世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(下)新装版 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
4.07
  • (985)
  • (946)
  • (517)
  • (114)
  • (17)
本棚登録 : 10832
感想 : 580
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001586

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 上巻に続いて個性的で洒落た登場人物のやり取りが物語に引き込んでくれる。
    全く関係無さそうな二つの世界の物語が次第に集束していく作りは流石。

    ノルウェイの森は分からなかったけど今作はホントに面白い!
    村上春樹が人気なのも納得の1作。

  • 文学ラジオ空飛び猫たち第48回紹介本。 「ハードボイルド・ワンダーランド」の私は残された時間を精一杯生きて、「世界の終り」の僕は影とともに閉ざされた世界から出ようとする。一角獣の頭骨の謎を巡るふたつの物語の終着点にあったものは? ふたつの物語の私と僕がした最後の決断は心に残りました。何度読んでも、その度に心を揺さぶられそうです。 ラジオはこちらから→https://anchor.fm/lajv6cf1ikg/episodes/48-e14gbmo

  • 再読。難しい内容ではあるが分かりやすく説明してあるので読みやすい。ラストは最後まで描かれていなかったが主人公は世界の終わりには行くことはなく、現在の世界で目覚めたと読みとっています。

  • 村上春樹さんの読んだ作品の中でも特にお気に入りの作品。

  • 村上春樹4作目の長編、今から36年前の作品。

    2つの物語が交互に語られる手法は飽きずに読めて好きなんですが、村上春樹先生の場合、最後まで2つの物語が重ならないという裏切りを念頭に読まないといけません。

    まず設定が天才的だと思いました。

    物語に出てくる食べ物や音楽や小説は洒落た外国のものばかりなのに、日本の東京が舞台というのが少し違和感があります。主人公の性格も日本人っぽくないなーとちょっと思ったり。

    長編小説ですが、一度も人の名前が出てこないのはどういう狙いなんでしょうか。物語だけがスッと入ってきて読みやすかったですけど。

    一番気になったのは、図書館の女の子の家に泊まった時に、台所にあった歯ブラシを借りて歯を磨いた。という所が、え?と思いました。
    他人の歯ブラシ使ったの?なんで台所に?掃除用の歯ブラシの新品でもあったのかな?
    細かい所ですが、めちゃくちゃ気になりました。

    何作か村上春樹先生の作品を読みましたが、設定と文章は素晴らしいのに、最後フワッと終わるのが残念なんですが、それが純文学というものなんでしょうか。余韻を愉しみながら眠りにつきます。

  • アストゥリアス皇太子賞文学部門 村上春樹受賞
    摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99232331

  • 最初、世界の終わりの話が少し退屈だったのが、下巻でこの世界の尊さを感じるようになった。

    僕がもし影についていったら世界の終わりはきっと消滅したんだろう。

    でも僕のその重大な決断ですら外の世界の操作によって仕組まれた運命だとしたら…


    見事に対照的な2つの物語。
    1度に2度美味しい。そんな作品でした。

  • 面白かった。
    村上さんのは2作品目。独特の描き方にもだいぶ慣れてきた。やみくろはどんな生物だったのだろう。

  • 「私にとっての世界の終りのようなものだったのよ。
    暗くてつらくてさびしくてたまらなく誰かに抱きしめてほしいときに、まわりに誰も自分を抱きしめてくれる人がいないということがどういうことなのか、あなたにはわかる?」

    「懲りるのは良いことだ。人は懲りると用心深くなる。用心深くなると怪我をしなくなる。良い樵というのは体にひとつだけ傷を持っているもんさ。それ以上でもなく、それ以下でもない。ひとつだけさ。」

  • 異世界のファンタジーのような話が大好きな私にはぴったりだったし、物語事態の凝られた作りもそれぞれのキャラクターの個性も天才だと思った。

    海外の作品を読んでいるような気持ちになったけど、銀座が出てきたり魚のすずきが出てきたり、あ、これ日本だった、てなるのが不思議な気持ちだった。脳の仕組みが複雑だったり、はじめは2つの話が全く結び付かなくて、2つの世界を行ったり来たりするから難しかったけど下巻になってだんだん結びついてきてすっきりした。最後がどうなったのか気になる。

  • メッセージ性が強く、ストーリー展開も面白く、春樹らしい表現も堪能できる、春樹を初めて読む人にも自信を持ってオススメできる作品。


    素直に感動した。

  • こんな世界は辛いかもしれないけど、生きていかなければならない。

  • 村上春樹さんワールド全開で、世界観がすごかったです。他の村上さん作品よりもマイルドな感じがします笑

    作品は、世界の終わりとハードボイルドワンダーランドの関連性が見え隠れする展開。2つの同時並行するストーリを追うと言う展開はめちゃくちゃ好みです笑

    ラストが読者の想像にお任せって感じで、そこがどうなったんだろうってなりました笑

  • タイトルの"世界の終わり"という言葉を聞いた時、果たしてこれは「全人類における世界」なのか、「主人公の世界」なのかと考えました。
    "世界"という言葉は全てを包含するような意味合いを持つ一方で、"個人の世界"等、限定する場合もあります。

    自らの死(身体機能的な死)が近いことを宣告された主人公と、死(心が無くなる)を自ら選択する主人公のお話。

    "自らの世界"の狭さを痛感した就職活動終了時に読んだ一冊。


    (独り言)
    作者の色が完全に含まれない作品はこの世に存在しないと思う。ましてや、「心」という不確かなものを描く作品は言うまでもない。
    本作然り、「心」を描いた作品に触れた時、鑑賞者の色とマッチするかどうかで、どれほど文学的に優れていようが、鑑賞者の評価は如何様にも変わるのは面白いなと、他の方のレビューを拝見しながら思いました。

  • ハードボイルドワンダーランドの独特の世界観やそこに登場する少し不思議で魅力的な女性たちが好きになった。

    残された時間を過ごす主人公の心理描写が繊細で、自分が同じ状況ならどんなことを考えるだろう、と想像しながら読むことができた。

    内省的で難しい部分やラストシーンの選択についてはまだ自分の中で消化できてはいないけれど、現実世界を生きることや、自分自身、心について考えさせられる作品だと感じた。

  • 世界の終りとハードボイルドワンダーランドという二つの違う話が少しずつ重なっていき、最後にうまくまとまり驚かされる。ワクワクしながら読み進めていける。結末が素敵。
    村上春樹の生と死についての表現や考え方が好き。また性描写もリアルで簡単に想像できる。
    哲学のような、読みながら物事を考えさせられる作品。
    心を大事にしようと思ったし、あってよかった。絶望や幻滅があるからこそ喜びも感じられる。
    娘の、意識がなくなったら冷凍してもいい?という発言も可愛くて好き。
    相手を信頼していれば発言を受け止めることができる。登場人物の何気ないセリフが心にスッと入り込んできて自分の考え方に影響を与えてくれるから面白い。

  • 上巻とまとめた感想です。
    一見関連の見えない「世界の終わり」パートと「ハードボイルド・ワンダーランド」パートが交互に進行していき、やがてそれらが交錯していきます。
    冒険譚というと主人公が冒険の途中苦難に襲われそれを乗り越え、それを通して成長する、というものが一般的かもしれませんが、この小説では地下の冒険の末、主人公にもたらされたのは自分のこの世界での残された時間がわずかであるという誰にもどうしようも出来ないという事実だけでした。物語としては結局分からずじまいのことが多々ありましたが、それはあくまでこの小説が心を主題としているからなのだろうと思いました。
    心をテーマにした思考実験的な物語も素晴らしかったですし、主人公が今の世界で残された時間を過ごすところからの文章が美しい歌のような良さがあり、最後はinstrumentalのDanny Boyを聴きながら読み終えました。
    読後に歌詞のあるDanny boyを聞いたら、歌詞のところどころから、読書中に思い浮かべてた「世界の終わり」の風景が懐かしく浮かんできてとても良かったです。

  • そこまでグッとこなかったかな

  • 村上ワールドにどっぷりと浸ることができました。独特の言い回しが好きです。
    主人公の性格からすると納得のいくラストで、寂しくも穏やかな世界の終わりでした。主人公の幸せを祈りたい。
    小説に出てくる女の子達も素敵で、特に図書館の彼女が好きです。

    村上作品、次は何読もう…!

  • 記録

全580件中 161 - 180件を表示

著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

村上春樹の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×