丕緒の鳥 (ひしょのとり) 十二国記 5 (新潮文庫)

著者 : 小野不由美

• 新潮社 (2013年6月26日発売)

感想・レビュー・書評

[田宮さんの感想 · 2023年4月15日]

今回は短編集でした。初出を見る感じバラバラに出たようですし、2つは描き下ろしですし。
本編はちょっと休憩かな。

4編収録。いつもの王とその付随する人々の話でなく、市井の人々がメイン。
ちょっと違う人たちもいるけど、いずれも本筋の王でなくちょっと離れたところにいる人たち。

いつものようにものすごいドキドキワクワクが待ってるわけではなかったですが、確実に十二国記の世界を補強してくれてます。

しかし！しかし！
この短さであちこちの話されると体力がもたない！こちらの！笑
一つ一つがいつもの十二国記ばりにしっかり重いので、次の話にいってもなかなか切り替えられなくて。笑
すごい。十二国記。
一編一編の間に別の本挟みたいくらいだった。笑

青条の蘭に関しては、最後にネタバラシで謂わず叫んじゃいましたとも。笑
わたし、思っているより某王のファンだったみたい。


＠手持ち本

[月乃さんの感想 · 2023年2月23日]

やっと読み終わった…読むのが辛かったです。正直しんどかった。
十二国記シリーズの短編集ですが、４編からなる物語は全て名も無き市民たちの物語でした。
脇役にスポットライトを当てたというか、市民たちの辛い暮らしを描いた物語というか。
読み物としては面白かったけれど、十二国記シリーズとして読むには少し物足りない感じです。
次は再び本編に行ける！次巻に期待です！！

[百子さんの感想 · 2023年2月23日]

出てくる用語を書き出し、ルビを振りながら読んでみた。今までなんとなくで読んでいた所のディテールが見えて、小野不由美の作り込み具合に驚愕する。もちろん十二国記の世界観自体がフィクションなんだけど、その国一つ一つが、治め方もルールも慣習も、時世も違う。役職も違う。それを全部破綻なく書いている。
いやぁ…とんでもない物語ですね、十二国記ってのは。解説で辻真先さんが書いていた「民の物語」というのに納得。特にこの短編集では王や麒麟の活躍を描いている訳ではないので、一層民衆目線が感じられると思う。
射儀を司る羅氏・丕緒の話、極悪人のために殺刑を復活させるか否かの話、王に祈ってもらうために命懸けで丸太を運んだ迹人の話、外でどんな嵐が吹き荒れていても暦を作り続ける保章氏・候気・候風・掌暦の話。
どんな治世でも民は懸命に生きる。自分の職分を精一杯こなす。
十二国記の世界は厳しいけれど、希望を与えてくれる。生きた物語である。

[ちいちゆさんの感想 · 2023年2月7日]

王に民の気持ちが伝わってほしい。

[Hopiさんの感想 · 2023年2月6日]

十二国記の短編集。
国民の側、いつもの天上人の視線ではなく、市井で生きる人々の側から描かれている。
重たく暗い世界だが、その先に僅かな光を見出せる物語の中で、二篇目の犯罪者に死刑を施すか否かの物語が最も暗く難しく、どちらに転んでも難しい選択肢で、何故か一番印象的でした。

[餅原もちさんの感想 · 2023年2月1日]

4つの短編からなるエピソード5。最初の話は違うけど、王が斃れてからの荒廃の描写が多く結構心が痛くなったな…最初の話はまとめると「陽子最高！」としか言えない(笑) エピソード6は恭国の話だっけ？楽しみ〜！

[＊kaporin＊さんの感想 · 2022年12月14日]

短編集。
2つ目の死刑についての話が1番面白かった。

[miさんの感想 · 2022年12月5日]

１．催事に陶器の鳥を作る人（矢で撃ち落される奴）の話。最後に王になった陽子が登場。２、めっちゃ殺人するやつを死刑にする話。それから国が傾いていくってヤツ。３、ブナが病気になっちゃうヤツ。頑張ってたらみんなが協力してくれて王に届いた。雁の話。４、暦を作る人たちの話。

[芳樹さんの感想 · 2022年11月12日]

【再読】陽子の即位式での儀式で使う”陶鵲”の作成を命ぜられた羅氏の丕緒が、過去に思いを馳せ、昔の仲間が望んだ陶鵲を創るまでを綴る『丕緒の鳥』・殺刑が廃止された柳で連続強盗殺人犯の量刑を巡り苦悩する司法官と、刑司・瑛庚の葛藤を描く『落照の獄』・王を失い荒れる国に蔓延する山毛欅のみが枯死する奇病。迹人の標仲が病を治す”青条”を見出し、新王へ届ける苦難の道のりを描く『青条の蘭』・舒覚の悪法のため家族を殺され絶望した蓮花が、逃げ延びた里で暦を作る人々と過ごし、やがて燕の姿に希望を見出す『風信』。珠玉の四編でした。

[kei1122さんの感想 · 2022年10月22日]

異世界の現実を生きる市井の人々。

今回は短篇４作品。主役は王とは滅多にまたはまったく直接関わることがない人々。陽子が好きなので『丕緒の鳥』が印象に残りました。相変わらず十二国記の世界観の作り込みは素晴らしいなぁ。

丕緒の鳥
射儀は映像で観てみたい。

落照の獄
法の裁きとしての殺刑（死刑）は是か非か。

著者プロフィール

大分県出身。講談社X文庫ティーンズハートでデビュー。代表作に『悪霊シリーズ』 『十二国記シリーズ』『東亰異問』『屍鬼』など。重厚な世界観、繊細な人物描写、 怒濤の展開のホラー・ミステリー作品で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『悪夢の棲む家　ゴーストハント（1）特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」