世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(下)新装版 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001586

感想・レビュー・書評

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  • <私>の意識の核に思考回路を組み込んだ老博士と再会した<私>は、回路の秘密を聞いて愕然とする。私の知らない内に世界は始まり、知らない内に終わろうとしているのだ。残された時間はわずか。<私>の行き先は永遠の生か、それとも死か?そして又、〔世界の終り〕の街から<僕>は脱出できるのか?同時進行する二つの物語を結ぶ、意外な結末。村上春樹のメッセージが、君に届くか!?

  • 好きになれなかった

  • なんとも言えない寂寥感。
    意識を乗っ取られて永遠の眠りにつく私。
    影と別れ自分の作った閉じた世界生き続ける僕。
    ハードボイルドワンダーランド編はもっとハラハラした展開だったと記憶していたのだが。
    人生のタイムリミットを知った人間がどう過ごすのか。
    あまりに寂しい。
    作者はこの物語で何を訴えたかったのだろうか。
    私には分からない。

  • 1980年代に書かれたのに、当時の時代を感じさせず、2020年現在でも小説中のシーンがイメージできるような不思議な物語であった。

  • 肉体の能力は極限状態にあっては往々にして伸長されるものだが、精神の集中力というものは本人が考えているよりはずっと限定されたものなのだ。それがどのような危機的な状況であろうと、同じ質の状況が延々とつづけば、それに対する集中力は必然的に低下しはじめる。


    高校生というのはみんなどことなく不自然な存在であるように思えた。みんなどこかが拡大されすぎていて、何かが足りないのだ。


    テーマが明確だと融通性が不足するんだ。






    眠りがやってきたのだ。私はこれで私の失ったものをとり戻すことができるのだ、と思った。それは一度失われたにせよ、決して損なわれてはいないのだ。




    感想

    自分の中の意識の核にある、現実世界での願望(愛、心、離婚など)が作り出した世界の終わり。(第3回路) その完全な世界に影(心)は不安を覚え、脱出を提案するが、直前で私は希望(女の心、森での生活)を見出し、自分が作り出した責任を感じ、この街に留まることを決める。

    ラストの後、森での生活などにより、主人公の意識はどんどん変わり、それによって街(壁、住人、冬)も変わっていくのか?
    たまりに入った影はどうなったのか?
    現実世界で眠りについた主人公はどうなるのか?

  • 好きな本が増えて嬉しいです。何度でも読める

  • ちゃんとまとまった小説になっていた。
    この小説が日本の漫画やアニメなどの物語へ与えた小説は計り知れない。

  • そうきたか!!!という終わり方。
    主人公の選択と、影の訴えと、もう一度読み返して整理したいな。
    何はともあれすごい経験をしたような気持ち。好きな本が1つ増えました。

  • 世紀末みたいな時代に、世紀末みたいなおはなしを読む。電脳の、観念の世界。絶望も希望も、どちらも虚妄。

  • 大好き

  • 村上春樹さんの作品の中で一番好き

  • 小さい頃から父親の本棚にあった1冊で、当時はタイトルがずっと気になってた。村上春樹は綺麗な表現や文章を読んでて心地よいから好きなんだけど、この小説は話の構造も秀逸で二度楽しめる作品で、すごいとしか言えない。。。

  • 名作!

  • 言葉に表すのはすごく難しいんだけど、ああいい本を読んだなあと、すごく幸せな気持ちになった。なぜかわからないけど読了後の気持ちよさ。腑に落ちる感じ。

    二つの世界が物語の中で繰り広げられる系のものがとても好きなので(ひとくくりにするなという感じだが)、でもその中でも特に好きだなあと思った。

    内容も所々難しくて理解できてないところもあるけど、その難しいところこそ大事な部分なきがするのでまた読みたいと思う。すべてがあきらかになってるわけでは無いと思うんだけど、いい具合に想像させる部分が残っていて絶妙。

  • 自分には読みにくい印象があって、時間をかけながらゆっくり読んだ。それでも読み終わった後はとても不思議な感覚でした。

    それを言葉にするのがうまくできなくてもどかしいけれど、夢読みもただ流れて記憶を感じていただけだったのを考えると、こういうのも悪くは無いのかもしれないと思いました。

    どちらにせよ、いい読書体験ができたのだと思います。

  • 村上春樹作品の中で一番好きな話。

    特に、クライマックスは、シーンが映像になって脳内に浮かぶくらいの臨場感と美しさ。

    比較的小説をよく読む人で、
    「村上春樹って読んだことないけど読んでみようかな」という人にはこれを勧めたい。

  • 通して読むのは5回以上10回未満くらいかな、しかしこうして改めて読み返すと村上春樹の長編の中では驚くほど世界観がはっきりしておりメッセージ性もストレートに感じる特異な作品かもしれない。最も好きな小説の一つ。

  • 楽しかった。久々の村上ワールドを堪能。

    世界の終わり…
    喜びと悲しみは表裏一体、そんな人間の心についてこんなアプローチができる作家は他にいるだろうか?

    こんなわけのわからない物語を夢中読ませることがすごい。シンプルで洗練された描写、そしてユーモア。

    コロナで暇だし、新作長編出してくんないかな。

  • 自分が何を持っていて、何に興味を持ち、好意を持っているか考えた。
    世界の終わりを悟った時、それがわかるだろうか。

    主人公が世界の終わりを知った時の諦めの良さ、冷静さに最初は違和感を感じたけど、妙に納得する所もあった。

    自分の中の世界に移ったことで心を取り戻したのだろうか、それとも世界自体が主人公の心なのか。
    個人的には現実の世界にいて欲しかったと思った。

    タクシーの運転手が好きだった。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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