- Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101184531
作品紹介・あらすじ
ルイ。独身。35歳。女手ひとつで育ててくれた叔母さんが、還暦を前に突然の恋に落ちて出奔。一人残されたルイの家には、ひょんなことから二人の独身男が転がり込んできた。初老だけどモテモテのトニーさんと、年下の気弱な康介。唯一の共通点はスープ好き。一つ屋根の下で暮らすことになった、そんな三人の関係は。そして叔母さんの恋の行方は?温かくキュートで少しだけ辛口の物語。
感想・レビュー・書評
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【美味しい小説】
この小説はタイトル通りにスープが流れを繋いでるんですが、私がいちばーん食べたくて堪らないのは、トニーさんが作った差し入れ弁当に入ってた薄いハムカツ!
私もハムカツは断然厚切りではなく薄切り派なんです。近所のお肉屋さんが、新しく揚げたてで提供してくれるっていうのが羨ましい。食べたい!!
貧乏ゆえに、鶏ガラを大量に仕入れて黄金スープを作るのが食卓の定番、、となってますが、結構手間ですよね。鶏ガラで透明になるまで綺麗なスープを作るの。
そして、料理の振り幅は最高ですよね。
美味しいもの好きな、阿川さんならではの節約定番メニューとしてのチョイスだと思います。食に興味ない人が書いたら、絶対鶏ガラスープを自宅で作るなんて選択肢でない。
赤の他人3人の同居生活、家出したおばさんの恋愛、主人公ルリの抱えるモヤモヤ、、気になる展開はいくつもあって面白いし、家の近所に美味しい惣菜屋さんが欲しくなる感じの身近な食を楽しめる小説です。 -
家族じゃない男二人との共同生活は、スープで繋がれてて…。
人のやさしさがたくさん詰まった小説。映画になってたとは知らなかった。
鶏がらスープ、私も作りたくなった。 -
古さを感じられない。
展開や優しさや、色々とてもよかった! -
分からないものを分からないままにしておくっていいね。こんな「家族」あるのかって思うけど小説だからそれで良い。じっくり作った美味しいスープが飲みたくなりますね。
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「阿川佐和子」の長篇小説『スープ・オペラ』を読みました。
『ウメ子』に続き「阿川佐和子」作品です。
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独身女性と男性二人。
一つ屋根の下で繰り広げられる三つの心とスープの行方――。
とびきりキュートな物語。
「ルイ」。独身。35歳。
女手ひとつで育ててくれた叔母さんが、還暦を前に突然の恋に落ちて出奔。
一人残された「ルイ」の家には、ひょんなことから二人の独身男が転がり込んできた。
初老だけどモテモテの「トニーさん」と、年下の気弱な「康介」。
唯一の共通点はスープ好き。
一つ屋根の下で暮らすことになった、そんな三人の関係は。
そして叔母さんの恋の行方は?
温かくキュートで少しだけ辛口の物語。
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新潮社が発行する月刊小説誌『小説新潮』に連載された作品で、三人の男女の共同生活をメインにした長篇小説、、、
ジャンル的には恋愛小説の要素を持った家族小説 って感じでしたね。
■第1話 トバちゃん
■第2話 残された部屋
■第3話 週末の庭
■第4話 場違いな晩餐
■第5話 父泊る
■第6話 男たちの欠点
■第7話 トバちゃん日記
■第8話 見合い話
■第9話 三人の契約
■第10話 現物支給
■第11話 トバちゃんの帰還
■第12話 ムッシュー・ミゼラブル
■第13話 抜群の相性
■第14話 二人の生活
■第15話 恋愛逃避症
■第16話 トニーさんのギャラリー
■第17話 浮気の始末
■第18話 抽斗のナディア
■第19話 限界妻
■第20話 再会
■第21話 父疑惑
■第22話 三人のベッド
■解説 北上次郎
還暦の恋を迎えた叔母「トバちゃん」が恋人の男性とともに突然の旅に出てしまい、一人暮しになった35歳の独身女性「島田ルイ」… 彼女の家に突然上がり込んだのは、2人の独身男性、初老の絵描き「トニーさん(本名:十二夫(トニオ))」と、年下で建築関係雑誌の編集者「康介」、、、
唯一の共通点はスープ好きという2人との、家族でも恋人でもない奇妙な共同生活が始まった。
恋愛も少々絡んできますが、生臭い感じや愛憎的な描写はないところが良かったですね… 恋愛感情や特別な感情がなくても、関わった期間が長くても短くても、かけがいのない関係性って、築ける場合があるんでしょうね、、、
終盤、「トニーさん」が購入したウォーターベッドに、三人が寝転がり… 誰かが動いて波が立っても、静かにしてバランスを保っていれば直ぐに収まり、波風が立たなくなることを感じるシーンが印象的でしたね。
映画化もされているようですね、、、
肉屋さんのハムカツとおいしいスープ、そしてご飯… 食べたくなりました。 -
叔母に育てられた35歳の独身女性の古い木造一軒家に、60代と20代の男性が転がり込み、一緒に暮らす話。ドラマを意識して書かれたのか分からないが、当然ドラマ化されている。
赤の他人3人で共同生活をし、その人間関係に焦点が置かれている。女性の視点で書かれており、晩婚の阿川氏(著者)のイメージと少々だぶる。軽快で読みやすく、ほっこりする気持ちがいい小説だが、やや先が読めてしまうか。あと、あまりにも設定がありえなすぎると、ちょっと冷めてしまう。
軽~く何かを読みたい人にはおススメ。 -
阿川佐和子のエッセイは読んだことがあったが、小説は今回初めてかもしれない。
関係性が曖昧であっても、心地よいものならそれでよしとする考え方は素敵だなと思った。現実では知らない人やよくわからない人に対して過敏になりがちだからこそ、この3人の空気感が羨ましくなる。
自分でとる鶏ガラスープが美味しそうすぎたので、今度挑戦する予定。 -
35歳独身女性がタイプは違うが、共通点はスープが好きである男性二人との共同生活を送る物語。肌寒い日には心も体も温めてくれるスープが身に染みてほっこりとさせてくれる。男性との共同生活は波乱があったり、大人の恋の場面を見せたり、恋人や仕事との関連の繋がりでない関係でお互いに暮らすことの大変さはシェアハウスでの暮らしは単なる男女が同じ屋根の下で暮らすのとは違って、男女の関係が出てきてしまうのかなと感じてしまう。トニーさんがいい味を出していた。鶏飯も美味しそうで、鶏ガラから丁寧に取ったスープを食してみたい。
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長年一緒に暮らした叔母さんが還暦前に恋に落ちていきなり出て行った。
一人家に残された30代半ばの女性。
そんな家に初老の絵描き老人と若い男性が転がり込んできて不思議な同居生活が始まった。
3人だとバランスがいいのに2人になるとなんか落ち着かない。
曖昧でハッキリしない、そんなことがあってもいいねって言うお話。
恋愛、結婚、家族…重い内容もあるはずなのに全然重く感じない。
楽しくほんわか読めるお話でした。
阿川佐和子さんのエッセイを読んだことがなかったですが、この小説はちょっと日常ではあり得ない設定を、身近なことを交えて書かれていて、重くなりがちなところもふんわり柔らかく感じました。
頑張ってる人にちょっと一休みの為におすすめしたい一冊です。
図書館スタッフ(学園前):ema
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帝塚山大学図書館OPAC
http://lib.tezukayama-u.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&category-book=1&category-mgz=1&materialid=2410004447 -
初めて阿川佐和子さんの本を読んだけど、面白かった。
こういうジャンルの本は普段あまり読まないけど、
読みやすかった!
もどかしい感じが、何かいい。
トバちゃん、サイコー(笑) -
阿川佐和子さんの小説初めて読んだけどシンプルに面白かった。
主人公のルイと同い年で独身っていうところにも何となくシンパシーを感じた。結婚を意識しないわけじゃないけど流れに任せる感じでいいかな、と思ってる辺りとか。
ルイを女手ひとつで育ててくれた叔母のトバちゃんが、還暦を前に突然の恋に落ちて出奔。
ひとり残されたルイの家に、ひょんなことから初老の画家トニーさんと年下のライターである康介が住み着くことになり、三人の奇妙な共同生活が始まる。
単純に、こういうの羨ましいなと思った。
ひとりはちょっと淋しいけれど、家族を築くとなると煩わしさも感じる。そんな人にはちょうどいい環境。
基本的には干渉し合わないけどきちんと決め事もあって、今で言うシェアハウスのような暮らし。
そうは言いつつ当然うまくいくことばかりではなくて、一緒にいれば微妙に恋愛っぽいことになったり、歯車が噛み合わなくて居心地が悪くなるような出来事もあるのだけど。そのリアルさがスパイスになっていて、少しの痛みを感じたり。
常識を重んじて周りの目を気にする気持ちも持ちつつ自分らしく生きる。ルイはそういうバランス感覚を持っていて、自然に周りを赦して包み込むことが出来る女性。
優しいから振り回されることも多いし流れに逆らえないこともあるけれど、最後の部分はきちんと自分で決めて押さえるところは押さえている。
個性豊かな登場人物だらけで読んでいて楽しかった。謎に手品が得意なルイの職場の教授とか、口が悪いんだけど実はそんなに悪い人ではなさそうな大御所小説家とか。
トバちゃんの奔放さも素敵で、こういう風に振る舞える人に憧れるなぁと思った。
そして何より出てくる料理が美味しそうな小説。阿川さんと言えば料理エッセイも書かれているはずなので、描写がほんとに美味しそう。
ちょっと深刻なシーンでも料理の描写が入り込むだけで和らぐんだということも発見。落ち込んでいてもお腹は減る、みたいな、女性ならではの冷静さなのさも。
楽しくて少し切なくてそして美味しい、そういう小説でした。 -
阿川さんてこういう展開多いよね。スープはおいしそう。
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食事シーンやお料理の描写が秀逸すぎて読むとお腹が空いてくる一冊。ルイちゃん、トニーさん、康介の一見奇妙な共同生活は、たまに不協和音が流れることはあっても、良い具合の距離をおいたり、そっと静かに見守ることでまた穏やかな空気が戻ってくる。そんな三人の関係に憧れる。
ありそうでなさそうで、でもひょっとしたらあるかも?と思わせるような、大人風味のファンタジーのようで、読み終わるのが寂しかった。 -
図書館で。この方のエッセイは面白かったけどそういえば小説読んでないなあと借りてみました。面白かったです。
登場人物にそれほどの悪人が居ないってのは読んでいて楽ですね。トニーさんはなんだかあやふやな存在ですがその曖昧さが魅力なのかな。完全に安心できる存在でもないけれども危険でもなさそう。あれは3人というバランスが良いんでしょうね。二人だと緊張するけれども3竦みだと丁度良い、みたいな。
そして出てくる料理が美味しそう。鶏ガラのスープかあ… ウチではあまりしたことが無いな…と思いましたが少し前に宅配で届いて調理した際母にあれこれ言われてカチンときたのを思い出しました。トバちゃんとルイさんのやり取りではないですが近親者ならではの心やすさと苛立ちはわかるなあと思ったり。
ただ、個人的には何で主人公はずるずると押し切られてしまうかな、と不思議に思いました。ナナコさんとの食事というか小説家とのセッティングは大分非常識だ。アレを許せるって相当な人だなあ…と思いました。 -
ほのぼのほっこり系、でも少しせつない。映画化されてるのは知らなかった。料理がおいしそうな小説はやっぱりいいな。
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阿川さんはエッセイストのイメージがあったがこれは小説。35歳の主人公のルイとトバちゃんというおばさん。そしてトバちゃんが恋人と共に家を出て行くと出版社の男性と絵描きのトニーさんとの生活が始まる。阿川さんらしいのんびりとした内容で癒された。
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出てくるスープがおいしそう。特にサンラータン。今度真似してみよう。
主人公のルイは私と同年代。何となくちょっと似ている気もする。私も恋愛逃避症なのかな?
ルイとトムさんの関係が温かくて、羨ましい。トムさんみたいに私を心配して大事にしてくれる人いたけど、私は大事にできなかったことを深く後悔した。
読みながら、私らしく丁寧に暮らしたいと思わされた。 -
映画を先に見たので、原作も・・・と図書館で借りました。
鶏ガラスープ、本当に美味しい! 身付きだともっと美味しい! アガワさん、食いしん坊なんだなぁーとシミジミ・・・。
食いしん坊アガワさん! 次は、「魚のアラ」で書いてください(^^) -
恋愛小説なのかな?と読み進めていたら温かい家族の話でした。最初の方にでてくるトニーのセリフ
「(前略)この歳になるとね、もう残り少ないんだから、どうでもいいやって思うことと、残り少ないからシャンとしなきゃって思うことと、あるのね」
に何故か感動したのでメモ。