お鳥見女房 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101194233

感想・レビュー・書評

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  • 内容(「BOOK」データベースより)
    将軍の鷹狩りの下準備をするお鳥見役には、幕府の密偵という裏の役割があった。江戸郊外、雑司ケ谷の組屋敷に暮らす矢島家は、当主が任務のため旅立ち、留守宅を女房・珠世が切り盛りしている。そんな屋敷に、ある日、子だくさんの浪人者が押しかけて来て…さまざまな難題を持ち前の明るさと機転で解決していく珠世。その笑顔と大家族の情愛に心安らぐ、人気シリーズ第一作。

  • シリーズ初めてのお鳥見女房登美の登場だ 2001年版の表紙絵がいい
    命で旅に出る夫を見送る妻が好い
     五人の子持ちの寡夫の源大夫を父の敵と狙う多津がいつの間にか登実に取り込まれて 源大夫とまさかの結婚なんて面白い取り合わせだな 

    お鳥見役の影の勤めが暗いが来るものを拒まずのノー天気な登実のおかげでとかく肩がこらない楽しい読み物だ 拍手

  • お鳥見女房シリーズ1弾。将軍の鷹狩りの下準備をするお鳥見役には、幕府の密偵という裏の役割があった。江戸郊外、雑司ケ谷の組屋敷に暮らす矢島家は、当主が任務のため旅立ち、留守宅を女房・珠世が切り盛りしている。そんな屋敷に、ある日、子だくさんの浪人者が押しかけて来て……さまざまな難題を持ち前の明るさと機転で解決していく珠世。その笑顔と大家族の情愛に心安らぐ。

  •  「おとりみにょうぼう」というタイトルにいかにもなこのカバー絵。これではさしもの時代小説好きのぼくでも引いてしまう。本は納得ずくで買ってくれる人ばかりとは限らないので、店頭での印象とかを考えるとものすごい損をしているのではないだろうか。マーケティングの失敗だろう。ぼくがなんでこの本を買ったかというと、Amazonのリストマニアに載っていたからだ。ぼくは基本的にあまり人の評価を信頼してないので、ああいうものはふだんは見ないのだけれど、こと時代小説については最近読む本がマンネリ気味というか払底しているので、何か新しいのはないものかと探してみて見つけた。
     結論から言うと、外見はともかく中身はまずまずお薦めできる。主人公たる矢島珠世が魅力あるのはいうに及ばず、仇討ちの敵味方同士として現れる石塚源太夫と沢井多津、それをめぐる周りのやりとりがおもしろくてなかなか読ませる。中身は7篇の小篇に分かれているのだけれど、基本的に話はつながっていて、長篇を読んでいるようなものだ。ここで終わらずにシリーズとして続編が出ているので、この先登場人物たちがどうなっていくのかというのも気になる。
     文章が達者ですらすら読めてしまうのは著者の力量だろう。この人初めて読んだけど、なかなか多作家のようなのでこの先楽しみだ。しかし、見た目の印象だけで選んでいるとこういう本を手に取ることはなかなかないんだよな。そういう知らない逸品が他にもまだまだあるに違いない。他人の褌にばかり乗らずリアル書店に足を運んでそういうものを掘り起こすというのも読書家の醍醐味の一つなんだろうな。

  • 諸田さんが描く人情ものは、ほっこりと優しい気持ちになれるから大好き。登場人物がみな、魅力的であたたかい。

  • 将軍のお鳥見女房を主人公にその家族を描いたホームドラマのような時代小説。
    寝る前に読むと心安らぐよ

  • 江戸時代が身近に感じられる話。
    諸田さんの頭の中には江戸の地図が叩き込まれているのだろうなあとうらやましくなる。

  • 知人に勧められて読んだ本。買って大正解だった。

    ミステリーとまではいかないが、それなりに謎や事件があったりもするし、登場人物が命の危険にさらされることもあるが、基本的には人情話の部分が大きいかもしれない。

    全体を通して流れている大きなあらすじがあるのだが、それに加えて各章では小さなストーリーが始まって完結する。

    主人公は珠世という女性で、お鳥見役をつとめる御家人の家に生まれ、婿をとって四人の子どもに恵まれた。お役目を引退した父、実直な夫、見習いとして出仕を始めた長男、格上の旗本の家に嫁した長女、剣術にたけた次男、まだ幼さが残る10代の次女。現在は長女を除く家族と六人家族で暮らしている。そこへ、ひょんなことから浪人の源太夫とその五人の子どもたち、そして剣術にたけて、源太夫を仇と狙う娘、多津が同時にこの家に厄介になることになった。

    まず珠世というヒロインがとても魅力的である。おしつけがましくなく、彼女の思いやりは彼女のまわりにいるすべての人をあたたかく包む。将軍家の鷹狩りの下準備をするというお鳥見という役目もこれまた今まで知らなかったがなかなか面白い。宮仕えの悲しさもこの小説の中には盛り込まれているし、上記のように命がかかる事件も起こったりするのだが、この小説の魅力はやはり日々のあたたかな流れだろう。

    今回はこれと続編になる「蛍の行方」の二冊を購入したのだが、どちらもとても良く、話の流れもいいので、残りの三冊(既刊)近いうちに入手して読みたいものだ。また好きなシリーズが出来て嬉しい限りである。



  • 矢島家の一年。7人の居候から始まり、夫の沼津での行方不明、次男の沼津行き、そして居候源太夫が次男を探しに沼津へ。一年の間のいろんなことに笑顔で対応する珠世。

  • 宮部みゆきさんの時代小説はだいたい読んだので、違う人の作品に手を出して見ました。

    前から気になっていた作家さん。

    ほのぼのとさらっと読めます。
    続編があるみたいなので早速Amazonで注文してみました。

    慌ただしい毎日だけど、お風呂での読書は続けたいなぁ

    Feb, 2012

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著者プロフィール

諸田玲子
静岡県生まれ。上智大学文学部英文科卒。一九九六年『眩惑』でデビュー。二〇〇三年『其の一日』で吉川英治文学新人賞、〇七年『奸婦にあらず』で新田次郎文学賞、一八年『今ひとたびの、和泉式部』で親鸞賞を受賞。著書に『お鳥見女房』『あくじゃれ瓢六』『きりきり舞い』シリーズのほか、『四十八人目の忠臣』『波止場浪漫』『帰蝶』『女だてら』『尼子姫十勇士』『しのぶ恋』など多数。

「2023年 『其の一日 増補新版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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