- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094084399
感想・レビュー・書評
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対等な関係はいつだって気持ちいい
老人と若者じゃなくて友達
でもその精神論だけではどうにもならない
老いることへの現実的な時間の進み方
本の裏に感涙のって書いていたけど、わたしは少し違う捉え方をしてる
最後は坂道を転げ終わるような物語の終わりをむかえて、現実ってきっとこんなもん、むしろこれよりももっと急スピードでいろんなことが進む、と思う。
誰かの日記を眺めているようで
そういう意味でのおもしろさがあった。
介護をしたことがある人や身近に万寿子さんみたいな人がいればもしかしたら違った共感があるのかもしれないな、とも思う。 -
親子以上の歳の差なのに、出会いと友情
万寿子さんにとっても京子にとっても対等な関係で、真の友情が芽生えていくのが羨ましい。
これが男性作家とは、・・
徐々に認知が進行していくのは、本人にとっても辛いのだろうと今になっては切実に感じる
現実とリンクするところがあり、読後 色々な事を思い起こさせられた本 -
歳が離れてるから遠慮なく付き合える、そんな関係。歳の離れた友達は引き出しを増やしてくれる貴重な存在。
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私は年配の男性も女性も好きではないので、始めに万寿子さんに主人公があんな嫌がらせされた時点で相当腹が立ったし、恐ろしくて自分だったら絶対にも石段を使わず通勤して早々に引っ越しします。
京子のようにそこから更に一歩踏み込んだ関係になるのは、ちょっと考えられないです。
万寿子さんは普通の人とかなり違うので、自分で言うように老人という感じはしませんでした。
でもそれを知るには一歩踏み込んだ関係にならないといけなくて、やっぱり私には到底無理、と思いました。
楽しんでさらさら読めましたが、この作家の他の作品も読んでみたい!と思う程ではなく.といった感じでした。 -
1日かからずに一気読みできる。
後半になっていくにつれて、少しずつ生きることに関して考えるようになった。
生き方にはそれぞれあるが、自分の思ったように生きようと感じた。 -
短大を卒業し、無事就職を決めた竹本京子が一人暮らしを始めることになったのは、何の変哲も無い1K。アパートから駅に向かう道で顔を合わせるのは、ちょっと太めのサラリーマンと、隣の高台の一軒家に住んでいる杉田というおばあさんだった。お隣さんということで、少しでも仲良くと思う京子だったが、杉田に耳を疑うような言葉をかけられて……
20歳の新人社員と、78歳の一人暮らしのおばあさんとの交流の物語。あっ、これは大人版「夏の庭」かしら?と思いながら読む。
本気でケンカする2人に、大笑い。「25歳過ぎたら女はみんな同級生」というユーミンの名言があるけれど、ケンカして仲良くして、そんな友情は年が離れていても十分成り立つことを確信。
ファンタジーと言われても、甘いと言われてもこういう物語にいつも胸が熱くなる。(「図書館の神様」「横道世之介」にも劣らぬ『手紙』の破壊力よ) -
内斜視が悩みで恋愛経験のない二十歳の京子と隣の七十八歳の万寿子の友情。初めの暴言や子供っぽいスカート捲りに不思議と嫌らしさはなく、説教風を吹かすことなく対等に扱ってくれるフェアな万寿子と服を買い旅行に行き過ごす日々にほっこりする。戦争中の昔話にしんとした気持ちになり、痴呆と必死な京子に老いを思う。
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国会議員基礎テストで心を掴まれた黒野さんの私的二作目。心あったまるお話ではあったけど、カバーにある涙がとまらない、ほどではないかなあ。
ただ今後益々増えていくであろうお年寄りをただの老害とせずにこんな触れ合いが増えたら、もはや珍しい戦中の経験が受け継がれたら、理想なんでしょう。
気になったのが、物語上仕方ない小道具ではあるものの吐しゃ物や排泄物の描写が多くお茶とお菓子をいただきながらほんわか読もうと思っていたのに、少し気分が悪くなりました。。 -
20歳と78歳の女の子の友情。あり得ない、かもしれないけど友情が同世代だけとは限らない。後半はその年の差ゆえの悲しい結末もあるけれども、最後の最後、万寿子さんの艶やかな、女としてのサヨナラの挨拶とその美しさを、京子の斜視を通して見た気がした。
ただの女の子達の日常。でもその日常も刻々と変化していて、大きな変化も成長もないけれど、ある時点と時点を見れば大きな違いがあるのだなぁと。