世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(下)新装版 (新潮文庫)
- 新潮社 (2010年4月8日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101001586
感想・レビュー・書評
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上巻に続いて個性的で洒落た登場人物のやり取りが物語に引き込んでくれる。
全く関係無さそうな二つの世界の物語が次第に集束していく作りは流石。
ノルウェイの森は分からなかったけど今作はホントに面白い!
村上春樹が人気なのも納得の1作。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
文学ラジオ空飛び猫たち第48回紹介本。 「ハードボイルド・ワンダーランド」の私は残された時間を精一杯生きて、「世界の終り」の僕は影とともに閉ざされた世界から出ようとする。一角獣の頭骨の謎を巡るふたつの物語の終着点にあったものは? ふたつの物語の私と僕がした最後の決断は心に残りました。何度読んでも、その度に心を揺さぶられそうです。 ラジオはこちらから→https://anchor.fm/lajv6cf1ikg/episodes/48-e14gbmo
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村上春樹さんの読んだ作品の中でも特にお気に入りの作品。
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アストゥリアス皇太子賞文学部門 村上春樹受賞
摂南大学図書館OPACへ⇒
https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99232331 -
最初、世界の終わりの話が少し退屈だったのが、下巻でこの世界の尊さを感じるようになった。
僕がもし影についていったら世界の終わりはきっと消滅したんだろう。
でも僕のその重大な決断ですら外の世界の操作によって仕組まれた運命だとしたら…
見事に対照的な2つの物語。
1度に2度美味しい。そんな作品でした。 -
異世界のファンタジーのような話が大好きな私にはぴったりだったし、物語事態の凝られた作りもそれぞれのキャラクターの個性も天才だと思った。
海外の作品を読んでいるような気持ちになったけど、銀座が出てきたり魚のすずきが出てきたり、あ、これ日本だった、てなるのが不思議な気持ちだった。脳の仕組みが複雑だったり、はじめは2つの話が全く結び付かなくて、2つの世界を行ったり来たりするから難しかったけど下巻になってだんだん結びついてきてすっきりした。最後がどうなったのか気になる。 -
メッセージ性が強く、ストーリー展開も面白く、春樹らしい表現も堪能できる、春樹を初めて読む人にも自信を持ってオススメできる作品。
素直に感動した。 -
こんな世界は辛いかもしれないけど、生きていかなければならない。
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タイトルの"世界の終わり"という言葉を聞いた時、果たしてこれは「全人類における世界」なのか、「主人公の世界」なのかと考えました。
"世界"という言葉は全てを包含するような意味合いを持つ一方で、"個人の世界"等、限定する場合もあります。
自らの死(身体機能的な死)が近いことを宣告された主人公と、死(心が無くなる)を自ら選択する主人公のお話。
"自らの世界"の狭さを痛感した就職活動終了時に読んだ一冊。
(独り言)
作者の色が完全に含まれない作品はこの世に存在しないと思う。ましてや、「心」という不確かなものを描く作品は言うまでもない。
本作然り、「心」を描いた作品に触れた時、鑑賞者の色とマッチするかどうかで、どれほど文学的に優れていようが、鑑賞者の評価は如何様にも変わるのは面白いなと、他の方のレビューを拝見しながら思いました。 -
ハードボイルドワンダーランドの独特の世界観やそこに登場する少し不思議で魅力的な女性たちが好きになった。
残された時間を過ごす主人公の心理描写が繊細で、自分が同じ状況ならどんなことを考えるだろう、と想像しながら読むことができた。
内省的で難しい部分やラストシーンの選択についてはまだ自分の中で消化できてはいないけれど、現実世界を生きることや、自分自身、心について考えさせられる作品だと感じた。 -
そこまでグッとこなかったかな
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