが原因かもしれませんが・・・。時間をあけてまた別な順番でチャレンジしてみようと思います。

    作品の内容自体はとても素敵なものでした。
    道尾秀介さんらしくなんとも言えないモヤモヤする後味の悪い話もあり、読む順番を抜きにしても楽しめる作品です。

  • 2024.3.26読了
    んん、試みとしてはすごく好きなんだけど、短編集だよなあって。
    他の順番で読みたいとまでは思えなかった。

  • 期待値を高めすぎて、、、、
    思ったより仕掛けが想像を超えてこなかったというのが正直な感想でした。
    面白かったが他の順番で読もうとまでは思わなかった

  • 連作短編としてはよかったし、話の内容も良いと思った。
    ただ、読む順番で物語が変わるかと言われると、登場人物の心情の見方は変わるけれど、思ったより変わらなかったなと。
    ただ期待値を上げ過ぎただけだったので、SNSで大評判になる前に読めば良かったな。

  • 『落ちない魔球と鳥』→『眠らない刑事と犬』→『飛べない雄蜂の嘘』→『名のない毒液と花』→『消えない硝子の星』→『笑わない少女の死』
    我ながらいい選び方をしたと思う。特に最後二つの順番はこれでよかったと心底思った。
    色々な作家の小説を読んできたが、やはり道尾さんの文章はイメージに易くスッと情景が思い浮かぶ。
    一瞬でそのストーリーに身を置けるので好きです。

  • 「読む順番で、世界が変わる。あなた自身がつくる720通りの物語」このフレーズに惹かれ、本当にそうなのかという疑問を持ち自分で確かめるために購入。
読んだ順番は、鳥→犬→少女→侵入者→女性刑事→看護師。読む順番は直感で選んだ。2章まで読んで、関連していないのかな、短編集なのかなと思ったが、3章以降読んでみると、あの時の話の人物が登場したり、そして最後まで読んでみると全ての章は1つの物語だったんだと読み終えてそう実感した。確かに読む順番で世界が変わると思えた本であった。私の読んだ順番からしたら、ハッピーエンドかなと思う。最も印象に残ったフレーズは「何もない人生のほうが-つらくて哀しいことが何ひとつ起きない人生のほうが特別なのだということを」。なぜこの人生が特別なのかと疑問に思った。私は特別な人生とは、良い意味での奇跡が起きることを想像していた。なお「特別」の意味を辞書で調べてみると、良い意味でも悪いでも使えるとのことである。このフレーズについて、私は悪い人生だと捉えた。私が考える良い人生とは、つらくて哀しいこと=挫折経験、身内の死等をイメージした、こういう経験をしてこそ、人は心が豊かになり人に対して優しく接して挙げられ、その結果、人の人生に良い影響を与えている=自分の幸福度が上がることが、良い人生だと思っている。

  • 『読む順番で世界が変わる』
    『720通りの読み方ができる』
    『上下のない製本』
    との触れ込みで期待値を上げすぎた^^;

    壮大なミステリーを想像していたけれど、ちがった〜( ; ; )ちょっと拍子抜け。
    読んでいくうちに、あれとこれがつながっているのかや、別の章の人物の過去や優しさに触れることができる作品だった。

    一気に読んだ方が、章の行き来は少なくて済むかと…
    個人的には
    ①『眠らない刑事』を最後に読むといろいろな伏線回収ができる感じがしました。
    ②『〜〜ない〇〇』と音を合わせた章のタイトルが好き笑

    巻頭から、巻末から、掲載順(巻末にある)など、アズユーライクな読み方ができる作品。

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著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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