ゴールデンスランバー (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
4.14
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本棚登録 : 37471
感想 : 2394
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  • Amazon.co.jp ・本 (690ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101250267

感想・レビュー・書評

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  • 何かに追われる夢を見たことがある…
    大抵は怖い夢だ。
    この話はそんな話で、何かわからないものから、逃げて逃げ続ける。
    途中までは読み進めるのが怖かった。
    はじめは、登場人物が全てフルネームで頭に入ってこなかった。
    途中からすんなり入ってくるのは慣れなのか?あっという間に読み終わった。

  • 善良な市民がなにか大きなものに巻き込まれる話。

    大きなものにとって誤算だったのは、善良な市民には、強い味方がたくさんいたこと。いいことをしてる人には、いい人が集まってくるんだぜ。

  •  2007年度第21回山本周五郎賞&2008年本屋大賞に輝いたエンタメ巨編。
     何度読んでもやっぱり面白い。巨大な陰謀に巻き込まれ、首相暗殺の犯人に仕立て上げられた主人公、青柳雅春。自分の知らないところで事件が動き、勝手に進展していく。「なぜ自分が?」顔写真が公表されると同時に周囲の人間すべてに監視された感覚に陥る恐怖と絶望。しかし、そんな状況下でも青柳に手を差し伸べてくれる人間もいて、青柳は懸命に陰謀から逃げる。
     やはり、信頼されるためには人間性なんだなと考えさせられる。バラバラに登場する人物たちが徐々に線で繋がっていく構成に思わず唸ってしまう。

  • 解説でも書いていたが、伏線を回収し尽くさない今までとは違うやり方だったと思う。それはエンターテイメントとしてリアル感があり、より緊迫感が伝わってきたと思う。

  • 後半、引き込まれました。またまた伊坂節ですね~~。クスッとする会話がたまらなく、もう10年前の作品ですが今の時代にピッタリで……今を予想してたような内容。 皆さんのレビュー通り、最後の判子には、うるっときました。どの作品もですが、出てくる人の癖のある台詞、優しさはグッときます。でも、やっぱり殺し屋シリーズには敵わないかな(笑)

  • 終わり方があっけないようにも思うけれど、でも最後に「たいへんよく出来ました」のハンコを押してもらうシーンではちょっとジーンときました。姿形が変わってもそいつだってわかるだけの関係性のある同級生が自分にはどれだけいるのだろう?と考え込ませてくれました。

  • 後半一気に読みました。
    少しずつ話が繋がる快感が気持ち良く、最後の回収は見事。
    真相は藪の中でもやっとすることがわかっているにもかかわらず、ラストの爽快感がすごい。

  • 首相を暗殺したのが誰なのか、なぜ青柳が犯人にしたてあげられたのか等、真相部分は一切解明されない。
    あくまでも、青柳がこの状況からいかに逃げ延びることが出来るか に焦点を当てて書かれた作品。でも、一切の謎解きがなくてもその逃走の過程が楽しめました。
    最後の「たいへんよくできました」を目にした時は何だかすごく嬉しくなった。

  • 20130801読了
    小ネタが面白い。
    ヘッドホンの男は一体何だったんだろう。

  • 2010年12月読了

    文庫化されたのを書店で見つけ即買いしました。

    緊張感、疾走感、一級品!書き手の変化によって主観が変化し、それに伴い過去の記憶が現在に繋がる伏線の妙が、主人公の謂れのない罪からの逃走をサポートしていくサスペンス劇、引き込まれて一気にいきました。

    過去の読了済みの伊坂作品と比べても伊坂作品№1です!

    ベースになっているのはケネディ大統領暗殺です、あまりに巨大過ぎる敵に出会った時できることは…ただ逃げること。あまりに不条理なこの設定で、根本にある謎を棚上げしておいて、逃亡する主人公にのみスポットを当ててこれだけの物語を創作する作家さんて…改めて手腕を認めざるをえないようです、とにかく素晴らしい作品です、伊坂作品を読むならこれだけは外せないでしょう。

    • kwosaさん
      全ての伊坂作品を読んだ訳ではないのですが、僕もこれがNo.1だと思います。
      再読すると第三章は、「若者たちが、『〜アメリカみたいだ』と嘆いて...
      全ての伊坂作品を読んだ訳ではないのですが、僕もこれがNo.1だと思います。
      再読すると第三章は、「若者たちが、『〜アメリカみたいだ』と嘆いていた」や「森の声も聞こえなかった」という記述から、このノンフィクションライターがおそらく青柳であろうことがわかります。そう考えると青柳は日の当たる世界できちんと生活し、あの事件の真相を白日の下にさらそうとしている、本当の意味で逃げ切ったのだと思われます。
      作中にノーマルENDとは別に真ENDをまぎれこませるとは「伊坂幸太郎すげぇ!!」って思ってしまいます。
      2012/10/22
    • しろコシオさん
      kwosaさん
      コメントありがとうございます、映画はご覧になってますか?ほぼ原作をなぞるストーリー展開で青柳役の堺正人氏がかなりイメー...
      kwosaさん
      コメントありがとうございます、映画はご覧になってますか?ほぼ原作をなぞるストーリー展開で青柳役の堺正人氏がかなりイメージ通りの役作りになってます。けっこう面白かったですよ!
      2012/10/23
    • kwosaさん
      映画版はTV放映で観ました。堺さん、よかったですよね。あと中村監督作品常連の濱田岳が、あいかわらずいい味を出していました。ショットガンを持っ...
      映画版はTV放映で観ました。堺さん、よかったですよね。あと中村監督作品常連の濱田岳が、あいかわらずいい味を出していました。ショットガンを持った永島敏行が意外にはまっていて不気味だったのも印象に残っています。
      2012/10/24
  • この本、映画化された時でも文庫にならず、そういう意味でも待望久しい文庫化。
    出張の新幹線で読もうと持ち込んだけれど、伊坂本の例に洩れず、前に戻って伏線張ってあったところを確かめたりしながら読むもんだから、長尺をこなし切れず、それでも休日の今日には一気読み。
    例に洩れずとは書いたけれど、最後のピースが嵌って見てみると綺麗な絵になる作品とはまた異なり、ピースを嵌めていく過程をあっちこっちから見せてもらって堪能させられたって感じ。いや、面白かった。
    物語は「首相暗殺の濡れ衣を着せられた男は、国家的陰謀から逃げ切れるのか…」という逃亡劇なのだけれど、逃亡の合間で、登場人物の現在と過去が交錯しながら、湧き出る思い出とそれに纏わるかつての友人知人が直接間接に絡まる展開は、ある意味、青春の物語でもあって、ことある度に出てくる『習慣と信頼』という言葉は、伊坂本らしい洒脱さを身に纏った登場人物たちの魅力も相俟って、生きる上で大事なものは人との繋がりや信頼なのではないかという作者の考えを端的に示して印象的。
    勿論、逃亡劇としても、最後の投降に至る件りはどうなることやらともうドキドキ。そして迎える思いも掛けない未明の顛末。もう、お見事。

  • 昔の仲間たちがなんとかして手助けをしてくれようとするのがアツかった
    ラストシーンの、検閲が入る両親の元に届いた便りや主人公に押されたスタンプに泣いてしまった

  • 2024.3.2

    全体4章のうち、最初はそこまで面白みを感じず読んでいたが、3章から手に汗にぎる怒涛の展開で一気に引き込まれた。
    終盤になっても真犯人が見つかる目処が全く立ってないのでどうやって話をまとめるのかと思っていたが、結局真犯人や事件の真相については触れないで終わったのが新鮮だった。
    解説によると作者は全てを明らかにスタイルはあまり好まず、この”全ては畳まないストーリー”は狙っていたようだ。

  • 100ページほどの前置きでテンション下がったが、その後の展開に目が離せなかった。ラストは少し物足りなさあった。

  • 首相暗殺の濡れ衣を着せられた主人公。追ってから逃げる緊張する場面と大学時代の平凡で何気ない日々との対比が、恐ろしさを増幅。最後に過去に関わった人たちとの見事な伏線回収。
    伊坂幸太郎さんの作品、やっぱり好きです。

  • 最後までハラハラが止まらず、後半は一気に読み終えてしまった。
    架空の物語ではあるけれども、なんとなくリアリティがあって、もしかすると世界中のどこかでこんなことが起こってるのかなとか想像すると、とんでもなく怖くなった…。

    この真相編みたいなのも読んでみたい…!

  • 最後の最後のやってやった感が爽快な作品。
    濡れ衣を着させられた主人公が逃げ惑うのがドキドキする。誰が、何のために、大事な理由が抜け落ちたまま逃げるせいで緊迫感がしっかりあって面白かった。

    刻一刻と状況がどんどんと変わる中で逃げ続ける中でもこれまで出会った人たちが主人公を信じているのが良かった。もし自分が同じ状況ならこれほど嬉しい事はない、ってことがいろんなところにあった。

  • うん、面白かった。
    主人公である青柳は、ある日突然首相暗殺の濡れ衣を着せられ逃亡生活を強いられます。
    面白い所は、警察組織が彼を追い込んでいくのですが、その裏で警察を操っている巨大な首謀者は誰か?!という点が明らかになることはありません。
    また、この逃走劇の結末は決してハッピーエンドと言えるものではありません。青柳が最終的に選択したのは、誰からの監視や追跡から逃れて生きていくために、それまでに歩んできた人生を一旦清算することでした。
    ただ、彼の両親や信頼できる友人を除いては…。
    私の好みとしては『色んな苦難があったけれども最後には報われる』といったストーリー展開なのですが、これはこれで読み応えは十分ありましたので、この本とご縁があって良かったです!

  • 読む前は本の分厚さに若干ビビりましたが、読んでいるとそれほど気になりませんでした。
    森田さんには少し悪いですが、青柳さんの身の回りの人がそれほど消されていなかったと知って少し安心しました。

  • 「アヒルと鴨のコインロッカー」以来、久しぶりの伊坂幸太郎作品。この作品も大変楽しめました。読んでいると、つい第3章をもう一度読みたくなってしまって読み終わるのが遅くなってしまいました。「アヒルと鴨のコインロッカー」よりスケールの大きな話でした。良かったです。

  • 何かしら大きな存在に翻弄される
    男の物語。
    しかしラストまで何なのか存在が
    わからない。
    不条理極まりない物語にも
    周りの人たちの救いがあって、
    ほっとさせられる。

  • 大学生の時に読んだ本作が今でも1番記憶に残ってて1番好きな作品です。

  • 前半は少しダラダラと感じるが後半は一気読み!
    そして前半をまた読みたくなり再読していると、前半の面白さを理解できる。

  • 僕に読書の面白さを教えてくれた作品

  • 物語の視点が複数人で描かれる。青柳雅春が主人公だが、物語の冒頭はニュースを見ている第三者目線から始まる。主軸の物語の進行中、大学時代の回想が混ざり青柳雅春の行動や思考に厚みを持たせている。結末を知った後にまた読み返したくなる本だった。『人間最大の武器は、信頼と習慣である。』

  • 皆が出来る範囲の中でする手助けが、手渡しバトンとなっていてその背景や思い遣りに感動
    「人間の最大の武器は、信頼と習慣だ」
    青柳の人間性があったからこそ自身を救う事が出来て
    このストーリーの本質的な部分だなと感じた。
    個人的にお父さんのキャラクターが大好きです

  • とりとめのないファミレスでの会話、花火をみながらの告白などの学生時代ならではの日常の描写の美しさと、首相暗殺の濡れ衣にされている現在とのギャップが何とも切なくて胸が苦しくなりながら読んでいた。

    読み終わった後、すぐに第三部の事件から二十年後の部分を読み直した。彼が語り手だったんだと気付いて二十年後にも生きていることにまずホッとしたし、先に事件の後のことが語られてから事件当初の状況が明かされるのは改めて面白い構成だなと思った。
    また、あくまで筆者(青柳)による考察とはいえ、第二部時点ではまだ出てきてない人ばかりなのにこの第三部で明かされる情報が重要なものばかりで、もう既に最初から読み返したくなっている。失踪して顔を変えた後も青柳はずっと事件の真相を追っていたんだなと分かり感慨深かった。

    結果的に真犯人が誰かも、なぜ青柳が候補に選ばれたのかも分からない状態で幕を引いたが、青柳自身の言葉で様々な可能性が語られているあの第三部こそが彼が追い求めた想像し得る真相の全てなのだと思えば不思議と後味は悪くなかった。

    お気に入りはテレビの取材を受けて父親が息子を励まし、ちゃっちゃと逃げろと言うシーン。ボロボロ泣いた。警察の児島さんが泣いてるのを見てもっと泣いた。ラストの「痴漢は死ね」の手紙でもボロボロ泣いた。こんなに泣くことになるとは思わなかった。この小説、ロックな男性が多すぎる。
    エレベーターで晴子達と一緒になりボタンを親指で押すシーン、「たいへんよくできました」のハンコを娘が押すところも見事な伏線回収で感動してしまった。
    ビートルズのAbbey Roadのアルバムを聴きながら余韻に浸っている。

  • とても面白かった。
    情報過多な時代に情報操作によって陥れられていく。
    さらに部外者は犯人に仕立て上げられた人物が捕まればすぐに興味を失う様も描かれており、世間と当事者との比較、現実感の違いが痛切に感じられた。
    この作品が書かれたのはテレビから情報を得る時代であるが、現代においてはSNS上で同じように情報操作による被害は起こっているのではないかと感じた。(首相暗殺ほど世間的には大事ではないにしろ被害者からしたら大事である)

  • 読み進めていっても全く展開が読めず、終始ハラハラドキドキしっぱなしでした。こういう展開になるんだろうという予想をあっさりと裏切っていくので最後まで飽きずに読めました。理不尽な登場人物が登場しては読者の自分まで憤慨し、頼もしい登場人物が登場しては ナイス!と思わず言いそうになるくらい感情移入してました。面白かったです。


  • 逃げる逃げる…

    いろんな知り合いや初めて会った人まで助けてくれてでもそんな結末なんて

    樋口さんの娘の機転のきくところが好きだった

    警察はこわいね

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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