ローマ人の物語 (13) ユリウス・カエサル ルビコン以後(下) (新潮文庫)

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  • / ISBN・EAN: 9784101181639

感想・レビュー・書評

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  • やっと13巻まで読み、カエサルが死んで一息付いた。

    カエサルが暗殺された文章を何度も読み返してしまった。

    金と女に困ることはなく、人望に厚く、戦争をすれば必ず勝利し、政治力も凄まじく。それらに加えて明晰で見事なラテン語の散文を書き、自国民には敵といえど寛容で契約を重んじ偽善を知らなかったカエサル。

    こんな才色兼備の人間が存在していいのか?

    彼の寛容の精神、先見性、言葉の操り方、実行力は大いに参考になると思う。

    当時ローマにいたならば、カエサルの軍団長と言わずに百人隊長として使ってくれて本望であります。

    カリスマの塊。

    あんま本のレビューになってないけど、とにかくすごいや。

  • ルビコン川を渡った後のカエサルについてです。
    ホントに、一流の人だったんだなぁと思う。

    すごすぎ!!

  • 11〜13巻通じての感想。4に近い3で。
    11巻はポンペイウスとの決着、12巻は帝政の土台作り、13巻はカエサル暗殺後の混迷という感じで綺麗に区切られてたから1冊ずつ感想書いても良かったけど。

    それにしても一人の人間について、よくもまあこんなに書くことがあるわ(笑)ユリウス・カエサルと題打って文庫6冊分書かれているわけだからな。
    この時代の予備知識は元々結構あったんだけど、それでも読んでみるとカエサルの無敵っぷりに驚く。作者の筆致も明らかにカエサルのすごさを伝えることに重きを置いてるしな。あわれ同時代人(笑)
    しかし脇役たちもいいですよ。特に個人的にクレオパトラが好きだったのだけど、辛辣に叩かれてるのには苦笑したわ。まあ彼女のやったことは自国の滅亡を早めたことに他ならないし、その評価も仕方ない所ではあるが。
    大河ドラマ的に楽しめてるので次巻も期待大!

  • 2008/10/1

  • 下巻では一番最初にカエサルが殺されます。
    ポンペイウス派だったがカエサルの寛容によって命を助けられた人々、
    ガリア戦役、ポンペイウス戦を通じカエサルの忠実な部下だった人々
    あわせて14名が23箇所、短剣で傷を負わせて殺害に至ったそうな。
    そのうち致命傷だったのは2つ目につけられた胸の傷なんだってさ。

    暗殺、といえるものでもなく、元老院議会の始まる前に白昼堂々と行われた殺人。
    殺害されたのは前44年3月15日、カエサルは55歳でした。

    その後は権力闘争が始まって。。。
    カエサルの忠実な部下だったアントニウス
    カエサルの遺言により後継者に指名された当時18歳のオクタヴィアヌス
    が中心となっています。

    第二次三頭政治として、上記2人に加えてレピドゥスが歴史上名前があがり、
    それは確かに正しいんだけれどレピドゥスは権力闘争には加わっていなく、
    利用されただけの人だったようです。

    アントニウスはクレオパトラに没頭し、次第に民衆や兵の求心力を失っていき
    それに反比例してオクタヴィアヌスは支持を受けていく。。。

    カエサルと違い戦争の最高司令官としての才能には恵まれなかった
    オクタヴィアヌスですが、アグリッパという戦時の才に優れた同年代の仲間を得て
    アクティウムの会戦にてアントニウスとクレオパトラを打ち破ります。

    しかし。。。
    この本ではキケロとクレオパトラは基本的に悪役として描かれていますね。
    キケロは口は達者で、教養もある人だけど優柔不断で愚痴が多い男。
    クレオパトラは現状認識のできない女として。

    キケロは最終的に第二次三頭政治の3人が作った
    処罰者名簿の筆頭にあがり殺されて、
    クレオパトラはカエサルとの間にできた子を正式に認知させオクタヴィアヌスの怒りを買い、
    アクティウムの会戦で真っ先に逃げ出してそれを追ったアントニウス以下全軍は
    惨敗を喫し、挙句の果てにはアントニウスに対して、自分が死んだと嘘を伝えさせて
    アントニウスを自死に追い込みました。
    自分が死んだと伝えた後、やはりそれは嘘だと伝えた時にはすでにアントニウスは
    自分を刺していて。。。最終的にアントニウスはクレオパトラの腕の中で死んだようですが、
    果たしてそれは幸せだったのでしょうか。

    クレオパトラもその後オクタヴィアヌスに捉えられて、自殺を決意します。

    まあ、世界史の教科書や参考書では3,4ページに満たないような歴史を
    細かく見るといろいろな人間関係がわかって楽しいよ。

  • カエサル暗殺のあとのオクタヴィアヌスの治世。「人間は、自分が見たいと欲する現実しか見ない」クレオパトラは塩野さんにかかると浅はかでおろかと辛らつ。オクタヴィアヌスもユーモアもなくつまらない。カエサルは人間味あふれるすてきなひとだった。

  • カエサル暗殺後のアントニウスとオクタビアヌスの対立、アントニウスとプトレマイオス朝女王クレオパトラの結婚と敗北、オクタビアヌスによる帝政樹立まで。

  •  本章はカエサルが元老院会議場で暗殺されるところから幕開けとなる。
     共和制護持を掲げて彼を殺した暗殺者達は、その想いが報われることなく彼の後継者達により抹殺され、彼の後継者指名を受けたオクタヴィアスは、アントニウス、レピドゥスと共に第二次三頭政治を結成。これをローマで承認を受けることで共和制は完全に破壊された。
     三頭による政治はカエサルの試みた「寛容(クレメンティア カエサリア)」とは程遠く、スッラ改革を思わせる反逆者の完全抹殺であり、ローマを再び恐怖に陥れることになる。

  • 帝政の礎を築くカエサル。
    共和制存続を望む元老院。
    両者の思いが完全に不一致に達し、
    ついに元老院の一部でカエサル暗殺が実行されます。期待していたブルータスに裏切られたカエサル。しかしカエサルは遺言状を既に作成した。
    後継者は、オクタヴィアヌス。後の初代皇帝アウグストゥスとなる青年。
    カエサルの後継者を巡って、片腕であったアントニウスとオクタヴィアヌスの戦いが繰り広げられる。

  • カエサル暗殺。
    英雄はなぜ殺されたのか?
    帝國はどのように引き継がれるのか?
    後継者オクタヴィアヌスの治世がスタートする。
    凡夫は天才を恐れ、愛する。

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