逆説の日本史12 近世暁光編(小学館文庫) (小学館文庫 い 1-21)
- 小学館 (2008年6月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094082739
作品紹介・あらすじ
文庫版発刊240万部を突破。いまや押しも押されもせぬ国民的ベストセラーになった“逆説”シリーズ最新刊。題して「天下泰平と家康の謎」、歴史はいよいよ戦国から近世の世となる。天下分け目の関ヶ原の戦いに勝つことによって、家康は事実上天下を制した。しかし、その勝利はそれよりさかのぼること50日余り前に行われた軍議の席で決まっていたのだ。すなわち“会議に勝つこと”で、家康は勝利を手中にしていたのである。俗に“鳴かぬなら鳴くまで待とう”といわれた謀略の天才家康の真骨頂がここにある。
感想・レビュー・書評
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家康のスーパーマンぶりをかたる12巻。
裏の裏、先の先まで読んでいたと断定した論調だったが、家康も人間。そこまでは同調できなかった。
ただし、天海、本多正信などブレーンが得意分野で入れ知恵をしていればあるいはと思う。
次は江戸時代に本格的に突入する。何を題材にするか楽しみである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
司馬遼太郎の「封建社会では恨みは世襲する」というワード。
関ヶ原の後の処罰により、薩摩、長州、土佐が恨みをもち続け、力を蓄え続け、徳川幕府を滅ぼすに至る。でも、家康は薩摩らを潰すまではできなかったわけで。自分ができなかったことをその先の世代に託したのもしれないが、それも忘れ勝者はおごり、260年かけて弱くなっていくのが切ない。
しかし、潜在的な脅威である天皇家の封印は見事。家康は脅威も対策も全部わかっていたのかもしれない。井沢元彦は徳川家康を「危機管理の天才」と呼ぶ。吾妻鏡を読み、鎌倉幕府の滅び方から学ぶ天才。血縁のスペアを作り、武家諸法度で大名を縛り、朱子学で下剋上思想を潰す。
だが、朱子学が天皇崇拝を導いてしまう歴史のおもしろさ。 -
関ヶ原、大阪の陣が特に面白い。
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江戸幕府誕生の一番のキーは健康だったこと、なんだよなぁ。
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この巻では、関ケ原の戦いから豊臣滅亡までの経緯と、家康によって江戸幕府の礎石がどのようにつくられたのかということがテーマになっています。
前巻とおなじく、天下を取るためにはたんに戦いに勝利するだけでなく、支配をどのように正当化するのかということが大きな問題になるという点についてのわかりやすい説明がなされています。基本的に著者の立場は英雄史観なので、シリーズのどの巻もおもしろく読めるのですが、戦国大名たちの武力による戦いよりも権謀術数や政治工作などにおける彼らの英雄ぶりが語られていて、手練れの推理小説作家でもある著者にはお手のものなのかもしれませんが、おもしろく読むことができました。 -
独自の歴史観が面白い
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本書でも相変わらず井沢ブシ炸裂。
面白かったのは、水戸徳川家が、家康の遺言によって朝廷寄りに動くよう定められていた、という指摘。ほんまかいな、という気もするが、幕末に慶喜が皇軍に決して歯向かわず、恭順の意思を貫き通した事とはぴったりと符合してしまう。
あと、これは○刊で既に述べた、って随所に書かれてるけど、11刊までの内容、ほとんど覚えてないんだよなあ。ちょっと悲しい。 -
這本提到檀家制度是江戶時代的偉大發明,藉由這個制度,所有的國民被收編進入幕府-寺的戶籍管制之下,也因為所有人被收編,因此宗教本身無需付出太多努力增加信徒,成功削弱近世前如妖怪般的日本佛教的戰鬥力。
ケガレ忌避信仰
再者提到ケガレ是毛離れ、毛枯れ(毛=作物)的語源而來,西日本耕作的彌生人對肉食和畜牧是陌生的,因此言靈國家日本對於這種工作本身就帶著一種忌諱與歧視;他強調部落歧視問題未必是政治造成,而是宗教這種無法以理性言喻的根深蒂固的歧視(他也提到世界上若未有多明顯的差別時的歧視多半都是因為宗教,例如猶太人),ケガレ這種感覺就是日本人的宗教。而,罪、禍、過全都是罪,都是ケガレ,因此日本人的和至上的絶対話し合い主義→討厭獨裁跟絕對權力,也和這個觀點結合,最高權威者,認同其權威,但不會讓他決斷,避免他因為犯錯而黑掉。戰前權威者如天皇,在前二者思想下雖然也可以說很像變成佈下的認證機關,但是反過來說最高權力者沒有決斷權但還是有認證權,藉由沒有決斷權(等於沒有ケガレ)最終做出的"決定"會讓權威更崇高,反而讓聖斷更不可動搖。 -
関ヶ原の戦いから徳川幕府を立ち上げるあたりのことがわかりやすくまとめられている。対抗勢力の力を落とすための方策が参考になった。
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戦国時代もいよいよ終幕、天下泰平の徳川家康に焦点を当てる。魑魅魍魎の乱世を巧みに生き残り、権謀術数を尽くして75歳で天寿を全うした家康は、戦国時代の締めにふさわしい人物ともいえる。
学校では無味無臭な日本史が、歴史好きな筆者にかかるだけでこれほど人間関係に溢れた躍動感ある物語に思えることに毎度驚かされる。のちの明治維新につながるさ薩長の外様大名としての怨念は生きた歴史を感じさせられ、ちょっとした感動を覚える。
中身はとても面白く勉強にもなるのだが、「史料はない/史料はこうでも常識で考えればこうだ。だからこれで間違いないはずだ」という論法が多々展開されており、著者が度々批判する史料絶対主義の学者より性質が悪いケースが散見される。史料が不足している時代検証では成り立つ論法でも、多面的な一級史料が豊富な時代では、根拠に欠けると言わざるをえないだろう。その点は大きくマイナス。
第1章 徳川幕府の成立1 序章としての関ヶ原編
第2章 徳川幕府の成立2 泰平への長い道編
第3章 徳川幕府の成立3 天下泰平の構築編