- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101014036
感想・レビュー・書評
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めっさ古いのに読みやすくてびっくり。途中文章が七五調になってたりして口上聞いてるみたいで面白い。知らない単語や読めない漢字多いのに何故かちゃんと意味わかる。
心情描写中心だから後半ちょっと飽きたけど。今度他の作品も読んでみよ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
高校のときに読んだけど、あのときはあんまり内容とかよくわかってなかった気がする。
今なら読めるかな。 -
平成二十一年 十二月 読了
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内容は200ページ未満。今ではすっかり当たり前ながら、明治20年当時としては革新的だった、言文一致(口語体を用いて描写)の文章で衝撃的なデビューを果たした二葉亭四迷処女作。
あらすじはシンプルに下宿先の娘さんに恋する青年の苦悩。テンポ良い文章なので当時の風俗に想いをはせながら楽しく読めます。
新潮社文庫は注解付き。いまでは見慣れない描写・熟語にへぇ〜とかふぅ〜んとかなります。自己の追求とか社会の追及とか、掘り下げた解釈はさて置いて、若干23,4歳の青年が近代文学に与えた影響、その意気込みを100円前後で楽しめるお得な一冊です。 -
私なんかは、屋久島について行くことになったあたりから、もうゆき子に同化現象。鹿児島の宿で「奥さん、先にお風呂に入りなさい」の、「おくさん」と呼ばれたことがうれしくなったり、富岡が、乗るはずだった船のそばを通るときふと自分を置いて一人で行ってしまうのではないかと不安になったり(ゆき子はその場にいないのに、もうゆき子の気持ちになっちゃってる)。何より、また他の女に気持ちが向かうのではないかと、常におびえる気持ちは、本当に切ない。屋久島で女(浦部粂子)と話す富岡を不安そうに見つめるゆき子の気持ちがよくわかる。
富岡が泣くラストシーン、ハッピーエンドでさえあると思ったけれど、しかしそんな甘い感傷も許されない、壮絶なお話でした。なんでこんな凄い恋愛映画ができちゃったんでしょう。
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四迷は、評論「小説総論」を著して、現実をそのまま写し取るのではなく、現実の奥に潜む本質を説いた後、言文一致の文体で書かれた「浮雲」を発表。内容も文体も新しい近代小説の先駆的作品となる。「浮雲」は未完のままに終わるが、第三篇の末尾には「終」と明記されている。それでも未完とされるのは続編の構想と思われる作品メモが発見されたからであり、二葉亭の意思として未完であったかどうかはわからない。本田がお勢を弄んで捨て、文三は失望と身辺の不幸が重なって身を持ち崩し、精神的に追い詰められていく予定だったという。
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傑作。お勢のキャラがツボ
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初の言文一致小説、ということでなんとなく敬遠していたのですが面白かったです。取りあえず続きが読みたい(無理ですが)。
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ああかっこいいなあ
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章回小説ですね(笑) 二十四歳で明治二十年にデビューした革新作、意味が違い過ぎると存じます。 文三は二葉亭の投射ならば、お政、昇は何様? 果たして六年前のあたくしはお勢かしら。 色んな視点から見ると、やはり狭すぎな窓を通して時代を窺うのは至難、まさに文化や経済や政治問題も入れ込めて畳むとは。 若き人の悶える心持、過厳な理想と道徳に押しえられてつくづく、それに有るべき理念と現実の矛盾、やり切れないやり切れない、どうしょうもなく壁に向かって咄嗟言い出したら嘆息したり、にっこりしたりするものの、成長しつつに連れて何かを発見すること。 そして何かを捨てて何かを掴まえるのか。 解せない生に断ち切れない謎。