青の時代 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101050201

感想・レビュー・書評

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  • 後半、主人公は詐欺まがいの仕事を始める。テンポよく話が進んでおもしろいし、女性とのやり取りなども興味がわく。けれど、私にとっては、前半の父親との確執の方がより心に響く。それは、現実の自分と息子との間の問題があるからだ。親子で似た性格であるからこそ磁石のNとNやSとSのように、あるいは電気の+と+や-と-のように、反発が起こるのだろうと思う。それを、この主人公はどうくぐり抜けてきたのか。結局、父親が一番嫌いなこと(不正義、それはまた主人公自身も一番嫌いなはずなのだが)を実践することで、父親への復讐を果たしたということになるのだろうか。そう、せっかく手に入れた売り物でない鉛筆を海に捨てられた、そのときの思いに対する復讐を。できれば、そうして気が済んだなら、この主人公にはその名前の通りに誠実な生き方にもどってほしい。それが親としての思いだ。

  • 解説に助けられてようやく何となくわかった気に。
    そうでなければどれを書きたかったのかが
    掴みにくいと感じた。

  • 心理描写が素晴らしい。

  • 日本語がキレイだ。ひとつの文にリズムがあり、ひとつの段落にリズムがある。たまにみせる奇抜でユーモアのある表現も効いている。ただストーリー的にはよくわからなかった(笑)というより、最後まで誠がめんどうで、あー友達になりたくない、とは思った。

  • これで三島由紀夫3冊目。私嫌いじゃない。

  • いやいや、名作です

  • んーまとめると、主人公が大変にめんどくさいやつ。読みやすかった。

  • 再読。この作品も、戦後間もなくに起こった実際の事件をモデルとして書かれており、その限りでは『金閣寺』と同様だ。また、主人公にあっては、現実よりも観念が優位に立つことでも共通項を持っているだろう。ただし『金閣寺』においては「美」がその中核にあったが、ここではそれが「金」であり、虚妄ということになりそうだ。驚くのは、この作品が書かれた時、三島は弱冠25歳であったこと。モデルとなった光倶楽部事件の首謀者、山崎晃嗣とは同年齢であった。

  • まあまあ。

  • 光クラブ事件がモデルの話。

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著者プロフィール

本名平岡公威。東京四谷生まれ。学習院中等科在学中、〈三島由紀夫〉のペンネームで「花ざかりの森」を書き、早熟の才をうたわれる。東大法科を経て大蔵省に入るが、まもなく退職。『仮面の告白』によって文壇の地位を確立。以後、『愛の渇き』『金閣寺』『潮騒』『憂国』『豊饒の海』など、次々話題作を発表、たえずジャーナリズムの渦中にあった。ちくま文庫に『三島由紀夫レター教室』『命売ります』『肉体の学校』『反貞女大学』『恋の都』『私の遍歴時代』『文化防衛論』『三島由紀夫の美学講座』などがある。

「1998年 『命売ります』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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