N

著者 :
  • 集英社
3.59
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本棚登録 : 7838
感想 : 484
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087717662

感想・レビュー・書評

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  • 作者の意図通りに読者に読ませるのではなく、読者の自由に物語を選び取らせるという斬新な試み。
    普通だと、順を追って解き明かされる謎的なものが、ある作品を読んだか読んでないかで解釈が変わるものもある。
    章ごとに逆さま印刷なのも目から鱗。

  • 『全六章。読む順番で、世界が変わる。』とあって、面白そうだと手に取りました。
    なるほど、今までにない小説で発想はとても面白いと思いました。

    ただ、自分の中で期待し過ぎてしまったかなぁ…。

    読んでいくうちに、色んなところが繋がっていく面白さはありましたが、私にはどこかストンと落ちませんでした。。。それは順番を変えてもあまり私の中では変わらないかなぁ…。。


    ちなみに、今回私が読んだ順番。
    4.蜂→3.少女→2.鳥→1.毒液と花→6.犬→5.硝子の星

    でした。

  • 芸がないが、私は最初から順番に読んでみた。読む順番で印象が変わるとのことだが、それは、またの機会にしておこう。

  • 初回は 犬→花→鳥→星→死→嘘 の順に読了。


    未読の方は、予備知識を’全く’入れずに手に取ることをおすすめします。

    念のためこの感想もネタバレマーク付けときます。バラしてないと思うけど…。




    正直言って読む前は「読み方720通り?仕掛け先行のイロモノ小説かな…どれどれ」くらいの気持ちでいたが〈花〉を読む頃には夢中になっておりました。猛省。

    手前味噌ながら、完全ランダムにしては結構いい感じの順序で読めたような気がする。
    個人的には特に序盤の並びを偶然引き当てたことと〈死〉の前に〈星〉を読めた事が大きい。早期のうちに本書の面白さにわかりやすく気付けたことと、少女の話を順逆に読んでいたら悲しすぎて耐えられなかったかも。

    順序を入れ替えても齟齬なく成り立つというのはやっぱりすごい。

    が、テクニカル面だけを見ていても仕方がない。
    本書が一貫して伝えたかった事というのはなんだったろうか。

    タイトルの『N』は’自然数の集合’という意味があるらしい。私は数学はチンプンカンプンだが自然数とは’有限なもの’であるそうだ。
    また、Nは倒すとZになるし2にも見えるし斜めにすれば雷マークに見えるしそれをひっくり返すとSにもなる。
    これらから、『N』とはすなわち’人生いろいろ’みたいな意味合いではないかと理解。


    是非とも色々な方と’マイベスト『N』トーク’なぞしてみたいなと思いました。

    あと719周…?



    1刷
    2021.12.9

  • 読む順番によって印象が変わるのは、そうだと思う。とはいえ劇的に何かが変わるという訳ではなく、あくまで得られる情報量で見え方が少しずつ変わってくるといった仕様。短編一個ずつの評価としては、よく出来ていて面白かった。

  • 6つの章を自分が気になった順番で読んでいくという、初めての感覚の小説でした。3つめ辺りから、『あれっ?ここは繋がってる??』と遡って読んだりと面白く読み進められました。全体として繋がっている薄明光線が作り上げる花が、この章1つ1つが作り上げる1つの物語にリンクしているようで、とても良かったです。

  • どの話もとある湾岸に住む人たちの話だと思うのですが。登場人物が複雑に絡み合っているので、何回か読み直しました。あの少女が死んでしまったのが、なんとも悲しいです。

  • 全六章、読む順番で物語の印象が変わる。
    『名のない毒液と花』『落ちない魔球と鳥』『笑わない少女の死』『消えない硝子の星』『飛べない雄蜂の嘘』『眠らない刑事と犬』の順に読んだ。話の断片が少しずつ繋がっている、故にどの順番からでも読むことができる物語。特に印象に残ったのは、『落ちない魔球と鳥』と『眠らない刑事と犬』の二作品。どちらも最後の謎解きと伏線回収が美しかった。

  • なんとも挑戦的な構成に戸惑った。6つの章があって好きなところから好きな順で読んでくださいと。こんな本があっただろうか?

    どれから読むかめちゃめちゃ迷った挙句「名のない毒液と花」から読み始め、犬というワードで「眠らない刑事と犬」。そして「飛べない雄蜂の嘘」、「落ちない魔球と鳥」を読んでなるほどと。連作短編になっており全てが繋がっていると。で「笑わない少女の死」と続き「消えない硝子の星」で読了。

    一言でいうと輪廻している物語。その受け止め方はその人次第。720通りの中で、同じ順序で読んだ運命の人がいたら面白いな。

  • 全6章。どんな順番で読んでもいい。
    6×5×4×3×2×1=720通りものパターンが生まれる全く新しい小説。

    それぞれの章で少しずつ繋がる部分があって、他の章では見えなかった側面、事実が少しずつ分かっていく。

    いくつもある事実をどんな順番で知るか。
    知る順番によって、人物に対する印象や心情の捉え方が変わってくると思う。
    過去か未来かもまた然り。

    これは現実世界でもそうで。
    知らないからこそ見える世界もあれば、
    知っているからこそ見える世界もある。
    「知っていれば、こんなことしなかったのに。」
    なんてこともあるかもしれない。

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著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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