スター・レッド (1) (小学館文庫 はA 2)

著者 :
  • 小学館 (1995年4月15日発売)
3.92
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (533ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091910127

感想・レビュー・書評

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  • 昼は女学生、夜は暴走族女リーダーである主人公・レッド星。
    彼女は生まれ故郷の火星に強い憧れを抱くエスパーであった。
    正体不明の美少年・エルグと出会ったことで、彼女の人生が大きく動き出す。

    萩尾望都大先生のSF長編。脇役もちゃんと活躍するのが素敵。
    「主要キャラクターはあれだが、希望は残った…」という感じの終わり方や迫害されるエスパーという設定、溢れんばかりのSFイズムが竹宮惠子『地球へ…』を思わせる。あれも名作。

    しかし、この人の漫画は設定がしっかりしているのにいつも感心させられる。
    一部の登場人物の造型や世界設定が『マージナル』に引き継がれてるように感じた。

  • ーたとえばここで こうしてきみとぼくが対話していることが
               なにかこの宇宙に意味を持ってるだろうか?

    ーまたこの宇宙のどこかにいるのなら…受けとっておくれ 
       すべての柱に 地に ぼくはきざみこむ「きみを 愛している」と
     
     きみを愛している
        ぼくは美しい星に住む 美しい生命でありたかった

  • 雑誌連載時に何度か読んだことがあり、まとめて読んだのはずっと後のことでした。人類が火星に移り住むようになった未来が舞台です。赤い眼と白い髪を隠して地球で暮らす少女、星が主人公。彼女は厳密にいえば地球人ではなく、火星人。一方、火星では、ある場所をめぐって地球人と火星人の争いが行われており、星もそれに巻き込まれて…という展開がスピーディーです。地球人と火星人の対決、というだけの軸ではなく、火星人や地球人の一部のもつ超能力を生かそうとする勢力と抹殺しようとする勢力、地球や火星の動向をよしとしない(であろう)勢力など、物語は壮大になっていきます。星はそうしたいろいろな動きの中の鍵となっていくのですが、結末はちょっと意外。賛否両論あるんではないかなぁと思います。まとまりの面からいくとちょっと「?」かもしれませんが、スペクタクル感は素敵だと思いますのでこの☆の数です。

  • 今年の秋に「萩尾望都SF原画展」があると知り、今から楽しみでならない。告知記事に使われていた絵が「スターレッド」で、これはもう久々に読まなければと引っ張り出してきた。

    もう何と言ったらいいか、すっかり没入してしまう。何回読んでもラストの素晴らしさに胸打たれる。こんなに悲しく切なく、しかも希望のある閉じ方が他にあるだろうか。原画でセイを見られるのが待ち遠しい。

  • 火星を舞台に繰り広げられる大作です。
    主人公の星が凛々しくて素敵です。

    個人的にはこのころの絵が好きです。

  • いまさらではあるが、やはり。
    萩尾望都おそるべし。

  • 萩尾望都の思想が先進的で既存価値観から自由なことにほんとにびっくりする。これが50年近く前に描かれたのか。。。 宇宙空間での永遠の孤独、意識と肉体の乖離や存在の定義、視覚と世界認識などなどSF 設定をとおして哲学が語られていて示唆がある。頭のいい人だったんだろうな。未来を現在に伝えようとするシーンはインターステラーの本棚のよう。ノーランの40年前にこれがあったのか。この漫画でギリシャ語の数字を覚えた。わたしの知識の大半は漫画からきてる

  • 中学くらいの時に読んだ作品。
    視覚にはいろいろある……と知った作品。『視覚』が自分が見えている形だけではないのは衝撃だった。
    超能力も遺伝だから、人類が新たに火星に移住しても同じように能力を得るというのも。設定がハッとさせられるものばかりだった。

  • 1978年s53「週刊少女コミック」連載。第11回ファン投票星雲賞コミック部門受賞。白い髪赤い瞳火星生まれ主人公の壮大な萩尾望都さまスペースオペラ物語。なかなかの難解さでしたが、これが当時の少女マンガに連載させていたことにビックリ。

  • 生涯初めてから二番目に読んだ本。母が自宅に所蔵していた。生涯初めて読んだ本である手塚治虫『アトムキャット』(秋田書店?)に、主人公の飼い猫が大昔主人に殉死させられた猫の怨霊を打ち倒す話があったが、この物語にもそれと同様に「人間のエゴ」が絡んでいる。地球人たちのエゴに対してエゴで応じる火星人たち。双方を血で血を洗う争いから解き放とうとする主人公だったが…。もし時雨沢恵一がこの物語を描いたなら、地球人も火星人も「同じ穴のむじな」つまり自分たちの都合しか頭になく、かつそれに自覚のない集団とするだろう。そしてもし、かの男装の旅人が登場するなら、主人公の少女を「無力な中立」つまり双方にとってのいい面の皮として見るだろう。結局、この作品も、時雨沢氏の作品同様「無自覚のエゴ」を描いているように思える。作者の意図は知らないが。

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著者プロフィール

漫画家。1976年『ポーの一族』『11人いる!』で小学館漫画賞、2006年『バルバラ異界』で日本SF大賞、2012年に少女漫画家として初の紫綬褒章、2017年朝日賞など受賞歴多数。

「2022年 『百億の昼と千億の夜 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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