- Amazon.co.jp ・本 (431ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093866149
作品紹介・あらすじ
漫才師が挑む笑いと涙と戦慄の起死回生物語
崖っぷちの中堅漫才コンビ、リンゴサーカスのボケ担当、加瀬凛太は、冬の寒空の下、絶望していた。年末の漫才日本一を決めるKOM(キングオブ漫才の略)敗者復活戦で敗れ、決勝進出の一縷の望みを絶たれてしまったのだ。
おまけに相方は、今年ダメなら実家の生業を継ぐと公言していたため、コンビも解散となった。
なんとかして漫才を続けたかった凛太の前に、先輩KOM王者からある情報が寄せられる。死神の異名を取る謎の構成作家ラリーがコーチに付けば、KOM優勝も可能だ。事実、自分もそうして王者になれた、というものだった。半信半疑でラリーの元を訪れた凛太は、来年決勝に残れなければ芸人を辞めろ、と告げられる。
感想・レビュー・書評
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今年のKOMで決勝に進出できなければ、この世界を辞める。
〈死神〉からの厳しい条件を呑み、奮闘する漫才師たちの物語。
おもしろかった。
キャラクターがはっきりしていて、テンポがよく、たのしい。
たくさんいるコンビも、リアル。
漫才の台詞など、あまり具体的にはえがかれないにもかかわらず、それぞれの芸風、ネタの感じ、ウケるウケないの空気感までが伝わってくる。
たのしいだけでなく、後半にはぐっとくる場面も。
放送作家を目指す若者や、マネージャー。
お笑い芸人だけでなく、笑いを愛し、笑いにかかわるさまざまな人たちがえがかれていて、奥行きのあるストーリー。
意外なつながりもあり、最後までおもしろかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
面白かったー!
最後までわくわくした。
漫才の頂点を目指すアカネゾラと
同じく頂点を目指すキングガン。
そして、放送作家を目指す梓とそれを支える文吾。
この3組の話が交互に描かれる。
お笑いってスポーツなんだなあと感じた。
目の前のお客さんをどれだけ笑いの渦に引き込むか。
どれだけお笑いに人生を注ぎ込むか。
漫才におけるお笑いの原則と同じように
この本も後半にどんと爆発して、最後の最後まで読者を引き込んでいた。
見事に最後まで引き込まれました。
年末のM-1、ぜひ全部見たくなる作品。 -
面白かったです。
M-1がモデルですね。
ただラストが想像出来たのが残念。
あまり捻ると面白くなくなるかも知れないからこれで良いのかな。 -
お笑いをテーマにしてる内容らしく
読みやすかった
登場人物が多く把握するのに戸惑いましたが
だんだん引き込まれていきました
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さまぁ〜ず三村さんが、すべての芸人に読んでほしいと言っていた小説。
お笑いと小説が好きな私としては、絶対に読まないわけにいかない。
こんなに泣くと思わなかった。
しんどいところもあるけど、読んでよかった。
大好きなお笑いがもっと好きになる。 -
フィクションではあるが、M-1グランプリとは、お笑いとは、こんなにも過酷な世界なのか。当たり前だが、才能だけで売れる世界でなく、新人からベテランまで裏では相当の努力があることは間違いない。
印象に残ったのは、M-1予選でも極度の緊張から吐いてしまう人が何人もいるという場面、M-1に敗退が芸人を辞める決断、諦めることの助けになっている、という記述だった。
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ワラグルとは、笑いに狂うこと。
ワラグル達の熱い戦いがたまらない。
最高に面白かったな。 -
一気読み。めっちゃ面白かった。今年読んだ本の中では1、2を争う面白さ。
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そこで繋がるのか。というのが一番印象的。2組の漫才師と放送作家の話。
ディープなお笑い好きでなくとも、M-1好き、M-1のドキュメンタリー的な側面が好きな人だったら、分かるなーっていうシーンが沢山。
何かに狂うっていうことは他の全てを捨てるような覚悟が必要で、だけど、多くの人はその覚悟を持つことの手前で止まってしまうのが真実で。幸せか?と問われると分からないし、そうありたいか?と問われると分からないけれど、何かを追求することに人生を賭ける魅力、惹きつけられるものがあるのは事実だなと感じた。 -
2023.4 久々に本読んでいて涙が出そうになりました。こうしてつながるんだ、と作家さんのストーリー構成力にも感心。
M-1とかあまり興味なかったけれど次は観てみようかな。