東京奇譚集 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001562

感想・レビュー・書評

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  • 昔読んだ作品。

    この本は、5つの話が収録されているのですが、1つあたり、50ページで読める作品なので、手軽に読めて良かったです。
    特に私が印象に残った話は、5つ目のお話の、「品川猿」というお話です。
    この話は、1年ほど前から、自分の名前だけが思い出せなくなる、という症状を持った1人の女性が、区役所が運営しているカウンセリングに参加し、そこのカウンセラーさんが、なんで自分の名前だけを思い出せなくなるのかを探ってくれます。
    実はその原因は、主人公の女性の学生時代の時に関係することでした。
    主人公の女性は学生時代に、1つ下の後輩に、「私の名札を預かってほしい」と言われ、受け取るが、その数日後、後輩は自殺で死んでしまう。
    名札をどうするか困った主人公は、誰にも打ち明けず大人になる。
    そんなある日、主人公が持っていた後輩の名札と自分の名札が盗まれてしまう。
    そしてその盗んだ犯人は猿でした。
    その猿は、素敵だと感じた名前を、その人から盗んでしまう、という病気の持ち主でした。
    主人公は、猿に名札を盗まれたことによって、自分の名前を思い出せなくなっていました。

  • 階段のお話は、読者に実際に徒労を体感させるというお話であったように感じます。
    最後まで読んでみたけど結局どゆこと?…謎のまま。この「徒労体験」を予感させる要素が、作中の"矛盾するものごと"(でしたっけ?)として散りばめられていたのではないのでしょうか。

  • ぬるぬると読んだ。
    村上春樹が短編でする飛躍はあまり好きじゃないかも。

  • 偶然の旅人
    ハナレイ・ベイ
    どこであれそれが見つかりそうな場所で
    日々移動する肝臓のかたちをした石
    品川猿

    品川猿、またいた。
    あって話をしたい。

  • 旅行のお供で持って行く本にはいつも悩む。もし外しても替えがきかないので。
    小難しいのは頭に入らないし、かと言って面白すぎてストーリーをどんどん追いかけたくなるのも向いていない。
    その点ではこの本は正解だった、と稚内行きの飛行機の中で最初の短編を読み終えて安堵した。
    後日、この本を読み返した時には、水色と白のツートンになった窓の外の景色と機内サービスの珈琲の味を思い出すだろう。

  • 村上春樹の小説は、ごく普通の生活をしているように見えて、その内側に確かな絶望や哀しみを抱える人を描いているように思う。その感じが好きだ。

    ハナレイ・ベイは小林聡美で映像化してそうーと思ったら、吉田羊で映画化されてた。そっちかーと思った。

  • 短編集となると、そのうち一つはいまいちだったり、よくわからんなあという話があるのだけど、それがなくそのどれもが奇譚と言える話で面白かった。当時は新潮に毎月連載されていたんだということにも驚く。その頃に知っていたら楽しみに読んでいたろうな。

  • 知人がこの本が好きということで読んだ。
    「偶然の旅人」という話がとても印象に残った。なんというか、色々凝縮されている感じであるが、頭の中ではすんなり映像化された。次の「ハナレイ・ベイ」も。

    気になったフレーズ
    「かたちのあるものと、かたちのないものと、どちらかを選ばなくちゃならないとしたら、かたちのないものを選べ。それが僕のルールです。」
    「階段は何よりも大事だというのが夫の考え方でした。」
    「観察して、観察して、更に観察して、判断をできるだけあとまわしにするのが、正しい小説家のあり方なんだ」

  • ちょっと怖かった。

  • 村上春樹の小説は短編の方が面白いのかもしれない。ぎゅっと濃縮されている。私が長編が苦手なだけかもしれないけど。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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