残るは食欲 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1034
レビュー : 106
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101184555

作品紹介・あらすじ

幼い頃から食べることが好きだった。母手作りの素朴な家庭料理を、家族で囲んだ温かな食卓――。大人になった今は一人で作って一人で食べて「私は天才かっ」と一人で叫ぶ。季節外れのローストチキン。深夜に食したホヤ。カビの生えたパンだってちょいちょいっと削れば、あら美味しい。少し孤独。けれど食欲全開、今日も幸せ。雑誌「クロワッサン」の連載をまとめた極上の食エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 新潮文庫の100冊の一冊。表紙がおいしそうでつい購入してしまいましたが、考えてみると阿川さんの本は初めてでした。立ち読みの時点で読みやすかったのですが、毎日少しずつ読むのが楽しくっていい気分転換になりました。

    スランプになったり天才か!って思ったり、失敗したり一回作ると同じものは二度と作れない…とか、共感する部分が多くて、ひとりで笑う(不気味…)ことがしょっちゅうでした。

    様々な食関係の由来がサラッと書かれていて、「オー、御御御付け」なんかは、郷里の祖母を思い出して懐かしい気分になりました。根が食いしん坊なので読んでいるとお腹が減ってきて、私もゆでたジャガイモでギュイーーン料理作ろう!と思ったのでした。面白かった。


    2017年積本消化27冊目。

  • アタマがちょっと疲れた時に
    よむと、阿川佐和子のもつ 人間的な良さと
    チョコマカさが なんとも言えない。
    独身女性をつづけている 女子で
    残るものが 『食欲』というタイトルも
    いいなぁ。その飾らなさ。
    そして 食は 母親の味、昔ながらの味、
    という 過去から現在につながる 時間軸の中にある。

    食事をいただくまえの 思いっきりの空腹が
    一番のシアワセと言う。たしかに 食欲のマックスの時だ。
    夜遅く 小腹が好いた時に 湯豆腐 って ありだね。
    確かに、食べたくなるが インスタントラーメンより
    健康な感じがする。
    あのとき食べておけば良かった という 未練の味。
    それは、やはりひきづるんだよね。
    ごはんに汁をかけて食べるは 子供の時に好きで
    よく食べていて、父親にしかられた覚えがある。
    レモンライス は 食欲のない夏にはいいね。
    食欲に対する脑の指令系統が単純直結型と自ら自認するのが
    清々しく、なんともいえない 潔さがある。

    自分の料理は、自分で食べて、自分でほめる。
    一人で生きていくんだ、フン。私は 天才かっ
    というのが 全てに凝縮される。
    こうやって本になれば、みんなで食べているようなものだ。

  • 久々に佐和子さんの本を読む。いいですねぇ。文章のゴロというか、語感、表現から単語まで、自分がこう書きたいという思いとまさに同じなのである。

    食べ物への愛着や、料理展開も私好み。エッセイで読む限り、とても多くの共通点を共有していると思うのですが… 世が世なら、是非とも三顧の礼をもって奥さんとしてお招きして、面白い夫婦生活を送れていたのでは?とも思うのですが… ただ、当方、ノッポの女優さんの年季の入ったファンなので、途中で浮気なんかして修羅場となっていた恐れもあります (フムフム)。

    この手の空想は昨日今日始まった訳ではないのと、空想である事理解してますから大丈夫です (何が大丈夫なのか分かりませんが) 。何れにせよ、是非お一人様のお食事から解放してあげるお手伝い位はさせて頂きたいと切に願っております。ご馳走しますので如何ですか?佐和子さん?

  • 語り口が滑らかでとても読みやすいエッセイ。これくらい肩の力を抜いていいんじゃないかなと思わせてくれる。
    残るは食欲といいながら、執着しすぎないのもいい感じ。
    新しいことを取り入れたり、アレンジしたりする姿勢もすてきだなと思う。

  • 夜、読んではいけない本。
    耐えがたい空腹感に襲われるはめになる。
    チラっと載っているレシピを試してみたくなる。
    食を楽しむことは人生を豊かにする。
    羨ましい限り。
    登場する食材、食品が何であれ兎に角魅力的。
    美味しそう。
    お腹減った。

    表紙を荒井良二さんが手掛けていると後書きで知り、二度美味しい。

  • 夏バテして食欲のない時に読むとちょっとなんか食べてみようかな…という気持ちになる

  • 阿川佐和子さんが結婚出来て良かったと思う反面、一生一人で楽しく居て頂くのも有りだったなあと思ったり。殆ど母親レベルの年ですが、あのお茶目なお姉さん感は凄いですね。相応にしわも有るしスレンダーって訳でもないのに、なんだかとっても可愛らしい。
    そんなお茶目なプリティーおばちゃんが食について語る話です、お茶目で特別役に立たないという食エッセイに必要なものが網羅されています。

  • 阿川さんといえば、私が強烈に覚えているのはクリームブリュレの話。どこぞのレストランでデザートに出されたそれがあまりに美味しくて、器を舐めるがごとく食していたら、「お気に召したようですので」とおかわりを持ってこられてものすごく恥ずかしかったという話でした。

    そんなふうに、食べることに執念を燃やす人かと思いきや、意外にも眠気と空腹ならば空腹のほうが耐えられるとおっしゃる。それは私も同じなのです。食いしん坊なのになぜかなぁと思っていたら、阿川さんが本作で答えを教えてくれました。空腹のときに感じられる至福を。

    料理のレシピ本ではないにもかかわらず、ここに挙げられている料理やおつまみをいろいろとつくってみたくなること必至。いやぁもうニヤけました。

    ところで本作の単行本が刊行されたのは2008年。この文庫本が刊行されたのが2013年。文庫のあとがきを書かれたときになってもまだ独身を通すおつもりだった阿川さん。まさかそれから数年後に結婚とは、ご本人も夢にも思わなかったのか。阿川さんのお父様はかねてから結婚相手を選ぶさいの心得として「顔はどうでもいいから味のわかる奴」とおっしゃっていたそうな。そのとおりだなんてことはないですよねぇ(笑)。

  • 食べたいものがあれば幸せ。

    軽快に、食に対する喜びを綴ったエッセイ。共感できるところもたくさん。表紙のケーキがとても美味しそう。昔は食べていたけど今は食べないお菓子とか、誤解していた果物とか、読んでいるうちに私も食べたくなる。

  • 読んでみると、「作ってみようかな?」へぇーなるほど。となることが多い。するするーと読めました。阿川さんの他の食の話も読んでみたい。悪友と呼ぶ檀ふみさんとの本も読みたくなった。

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著者プロフィール

阿川佐和子

一九五三年、東京生まれ。慶應義塾大学文学部西洋史学科卒。エッセイスト、作家。九九年、檀ふみとの往復エッセイ『ああ言えばこう食う』で講談社エッセイ賞、二〇〇〇年、『ウメ子』で坪田譲治文学賞、〇八年、『婚約のあとで』で島清恋愛文学賞を受賞。一二年、『聞く力――心をひらく35のヒント』が年間ベストセラー第一位、ミリオンセラーとなった。一四年、菊池寛賞を受賞。最近の著書に、『ことことこーこ』『看る力――アガワ流介護入門』(共著)など。

「2019年 『老人初心者の覚悟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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