- Amazon.co.jp ・本 (474ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101223223
感想・レビュー・書評
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重々しい。
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終戦直後から現代に至るまで、親⇒子⇒孫の三代にわたって警官という職業を選んだ警察官の魂を描いたお話。
終戦後間もない昭和23年、警察官としての道を歩み始めた安城清二。
谷中の天王寺駐在所で、公務の傍ら、上野公園で起きた男娼が殺された事件と、自宅近くで起きた殺人事件を追って、近隣の五重の塔が火災に遭った日に謎の死。
父の死が殉職扱いにならなかった汚名を晴らさんという想いを秘めた息子・安城民雄も警察学校へ。しかし60年代の学生運動が華やかだった頃、民雄に与えられた職務は、公安のスパイとなって大学生として新左翼運動に潜入することだった。
本筋とは関係ありませんが、、、
p.301の学生仲間の会話の中に、「空気が読めない」という表現が出てきたので、ちょっと調べてみた。⇒ウィキペディアによれば、
書籍としての初出は山本七平の著『「空気」の研究』(1977年)である
とのことで、この60年代の学生(もうちょっと後の自分も使った記憶はないので)は使わなかったんじゃないかと思った次第。 -
著者の作品をまとめて何冊か読んだのですが、いまいち惹かれなかったんです。失敗したかなー、と思っていたら、これは楽しめました。時代の移り変わりや背景も描かれていて、興味深く読めました。
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2010年6月21日 読了。
未読リストが底をつきかけ、父に助けを求めたところ勧められた。最近は佐々木譲にはまっているとのこと。
終戦から平成にかけて約60年、三代にわたる警官一族を描いた大河小説だそうな。
文章が読みやすく、セリフも芝居がかっていないので、素直に読める。時間軸がいきなり年単位で飛んだりするので、ぼーっと読んでいると置いてきぼりを喰らうが、終戦以降の日本の現代史をなぞって話が進むので迷子になることはないだろう。
人物がよく描かれているのが好印象。
暇つぶしのつもりがうっかり引き込まれ、思わず夜更かしさせられてしまった。 -
”文庫でも読んじゃいました”
ついこの前、ハードカバー読んだと言うのに
2010-06-7~9 -
上下巻セットでようやく読み終わった!
つか、ほぼ積ん読行きだったので、
危うく救出。
ドラマ見てたから、なんとなく展開は読めているんだけど、
表現の違いで、少しだけ見える部分が増えていたり。
佐々木譲は文章の感じが結構好き。 -
4/20:谷中、上野で駐在員として地元の安全を守る安城健二。その背中を見て育った息子民雄。
確かに面白い。健二の死が民雄に与えた影響は本人が思っているよりも大きく、30年たった後でもまだ健二の背中を追い続けている。親子の絆というより、心の継承という感じですかい。
健二編では戦後の乱れた社会情勢が上野の街/公園を通じてなまめかしく書かれています。民雄編では学生運動まっさかりの日本の混乱がよく分かります。健二の同期である「血のつながってない叔父達」の存在が民雄には大きな存在だったのであろう。何度か涙してしまった。窪田...悲しいよ。
僕はこの時代に生きていたら、ポリシーのために戦っただろうか?それとも冷ややかに眺めていただろうか。根性無いから後者かな...
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4/16:やっと借りれた。話題の本ですね。 -
面白かった。なんつーかわかりやすい盛り上がりはないけど、淡々と引き込んでいくものがあるような感じがしました。
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面白い。
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文庫で発売された初日に買いに行ったものの通勤のお供には上下巻だし、重いし…としばらく読むまで時間がかかりました。
が。読み始めたら一日で読破。やっぱり面白い。
それぞれの読む方の年代によってどの辺りが面白い、とか感じることも違うかと思います。私は2代の駐在さんとしての生活の辺りが一番面白かったです。
それにしても登場して2Pぐらいでこの人絶対アヤシイ、と思った人物がやはり色々な意味で黒幕でした。ただの勧善懲悪、正義を振りかざした小説ではないラストは読み終わった後、少し考えさせられました。 -
壮大な序章。
時代背景と警察組織に知識があったなら、もっと楽しめたかな。
いやでも、それでもおもしろかったです。 -
昭和初期から現代まで、祖父からずっと警官という一家の男の話。
テーマがツボなので、楽しくドキドキワクワクしながら読みました。
ミドリ殺しに一体誰が絡んでいるのか、何を見て何に気づいたのか?
公安の学生運動潜入捜査もハラハラ。 -
直木賞受賞ということで購入。面白いんだけど、ちょっと途中でダレル感じがする。
でも、TVドラマよりは断然原作のほうがよかったです。 -
警官小説!
昭和23年の警官大増員時代に採用され、誠実に努めた成果が駐在所勤務。だが、気にかかる事件をあった・・・そして、突然の転落死。息子は父の背中を見ながら、血のつながらない叔父達(父の親友達)の支援で警官に! そして親子二代の同一の場所の駐在さん
しかし、若くして公安のスパイであったことが神経を蝕んでいたのだが、父の死の原因を知りそれが再発!自殺にも見える殉職となった・・・そして、3代目は新たな警官としての道を歩む
重厚に描かれた警察として、人間として生きることに苦悩するドラマ
読むべし! -
骨のある硬派小説。親子三代、それぞれの時代背景に沿った警官人生が色濃くにじみ出ていて、一気に読めた。筆者は外国小説からストーリーのヒントを得たとのことがあとがきに書かれてあったがそちらの小説も読みたくなった。
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父、子、孫と受け継がれる「血」。道具立て自体は地味だけど、どんどん吸い込まれていきます、
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三代に渡る警官の血が巻き起こす悲劇のプロローグ。
二代目の民雄編の途中で上巻は終わるのだけれど、
引き込まれる引き込まれる。すぐに下巻に手をつけてしまった。 -
素晴らしい!圧巻!さすがの一冊(2冊?)でした。
ドラマとは違って、最後に謎が解ける構成になっていますが、その方が緊迫感があっていいですね。 -
待ってました!ようやく文庫化されましたよ。
映像化されたこともあり、非常に期待を持って
読み始めましたが、期待を裏切りません。
何より登場人物が魅力的です。
初代~3代目まで、一本筋が通りつつ
時代背景に合わせた性格付けがなされており、
話に引き込まれました。
個人的に上巻で特にグッと来たのは、窪田の
結婚話。4人の個人的繋がりと、その後の結末に
良いスパイスとなっている気がする。 -
一気に読んでしまった。各主人公が活躍する「時代」に引き込まれた。