- Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093865869
感想・レビュー・書評
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レシピアプリ作り、昭和の話とリンクするところ、千葉・房総半島での豪雨災害…2020年のできごとを思い出す、リアルさが読みを進めさせる。女ってのは怖い、でも料理はおもしろい。
2023/8/15詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
時空の飛ばし方はちょっと他とは違うのが面白い。
料理が苦手ながら、へぇーと思うことや、冷や汁好きなのでこうすると良いのかぁという学びも。
全体の話の内容は平坦でありながら、最後は良かったところもありながら、個人的にどちらかというと複雑な気持ちが残った。
古本食堂の方が好き。 -
出てくる料理が美味しそうで、夜中に読むとお腹が空く。丁寧に料理をする人に憧れるので、主人公のレシピで料理を作ってみたい。どんな味なんだろう...って想像しながら読むのが楽しい。
心温まる最後で良かったけれど、少しものたりなさもあったかな。続編があったら読んでみたい。 -
気楽に読んでいたのに、最後の最後に涙が溢れた。
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美味しい家庭料理のレシピを試行錯誤する、昭和のヒロインしずえと、令和のヒロイン留希子。二人の繋がりが分かってきて、心が温まります。
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女友達と暮らす20代後半の女性がレシピを考える話。物語の合間に美味しい料理とそれに合うお酒の描写がたっぷりとあるので、「ランチ酒」と読後感がかなり近い!冷蔵庫の残り物でささっとおつまみを作る主人公がカッコいい。適宜それに合うお酒に変えながらお酒を嗜む女友達も良い。
物語の軸となるのは、主人公の家業である料理学校との対立と、料理学校の創設にかかわるレシピを昭和初期に考案した女性との関係。昔は肉は全くと言って良いほど食べられていなかったことが分かる。生姜焼きは今は月に1〜2度作るほど家庭料理の定番だが、肉を美味しく調理する方法を試行錯誤している昔の様子は、今との違いが際立っており面白かった。
原田ひ香のごはん&お酒の描写は読んでいて楽しくなるので、もっと読みたい。 -
登場人物たちがよく作り、よく食べる。そんな様子が気持ちのよい小説でした。
びっくりするようなどんでん返しなどはありませんが、ラストも爽やかに終わって読後感もよかったです。
最初しずえの昭和時代のパートと、留希子の令和パートとまったく接点がなくてしずえパートが違和感だったのですが、すこしづつ留希子パートで回収していきます。
超想定外の展開というのもなく、リラックスして最後まで読むことができました。
物語に出てくる留希子が作るレシピや、レストランやカフェで留希子が発揮する食いしん坊ぶりも楽しかったです。そのうち映画化しそうな作品でした。 -
料理とやはりお酒とつまみが出てくるのが、原田ひ香先生。色々な時代を先人の知恵と努力で品川料理学院は繋いできた。留希子には、学校をついでもらって、歴史を繋いでもらえたら素敵だと思った。もちろん理事長と、うまくいくといいです。結局、おばあちゃんやお母さんの思惑通りになっちゃいますけど
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有名な料理学校経営者の家に跡取りとして育てられながら祖母と母に反発して家を出て、それでいながら料理の才能と情熱を持ち、料理研究家として邁進していく女性。日陰の身で料理学校の進展に尽くしたその曾祖母。二人の人生が交互に語られる。
最初はちょっと作りものめいた物語性が気になったけど、読み進むうちに主人公たちの、特に曾祖母の方の想いや喜び、苦悩が伝わってきて引き込まれていた。
登場する数々の料理もとても美味しそう。
戦前の日本で女性の置かれた地位は本当にひどいと思うが、時代の慣習や限界に反発もせず自分の役割を受け入れる主人公。でもこの小説はその戦前の状況を肯定しているわけではなく、置かれた環境のなかで精一杯自分らしく生きた女性への讃歌なのだと思う。
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相変わらず料理の描写がうまい。
ホントに美味しそうで読んでいると食欲が刺激される。
作中では簡単なレシピも紹介されるので、料理もしたくなる。
ついでにお酒も欲しい。
過去と現在をつなぐ伝統のレシピに秘められた家族の絆。
ニヤニヤしてしまう展開もあり、楽しい連作短編集だった。